アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

足助城に行ってきました。

2022-06-14 13:34:22 | 小さな旅

 今月の山歩きは、お隣の町、足助の足助城へ。21世紀の初めころ、ふるさと創生の目的で配られた一億円を使って、中世の山城の遺構を発掘。ついでその遺構に基づいて建物を再現したのが足助城。近いところにいながら、来そびれていたので、この月の目的地に選びました。

  山城なので、中腹から小山を上ってお城へ。入ってすぐのところにある大木は、ネズミサシ。スギの一種だそうですが、スギよりもっととげとげ。ネズミを刺すからネズミサシ。

   文書としての記録はほとんどなかったようで、発掘によって全体像はつかめたものの、遺跡の一つ一つが何の建物だったのかとか、なにに使われていたものなのか、と言ったことはあくまで想像の域を出ません。敷地内のあちこちに貼られたプレートには、「・・・・よくわかりません」の文字が散見されます。「・・・・不明」ではなくて「よくわかりません」という書き方に、調査にあたった学芸員の方たちの苦労と誠実さがにじみ出ているようで、好感が持てました。

   ところどころ、巨石も。

   運んだのか、もともとあったのかわからないのですが、もしかしたら石の町、岡崎から運んできたのかもしれないな、と勝手な想像をめぐらしました。

   シダの一種が出はじめているところ。やわらかくておいしそう。

   ちょっと高い建物から遠くを望むと、てっぺんに真っ白の花が。イワガラミの花らしいのですが、陽光を求めて、こんなに高いところまで登ってしまうとは生命力旺盛です。隣の木にはテイカカヅラが絡みついていました。

   建物を再現したのは30年前。釘を使わず、臍を切って伝統工法に基づいて建てているようです。当時はまだ、伝統工法を学んだ大工さんが結構いらしたのでしょう。

    野外の台所。中央の棒には鍋をひっかけられるようになっています。吊るしさえすれば、かまどの形はどうであっても大丈夫。簡素でいいなあ。

   屋内はいろり。

   左から二つめか三つ目のわらじは、足先の半分しかないもの。あえて足先だけのわらじにしたのは、早く走るためだそう。かかとを地につかないで走り続ける飛脚のような職業の人がはいていたらしい。名前がついていると思うのですが、忘れました。

 

   建物は壁土を塗り、板もわざわざふるぼけさせています。

  板ぶきの屋根には石が載せてあります。

   お城の最上階から撮った写真。こけら葺きというのだそうです。この最上階、だいたい8畳くらいしかなく、城主が客と応接するのに使ったと書かれていました。狭い。こんな場所では、客人が城主を殺そうとしても逃げられないからあきらめろ、ということなのでしょうか?

   子どものころよく見たことのある花。ニワゼキショウだそうです。かわいい。

   笹百合が結構咲いていました。

  ツタウルシ。こんな時期でも紅葉しています。きれいなので思わず触ろうとしたら、一緒にいた子供に止められました。「ツタウルシだよ」とのこと。かぶれるそうです。

   ツルアリドオシ。

   2個の花から1個の実ができるそうです。

   足助城の横から裏山に入ると、ミニ植物園のようなものができていました。途中まで行って引き返し、友人の、古民家を改修したカフェをめざして出発。

  

   カフェの名前は、アトリエ・チェルシー。生花やドライフラワーなどを使ったリースやブーケ、スワッグ、店内とかイベントなどでの花のアレンジ、装飾を手掛ける友人が、毎月1日から5日だけ山の中のアトリエで開いているカフェです。

  この日のメニューは、シカそぼろご飯。タケノコの汁に、このあたりで採れた素材で作った保存食~ゆべし、伽羅ブキ、甘い梅干し~がついています。どれも素朴な味わいのある食べ物でした。窓から窓へ抜ける風が心地よい。

   この月は、焼き菓子や古道具、エプロンなど、いろいろなものを作ったり売ったりしている人たちの品が並んでいました。

  軽いウォーキングと歴史のお勉強のあとは、おいしいものを食べながら、この日初参加のお城マニアの方から、珍しいお城の話をいろいろお聞きしました。こういう散策も楽しい。

  

