なつみかんの木々を見上げて

野草大好きなつみかんです。
植物園や身近な場所の植物を紹介します。

琵琶湖猛暑散歩(1) 外来種の侵攻を憂う

2021-08-12 05:29:11 | 植物

スイレン三昧を楽しんでみずの森を後にしたなつみかん、いつもの通り湖岸に車を止め散策です。
(それにしても暑い・・・)
2016年に同じ場所を初めて訪問したときに目にした美しくも恐ろしい光景・・・
あのオオバナミズキンバイはまだ咲いているのでしょうか。

湖岸沿いの道を歩いてすぐ見つけたのがこちら。
メリケンムグラ(アカネ科オオフタバムグラ属)です。
いかにもアカネ科といった風情の花ですが、毛深いです。



地面に這うようにして沢山。
北米原産の外来種で、茎は枝分かれして地面にマット状に広がります。
これまで宇治川沿いの2か所で見かけていますが、どちらもカンカン照りの護岸の隙間から広がっていました。
暑さにはめっぽう強いようです。
   

お次に目についたのがこちら。ノゲイトウを丸く白くしたような花。
こちら、花だけ見たら可愛いのですが、とんでもない被害をもたらす特定外来生物なんです。
その名は、ナガエツルノゲイトウ(ヒユ科ツルノゲイトウ属)。


ネットで検索してみると、出るわ出るわ、ツルノゲイトウの悪行三昧・・・
在来種を駆逐するわ、水面に繁茂して舟の通行を妨げるわ、水流を停滞させて水質悪化を招くわ、いいところなしです。
しかも、水中でも陸上でも育ち、重機を使って駆除してもわずかな切れ端から再生・・元の木阿弥に。
日本ではまだ関東以西の一部の府県にしか帰化していないようなので、なんとか北上は防ぎたいですね。
(といってる間にも、侵入してるかも・・・)
米国では天敵を導入して駆除しているどうですが、日本はどうするのでしょうね~

 

お次はナガエツルノゲイトウと並び立つ困ったちゃん、オオバナミズキンバイ(アカバナ科ミズキンバイ属)です。
2016年に初めてここを訪れたときには、湖岸沿い、水中にも陸地にもびっしりとはびこっていました。
下の写真はその時の様子です。

陸地でも・・・

(2016/8 烏丸半島)

湖の中にも・・・
        
        (2016/8 烏丸半島)

ところが、その後学生ボランティアによる大規模な駆除活動などが行われ、今回行ったときには全く見られませんでした。
よかった~!
・・・と言いたかったのですが、一か所だけ分かりにくい場所に花を見つけてしまいました。
見ての通り、在来のミズキンバイより花が大きく、とても綺麗です。
ですが、ナガエツルノゲイトウ同様、数センチのかけらからでも再生し、同様の悪さをするそうです。
遠くから望遠で撮った写真ですが、これ以上増やさないようにしないと・・・



他に花は・・・あった!
これはヒレタゴボウ(アカバナ科ミズキンバイ属)でしょうか。
別名アメリカミズキンバイの名の通り、こちらも北米原産の外来種です。
休耕田などで増えているのを見ますが、こんなところにも足を(種を)伸ばしているのですね。


後はというと・・・ナンキンハゼ(トウダイグ科ナンキンハゼ属)が目に付きます。
原産地は中国・台湾なので、立派な外来種ですね。
こちらのナンキンハゼはやたらと実付きがよく、前に行った時から気になっていました。
なにか理由があるのでしょうか。



おや、あそこのナンキンハゼは綺麗なネックレスをしていますね。
あのツル植物はなんでしょう? ウリ科のように見えますが・・・


写真がこれ一枚なので確実ではありませんが、どうもアレチウリ(ウリ科アレチウリ属)のようですね。
北米原産で・・・おっと、こちらも特定外来生物です。
しかも、日本の侵略的外来生物ワースト100にも入っています。
やはりここはカラスウリなどに出てきてほしいのですが・・・

ということで、いったい琵琶湖はどうなっちゃったの!? と皆さん心配してくださっているのでは。
でもご安心ください。
今日は見た植物の中で、わざと外来種だけ選んで載せてみました。
明日はその他に見た植物や光景をご紹介しますので、どうぞ見に来てくださいね。

