尹大統領が11日、大統領警護処幹部らとの昼食会で、「捜査機関の2回目の逮捕状執行の際には武力の使用を検討せよ」と指示したことが確認された。

2025-01-13 13:53:52 | 韓国を知ろう
 

「尹錫悦大統領、逮捕阻止のため武力使用の検討を指示」

登録:2025-01-13 06:45 修正:2025-01-13 07:29
 
警護処職員が暴露…「幹部たちが反発」
 
 
7日に内乱罪の容疑者である尹錫悦大統領の逮捕状を再交付された高位公職者犯罪捜査処は、執行計画の樹立と最後の法理検討を進め大統領官邸の再進入の時期を苦心している。12日午後、人影の少ないソウル龍山区漢南洞の官邸周辺のようす=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 「内乱罪の容疑者」尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対する2回目の逮捕状執行が差し迫った中、尹大統領が11日、大統領警護処幹部らとの昼食会で、「捜査機関の2回目の逮捕状執行の際には武力の使用を検討せよ」と指示したことが確認された。このような指針を知らされた警護処の4級以上の幹部らは、12日午前にキム・ソンフン警護処次長(警護処長職務代理)が開いた会議でごく少数を除きほとんどが反発したという。警護処内部で上級者に対して集団的な反発が起きたのは極めて稀なことで、今後、高級公職者犯罪捜査処(公捜処)と警察の2回目の尹大統領逮捕の過程で、警護処職員が令状執行に協力する可能性が高くなったものとみられる。

 警護処の業務に長く携わってきた現職の警護処の関係者は12日、ハンギョレのインタビューで、「尹大統領がキム・ソンフン次長以下の3級以上の幹部を官邸に呼んで激励する昼食会を開いた。その場で、捜査機関が逮捕状を執行する過程で武力の使用を検討するよう指示したという」と語った。尹大統領が直接「武力の使用を検討すべき」との指針を下したことを受け、これまで「物理的衝突だけは避けなければならない」として、パク・チョンジュン前警護処長を水面下で説得してきた幹部の多くが怒りをあらわにした、というのが同関係者の説明だ。

 このような理由から、同日午前8時に開かれたキム次長と部長(3級)・課長(4級)団会議では、警護処首脳部に対する中間幹部たちの糾弾が相次いだという。出席者のうち2人を除く全員が、尹大統領の逮捕状執行阻止に反対したという。部長級幹部らはキム次長の辞表提出を要求すると同時に「次長はなぜ警察の出頭要請に応じなかったのか」、「職員たちを犯罪者にするつもりなのか」、「官邸の勤務体制を平時体制に戻すべき」などと糾弾する発言をしたという。このうちある部長はキム次長の辞任を求める一方、部署職員全員(15人ほど)の休暇も指示したという。これに対しキム次長はこの部長に対し、待機発令措置を取ったという。

 警護処関係者は「4級以上の幹部の多くは尹大統領に対する逮捕状の執行に協力しようという立場に転じており、物理的衝突まで甘受しようと主張する強硬派は10人以内とみられる」とし、「内部の抵抗意志がないため、ごく少数の強硬派が火力を使う不祥事が起きない限り、令状執行を組織的に阻止することはないだろう」と語った。

 警護処の幹部らがこのように反旗を翻したのは、パク前処長の辞任後、職務代理を務め強硬方針を固守するキム次長に組織の命運を任せるわけにはいかないという判断が大きく働いたものとみられる。これまでパク前処長は水面下で外部との「調整」に努め、内部をなだめてきたという。パク前処長は10日午前10時、警察に出頭する前に、警護処内部に「人間の鎖(スクラム)方式でも令状の執行を防いではならない」として、無抵抗・非暴力の原則を指示したという。さらに警察の取り調べを受ける前、記者団に「物理的衝突や流血事態が起きてはならないという考えから、チェ・サンモク大統領権限代行に数回にわたり政府機関間の仲裁を建議しており、大統領弁護団にも代案を要請したが、それに合う回答は得られなかった」と述べた。

 警護処の関係者は、「パク前処長は(強硬派を説得するために)職員に『大統領警護法』と令状執行の適法性などを挙げて司法府の判断を聞いてみようと言った。裁判所が尹大統領側の逮捕状の異議申し立てを棄却すると、その後、警護処内部でもため息が漏れた」と伝えた。パク前処長が警察に出頭した時が、事実上職員が(状況を)『片づけて』出て行く良いチャンスだったというのが同関係者の説明だ。そのうえで「ただし、警護処は他の公務員組織と違って、一人の指揮者(処長)だけを中心とする『オーケストラ』と似ており、意見を取りまとめる求心点を作ることが難しかった」と説明した。

 そのような状況で、キム次長が強硬方針を固守すると、内部から反発が出たということだ。寒波の中で国防部長官の公館などで寝泊まりしながら「野戦生活」をしている現場の警護官らの不満も臨界点に達したという。

 キム次長はパク前処長の辞任後、内部世論に耳を傾ける代わりに、「マスコミに露出するようにパトロールすること▽戦術服およびヘルメットなどの服装の着用▽実弾を含む火気はカバンに入れて見つからないように携帯すること」(ユン・ゴニョン共に民主党議員)などの指針を立て、内部の取り締まりに乗り出した。

 また、11日には警護処内部の掲示板に「捜査機関の逮捕状執行は公務上の正当行為だが、これに対する物理力行使は公務執行妨害」という内容で掲示された投稿を削除するように指示した。逮捕状の執行妨害の違法性を検討したA4用紙3ページ分のこの投稿は、まもなくして削除された。しかし削除の過程で作成者の部署長が削除の指示を拒否し、また別の関連部署の部署長も指示を拒否したという。キム次長は電算担当職員に指示し、1時間で投稿を削除したが、内部反発が相次ぐと12日に元に戻すよう指示したという。警護処関係者は「その時から幹部たちが反旗を翻し始めた」とし、「職員たちはあたかも不穏な書籍を回覧するかのように投稿を互いにシェアし、現状況を認識するのに大いに役立った」と話した。

 同関係者は「警護処がこのようになってしまったのは、『考える影』と言われるほど組織に服従と保安を強調する文化のせいもあるだろうが、『キム・ヨンヒョン(元警護処長で前国防長官)体制』の影響が最も大きかった。現在、警護処の内部では(「キム・ゴンヒ、キム・ヨンヒョン派」とされる)キム次長とイ・グァンウ警護本部長の警察の召喚(逮捕)さえ実現すれば、合理的な人物が扉を開けて協力するものと期待している」と語った。この関係者はインタビューの最後に「警護官は飛んでくる銃弾を優先的に身をもって受け止める人たちであって、誰かを攻撃したり制圧する人たちではない。誤解と不信が解けるチャンスがあることを願う」と話した。

オム・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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