日本の新聞購読者は1997年の5376万部をピークに、今では半減・・・。歯止めがかからず、ページ数の削減、夕刊の廃止、発行地域の縮小がここ数年特に目立つようになりました。NIEの実践は毎年さまざまな形で報告されていますが、右肩上がりだった時の実践が今も通用するとは限りません。「新聞は、おじいさんの家で取っている」から「おじいさんの家で取っていた」、「新聞って何?」に変わった現実を踏まえた実践が必要だと思います。
報道写真を撮る時、気を付けるのは、記事で最も伝えたいことが分かる写真、文字だけでは伝えられないことを写真で伝えることです。「何があったのか記事を読まずに写真を見ただけで分かる」のが理想です。
子どもたちが情報を発信する方法として、新聞だけでなく日記、作文、プレゼンテーション、ポスター等、さまざまなものがあります。それぞれ、何のための手段か、どんな時に適しているのか、どのように使えばいいのかを教えることが大切です。
取り引きは、取ったり引いたりするものである。取りすぎて相手を殺してしまっては元も子もない。
安藤百福(日清食品創業者)
中日新聞 2024年8月29日付(朝刊)
小学校低学年でNIEに取り組む際、二昔以上前にブームになったのが「新聞紙面から平仮名や片仮名を見つける」実践があります。今、新聞を取っている家庭が少数派になった実態を踏まえると、この実践は・・・。身近なところに平仮名や片仮名が使われていることが目的の活動であれば新聞を使う必要がありません。教室や校内を探しても平仮名や片仮名は見つかり、子供の興味関心を湧き立たせることは可能です。新聞を使うことを目的にすると結果的にマイナスになってしまいます。