ご参考までに・・・歩いていたのはこんな場所(2019年の写真です)
右手の木々のさらに右手が湖で、今回載せた花たちは、この歩道と湖の間に咲いていました。


【撮影:2021/7/31  滋賀県草津市烏丸半島】




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12 コメント

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おはようございます^^ (attsu1)
2021-08-12 06:08:00
メリケンムグラ、暑さに強いんですね。

昨日、寝る前に、少し窓をあけたら、涼しかったので、
エアコンとめて寝たら、夜中に汗びっしょりで、
暑くておきました。
人間の弱さを感じます。
結局、エアコン入れて寝付けました^^;

ナガエツルノゲイトウ、これは近所では
あまり見ない花、特定外来生物なんですね。
最近、近所の小さい川、両岸の草取りが進み、
いつも見る草花(センニンソウとかetc)
軒並み見なくなりました😰😢

秋が早く来てほしいと思う今日このごろです^^;
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侵入生物 (shu)
2021-08-12 06:10:25
なつみかんさん おはようございます。
日陰のない、いかにも暑そうなところを散歩されたのですね。お疲れさまでした。
今回は外来種を選んで載せられたとのこと。今のところ、私の身の回りでは見かけない植物ばかりでした。
植物に罪はないのですが、分布を広げてほしくないですね。

山でも侵入植物が増えています。原因のほとんどが登山者の靴などに種が付着して運ばれたことです。
私の故郷の山の白山でも、オオバコが侵入したため、在来種のハクサンオオバコとの雑種が増えました。
今では登山道周辺に、純粋なハクサンオオバコがほとんど見かけられなくなりました。
それでも登山道を離れると、ハクサンオオバコがあるそうです(私は見たことがありません)。
対策として、ボランティアによる駆除がなされています。
また、さらに侵入生物を増やさないように、登山道の所々に靴を洗うための設備も用意されています。
今のところ、海外からの侵入生物が見られないのが救いです。
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外来種のオンパレード (fukurou)
2021-08-12 08:29:38
なつみかん様
おはようございます。
いずこも同じですね。
大阪の川沿いの散歩道、オオバナミズキンバイが繁茂します。
毎年市の河川課にメールしています。
メールしなくても駆除してほしいものです。
去年、歩いている人が、綺麗な花だとスマホで写真を撮っておられました。
返信する
ステリー仕立て (ninbu)
2021-08-12 09:02:47
なつみかんさん、おはようございます。
きょうはミステリー仕立てのスタートですね。
メリケンムグラから始まり、出るは、出るは悪党ども。
外来種のオンパレードで、琵琶湖の終焉を予感しました。(笑)
でも、いつになっても正義の味方が登場しません。

なつみかんさんがやっつけてくれるのかと期待しましたが・・・。
最後に学生ボランティアの話が出てホッと一安心。(^.^)
さらに、「でもご安心ください」。
今日は見た植物の中で、わざと外来種だけ選んで載せてみました」
の落ちで締めくくり。素晴らしい! (^.^)

もう10数年前、この近くの琵琶湖マリオットホテルに宿泊しました。
その時、別の”美しくも恐ろしい光景”を目にしたことを覚えています。
近くにあった”ピエリ守山”というショッピングモールに行って、
同じような経験をしました。
店の大半が閉店しておりお客もまばら、やっと見つけた店で食事をした
思い出があります。今は復活しているそうですが、盛況ですか?
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こちらはちょっと古くなったけど…ジャンボタニシ (しいちゃん)
2021-08-12 15:15:53
なつみかんさん、こんにちは。

