9月前半の連休は、鳳凰三山に行くつもりだったが、連れが17日に予定が入ってしまいいけなくなってしまった。そこで一泊二日でいい所がないかなぁと思っていたところ、瑞牆山と金峰山が面白そうだったので、そこに決めた。
瑞牆山(2230m)と金峰山(2599m)は奥秩父の名峰である。奥秩父の中でも西のはずれにある。
奥多摩駅から出発し、雲取山~飛龍山~唐松尾山~笠取山~甲武信岳~国師岳~金峰山~瑞牆山と一週間から10日くらいかけて縦走する場合、最後に目指すべき山となる。いつかこの縦走をしたいと思っている。だから、どんなところなのか偵察しておこうを思ったわけである。ちなみに両者とも百名山である。
中央道・須玉インターを降りて一時間弱くらいで、登山口となる瑞牆山荘の駐車場に着く。7時30分。駐車場は無料でかなり広い。しかし、既に1台分くらいしか止める場所がない。みんな早い。
みずがき山荘。この時点で標高1520m。空気が薄いから、気をつけて登らないと高山病になるおそれが。調子こいてガンガン行くと北岳の時のようにおかしくなるかもしれない。
いざ、出発。
奥秩父は奥多摩と違って標高1500m以上の山が多い。だから奥多摩にはあまりないマツ科の針葉樹のシラビソやコメツガが多い。シラビソやコメツガは1500mから2500mのところに生育する。
針葉樹は欲張りで光をめいっぱい奪うから下の方は暗い。だから、苔が生えていかにも森っぽくなる。そして虫がいない。虫好きの私もブンブンと寄ってくるハエは軽くむかつくので、うるさい虫がいないとうれしい。
8時30分。一時間くらいで富士見平小屋に着く。小屋主がいれば、200円払って荷物をデポし、背中を軽くして登るつもりだったが、小屋主は居なかった。仕方なくテントと詰め込んだおよそ20キロ強はあると思われるザックを担いで登ることにする。まぁ、トレーニング、トレーニングと自分に言い聞かせる。
9時00。小屋から30分くらい歩くと水場がある。涼しくて気持ちがいい。
水場から5分くらい登ったところに大きな岩がある。下の方に人がいるから岩の大きさがよくわかる。
岩がまっぷたつに割れているのがわかりますか。この岩、桃太郎岩というらしい。中から桃太郎が出てきたのだろうか。
想像以上にのぼりがきつい。私は鍛えているので、まぁ、大丈夫だが、連れはきつそうだった。小学生くらいの子供が結構いて、頑張って登っているので、大人たるもの弱音は吐けない。
森林を抜けると綺麗な景色が広がる。疲れが吹っ飛ぶほどの景色だった。遠くの台風の影響で湿った空気が吹きつけているので、多少ガスが出ているが、それでも綺麗だ。
とにかく大きな岩がたくさんある。岩、岩、岩、である。多分、地震がきてゴロンと転がったら、即死である。その時はその時であるが。
山頂に到着。10時40分。おおよそ3時間かかった。
私のように大荷物を担いで登っている人はいない。テント泊する人は富士見平小屋に預けているのだろうし、そうでない人はみな水と昼飯だけリュックにいれて登ってきているのだろう。しかし、私はまだまだ体力はある。普段鍛えているからね。連れはすこし死んでいる感じである。
山頂は人で賑わっている。さすが百名山だけあって、すごい人気である。だけど、この景色の良さと登山道の面白さから人気があるのがよくわかる。登山の面白さを味わいたい人にはお薦めの山である。
富士山とか南アルプスとか八ヶ岳とよく見える。北アルプスだってよく見れば見える。
すべて山頂から撮った写真だけど、どれがどれかわからなくなってしまった。ただ、写真より実物のほうが10倍くらいよかった。つれが疲れていたので、頂上で一時間くらい休んだ。
富士見平小屋に戻って、金峰山に向かう。ただ、今日はもう遅いから金峰山にはいけない。そこで途中の大日小屋でテントを張る。富士見平小屋に小屋主がいたから、大日小屋の幕営料を払う。大日小屋までおおよそ一時間くらいかかるらしい。疲れた体には少しこたえる。
15時40分に大日小屋に到着。既にテントを張っている人がいる。
小屋の中を見る。正直言って怖い。こんな汚い(失礼)小屋ははじめてである。泊まるには勇気がいる。
もっと酷いのがトイレである。3つあって一つはドアがない。いわゆる白い便器がなくて、木の床の真ん中に穴が開いているだけの簡素なものである。落ちたら大変。
ドアを閉めてくそをするのがやだったので、ドアのないところでする。多分、人生で一番怖い(もしくは汚い)トイレだったと思う。野糞のほうが100倍くらいいい。
テントを張って、飯を食べて5時には寝てしまった。
つづく。