「ネイチャー」に発表した論文によると、
新型コロナウイルスの症状を悪化させる遺伝子が人間のDNAの中に6個あるそうです。
この遺伝子を持った人がコロナに感染すると、
人工呼吸装置を必要とする重症に発展する可能性が3倍も高い。
このDNAは、ネアンデルタール人から受け継いだものだそうです。
つまり、ネアンデルタール人との混血があると、コロナで重症化する可能性がある。
日本人はネアンデルタール人との混血が少なく、欧米人には多いそうです。
ところで、僕たちはホモサピエンスは、ネアンデルタール人とどう違うのでしょうか?
ネアンデルタール人は、体が大きく凶暴で、寒さに強い種族でした。
ホモサピエンスは、体が小さく(特に女性)、戦いに弱く、暖かい気候で生活するのに適しています。
普通に戦ったら、ホモサピエンスは弱いので、ネアンデルタール人に勝てなかったと言われています。
では、なぜホモサピエンスは彼らに勝てたのでしょうか?
有名な歴史学者・ユヴァル・ノア・ハラリの書いた「サピエンス全史」によると、
ホモサピエンス(人間)は、嘘をつく能力があったから地球を支配できたと言います。
嘘というと「なんだ」と思いますが、ようするに、物語を語る能力のことです。
たとえば、ネアンデルタール人は、見たものをそのままに話すしかありません。
ライオンを強いと思ったら、ライオンは強いという事実だけ記憶します。
しかし、人間はもう少し発展させます。
ライオンは強い。お父さんは強い。「うちのお父さんはライオンの生まれ変わりだから強いんだ」みたいな嘘話が作れるわけです。
この嘘話が、神話を作る能力になって、人間を一致団結させます。
それにより、ある程度の規模の団体を作ることができるようになった。
そして、団結することで戦いに勝てるようになったわけです。
「あの世には神様がいる。死んでもあの世で英雄になれるから、死んでもがんばれ」みたいにね。
この現実には存在しないフィクションを、語ることができ、信じれる能力が、
人類が発展するうえで決定的な出来事だったと言います。
彼は、このことを「認知革命」と言いました。
これから先の未来の話ですが、人工知能が人間の記憶と思考を支配していくでしょう。
だから、人間はかならず記憶や論理的思考の面で、人工知能に勝てなくなります。
しかし、それでもまだ人工知能に勝てる部分があると、僕は思っています。
それは、類推能力です。それについては明日書きますね。
じゃあね。