外来種お花は綺麗と思ってもいろんな危害を与えるのですね。
増えすぎて日本古来の植物を絶滅させるような子は、
入って欲しくなかったな~。
コロナだって外国からですものね。
かといって鎖国するわけにもいかず・・。
最近はセアカゴケグモ(で良かったかな?)もまた中国からの荷物にくっついて来てるそうですね。
一番の孫娘の会社でも見つかったので注意してくださいの連絡が来たって言ってました。
「どう注意するねん!!」って言ってましたよ(笑)
やはり日本は元々は美しい国だったのですよね。
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恐るべし 外来種の大繁殖! (カワセミ)
2021-08-12 17:43:16
こんにちは。
母なる琵琶湖 ~ 私の故郷 は 滋賀県 高島市 です。
高島市の琵琶湖岸では 近年までは見られなかった オオバナミズキンバイ ですが 2019年 夏に
群落が発見され 即 、除去大作戦が 実施されたそうです。
琵琶湖の 南湖だけでなく 北湖へも 進出してきたようです。

山科川の 遊歩道でも
エリア限定ですが メリケンムグラが 広がり
可憐な花を咲かせています。
そしてそして、 恐ろしいほど 爆発的に 大繁殖しているのが  風呂尻橋付近の アレチウリ!   
昨年は 花や実を たっぷり 観察できました。
特定外来生物 ですが ここでは 駆除されることはなく 、昨年も 自然のままで 季節が終わったら 枯れていき 、今夏は また 爆発的に 繁っています。 
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わかります~ (なつみかん)
2021-08-12 20:36:22
attsu1さん、こんばんは。
そうなんですよ~
去年でしたか、暑い日に宇治川畔を散策していて、下の方のコンクリ護岸の隙間に何か咲いてる?
と思ったら、メリケンムグラでした。
ほかの植物が枯れかけているような雨の少ないときにも元気で驚いた記憶があります。

こちらはここ数日少しだけ夜涼しいです。
でも、湿度が高いので、何もつけなかったら確かに汗びっしょり。
扇風機にすると、変な感じで涼しくなって起きてから鼻水が出て困りました。
やはり、適度な温湿度が保てるエアコンはいいですね~
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おっしゃる通りです・・・ (なつみかん)
2021-08-12 20:40:50
shuさん、こんばんは。
これらの植物は2016年に行った時から結構繁殖していました。
オオバナミズキンバイはあまりにも目立ちすぎて、かなり徹底的に駆除されたので、私が見る限りこの一株だけでしたが、ナガエツルノゲイトウは地味な花なので、結構スルーされていたようです。
ほんと、花に罪はないんですけどね~
こんなグローバル化はちょっと勘弁してほしいです。

山の侵入植物はおっしゃる通り靴にくっついて入ってくるようですね。
伊吹山でもオオバコやヒメジョオンなどが駆除の対象になっているようです。
ちなみに、わが家の周り、溝蓋やプランターにはこの間数えたら10種類以上の「雑草」が生えていました。
そのうちいくつかは私が体にくっつけて運んだのではと疑っています。
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え~っ (なつみかん)
2021-08-12 20:43:45
fukurouさん、こんばんは。
大阪の川沿いにはオオバナミズキンバイが沢山さいているのですね。
さすがにうちの近所ではまだ見かけたことがありません。
ただし、オオカワヂシャやオランダガラシなどは、あちこちの川で大繁殖です。
これまでなかった植物は天敵がいないのでしょうか??
不思議と花も綺麗なものが多く、育ててしまう人が出るのかもしれませんね。

自治体に連絡してもなかなかすぐには対応してくれないようですね。
動物の方は結構神経質になっているようですが、植物にはわりと甘い気がします。
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ボランティアの力 (なつみかん)
2021-08-12 20:49:18
ninbuさん、こんばんは。
いつもしっかりと読みこんでくださってありがとうございます。
手抜きがすぐにばれそうでコワいです(笑)
オオバナミズキンバイは綺麗なだけに、よほどしっかり広報して、駆除しないと、あっというまに在来種を駆逐しそうでした。
幸い、ボランティアの働きで最悪の事態は免れているようですが・・・
まあ、悪い奴といっても、植物には全く罪はないんですけどね~

ピエリ守山に行かれたことがあるのですね!
私自身は噂だけで足を運んだことがなかったのですが、「明るい廃墟」だったそうですね。
今は温泉まで湧いて、すごく素敵なところになっているようです。
今元気がない施設でも、やりようでは繁栄するというお手本みたいですね!
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