僕の好きな作家は、団塊の世代と呼ばれる年齢の人が多いです。
団塊の世代は、1947年~1949年くらいの年齢を言います。
だいたい父親の世代ですね。
村上春樹 1949年生まれ
藤原伊織 1948年生まれ
原尞 1946年生まれ
僕がこれらの作家に惹かれるのは、
団塊の世代に特別なものがあるのか、それとも何か別の共通点があるのか?
別の共通点で考えられるものは、レイモンド・チャンドラーですね。
村上春樹は、レイモンド・チャンドラーの小説を翻訳していますし、
原尞はレイモンド・チャンドラーに心酔しています。
藤原伊織の代表作「テロリストのパラソル」は
チャンドラーの「長い別れ」の影響を強く受けています。
ハードボイルドな男たちは、優しい部分を全く見せないにも関わらず、
優しいことがばれてしまう。
彼らの描く主人公は、みんなそんな感じで、孤独で骨があるが、優しいですね。
それは、やっぱりマーロウの影響なのかな。
余談はこれくらいにして、そろそろ本題に入りましょうか。
ついに、原尞の「それからの明日」を読了しました。
レビューを読むと、けっこう酷評されています。
なぜ?と思いますが、多少、話が複雑だったからかもしれません。
しかし、丁寧に読めば、一級品のミステリーに仕上がっています。
最後までぐいぐいと引っ張られて、一気に読み終わりました。
作品は、探偵ものですが、裏のテーマは「親子」です。
もう少し突っ込んでいえば、ある青年が父親に対する心の葛藤を乗り越え、
大人になっていくのが裏のテーマだと思います。
あの沢崎が、父親的な役割を演じています。
今回の作品は人間的なドラマの部分が多かったような気がしています。
最後も、なかなかうまく構成されていて、えーって感じで終わります。
原尞さんは、2021年の現在、74歳のようです。
もう一作品書けるかな、書けないかなというところですね。
頑張って、書いてもらいたいものです。
もう一度、沢崎と会えるのを楽しみにしています。