For Crying Out Loud By ギタリスト竹田和夫

ロスアンジェルス在住のギタリスト 竹田和夫
何でも書いちゃいます。For Crying Out Loud !

それでもライブをやりに日本に行く理由

2021年04月01日 | ライブ 
春のライブのスケジュールが出てから日本のTVニュースを努めて見るようにしてるのですが、話題はやはりコロナ関連が多いです。これについての僕の感想は前の記事で書いたので今日は書きませんが、一日も早く収まって以前のような、あるいはそれに近い生活が戻ると良いと心から願っています。 

まだスローペースだけど、集団免疫に向かって世界は進んでいるし、個人的には僕もすでに2回のワクチン注射を終えて免疫を獲得しましたので実感があります。

去年の春コロナ騒動が勃発、政府初め専門家?もわけが分からずほとんどFake な情報の横行、、ちょうどその最中に日本に春のツアーに行ったのですが、結局ツアーは全て中止になり、何もせずに誰とも会わずにアメリカに戻りました。

人々が少し慣れたのか、昨年の秋はなんとかライブを日本で行えました。 ライブの本数も少なく、規模は縮小しましたがとても意味のあるライブができました。 もちろん昨年の年間赤字は予想通り物凄いものでありました。 今回も去年と同じと予想しています。普通はあえてやらないかもしれませんが
じゃあ、なぜそこまでしてライブをやるのか? これが今日のブログのテーマです。

理由は一つだけです。その前に優等生的な答えを書くなら、
1 お客さんの笑顔が見たいんだ、
2 音楽の力で皆さんを元気にできれば、、
3 音楽をプレイし続けるのが僕の使命だから、、
などなど、以降はなんとなく似たような答えが続きます。

これらの理由はもちろん間違いでは無いです、そうですね、そうでしょうねと誰かに聞かれれば答えます。でも唯一の僕の思いでは無いです。 たとえ話で説明すると、

大相撲の関取は皆さんこう言うのですが、
< その日その日の一番一番に集中するだけ、一日一番です! >
こう言います。 この意味は将来のことを考えないわけでは無いが、こうなりたい、ああしたいと、まだ来ない先の事を思い巡らせるのは、まったく無意味だと思っているわけです。  

つまり、お相撲さんはその日の取り組みに勝つのが全てなんですね。 将来もそこから開けていく、逆に言うとその日一番に勝ってこそ将来が見えてくる。このあたり前の事をあまりにも現代の人は忘れていると思いました。 自分を含めてです。

これをミュージッシャンのライブに当てはめてみます。僕のような年になると、ワンステージワンステージ、いやもっと言うと一曲一曲が大事になってくる。 一日一番の気持ちで集中してプレイしろということですね。若い頃に気がついていればよかったのですが(笑) Better Late Than Neverという英語のことわざもあります。 まったくやらないより、遅くてもよいからやったほうがよい。 という意味です。

あえてこの時期、この条件の中日本に行ってライブをやる意味、それは僕がこの歳になったからです。プレイするのが楽しいからです。

ギター弾き始めて音楽やりだしてから56年 プロのミュージッシャンになってからすでに53年の日々が過ぎています。 でも、か、だからか、今 とても楽しく思います。 ギターを弾く、音楽をプレイする、バンドで音を出す、たまらなくワクワクします。 音は空気の中を通って人の耳に届きます。今、日本で流行りかけているライブ配信なる流行があるのは知っているし、否定するつもりはまったく無いです。 それはそれで楽しくできると思います。

しかし、本質的な音だけの話をするとラインの音は所詮ラインの音です。 インド哲学で言うとプラーナマーヤと言うらしいのですが 自分の心の中にあるアートマンという真実のダイヤモンドの光と大宇宙にあるブラーマンという神の光が空気(空間)を伝わって介して合体する、その時真理の光が満ちて悟りが開かれます。 Break Throughという状態が起こるわけです。
 
それには音は空気を通って行かなければいけません。 ギターはアンプから音を出し、バンドで演奏をしてその音が空気を通り、聴いている人たちの耳、肌、体、頭脳、五感を通して心に伝わっていく、この小宇宙的なアートマンとブラ-マンの合体が起こるのがライブという場所なんですね。

この至福の時を体験したくて僕は日本に行きます。 この春も秋も、来年もまたその次も、できる限り、、続けて行きます。
これがこの最中あえて僕が日本に行く理由です。
同じ体験をみなさんと分かち合いたいです。
 See you out there,, soon,,
コメント (2)
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