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愛知県民の森を歩きました。

2022-05-12 14:24:06 | 小さな旅

  はじめて、愛知県民の森を友人たちと訪れました。新城市の旧鳳来町にあり、こちらから行くとおよそ1時間15分ほど。湯谷温泉のすぐ近くです。

  ゲートをくぐってから駐車場にたどり着くまでに数分。広大な敷地に驚きます。今回は、ともかくほぼ中央に作られた道をひたすら歩くことにしました。もともとはホソバシャクナゲの見頃に訪れたかったのですが、果たせなかったので、自生地にはいかずに道の突き当り方面にある滝を目指します。

  このあたりは、愛知県では唯一の、活火山だった地帯。以前訪れた鳳来寺山もその一つ。そのため、独特の岩や石がむき出しになっていておもしろい。

  こちらに来る途中、黄色い花らしいもののついた木を何本も見かけましたが、ツブラジイかスダジイの花らしい。人工林が主流の稲武や豊田山間地では見かけない色合いの花です。

  

  川床も岩でできているせいか、水がきれい。

   ほとんどツツジは終わっていましたが、このやさしいピンクの花だけはひっそり咲いていました。

   道の両側には、実にいろいろの広葉樹や灌木が育っています。クロモジを見つけて一同興奮。芳香にしばしうっとりします。

   写真には写っていませんが、小さな魚もたくさん泳いでいました。

 

   目立つ花の、ヤブウツギ。普通の白いウツギの花とは色も形も違います。

 

   巨木もあります。

   県民の森は、敷地面積12,333㎡。明治百年を記念して50年ほど前に整備された土地だそうですが、高度成長期に作られた場所だからか、あちこちとてもふんだんに資金を投入した跡が見られるのだそうです。乳岩峡や鳳来寺山に続く山を背景にしたなだらかな土地なので、街の喧騒とは隔絶されていてしかも歩きやすく行きやすい、まさに県民の森、と呼ぶにふさわしい土地のように思いました。

   当時は拡大造林の時代のはずなのに、よくまあ、この広大な敷地を大きな公園として残そうとかんがえたな、と感心します。もともとの土地にあったもの以外の植樹もなされたのでしょうが、それにしても後代の私たちには、うれしい財産です。

   アメリカフウの実生。「楓」とかいて、「フウ」と読むのですが、楓とは無関係の種だそう。ややこしい。音読みさせたところにひそかに違いを主張したつもりかしら。

   いつか誰かが差し込んだもの? 清水なんでしょうか。うまいこと流れています。

   終わっているはずのホソバシャクナゲの花、発見! シャクナゲの種類は世界に多いのだそうですが、なかでもこのホソバシャクナゲは珍重されているものだそう。小ぶりの花のピンクが美しい。葉が細めなので、「ホソバ」です。

  子供たちはカナヘビに夢中。

   名前を忘れましたが、つややかな葉っぱが特徴的。ヤマボウシの花の咲く直前の姿?

   下の写真は、タムシバ。香りをかぎたかったのですが、周辺に葉は落ちておらず、残念。

   ヤブムラサキ。葉っぱが毛むくじゃら。こするとよくわかります。

   ビロードのような厚地の葉っぱの大木がありました。常盤柿というのだそうです。

   豆柿のような小さな実をつけ、周年葉の落ちない常緑樹の柿なのだそうです。だから「常盤」。

   訪れたのは、ゴールデンウィークの最終日。広い駐車場は満杯で、臨時駐車場の一つに止めたほどだったのに、歩く人影はまばら。尾根伝いにあるくコースとか、そのほかあちこちに楽しめるコースがあるらしく、メインの道を歩いていた人は意外と少なかった。

  マツカゼソウ。この草はうちにもありそう。

   ユクノキ? 姿がいい。

   子供が拾った蝶の羽。

   友人の肩に止まった大きなトンボ。

   別の友人の帽子にも止まりました。大きなブローチみたい。

   道の突き当りにある休憩場所で、昼食。ここにも清水が湧き出ていました。

    昼食を終えて、足場の悪い山道をのぼりました。目指すは、蔦の滝。

    道は、大きめの平たい白っぽい石がごろごろ転がっていて、とても歩きづらい。しかも細いうえに急坂。登るのがやっとで、全く写真を撮る余裕がありませんでした。やっと少し広いところに出られたので、撮ったのが上の一枚。

   大きな平たい岩の上を覆うようにして幾筋も流れている滝。覆っているところが、「蔦」と名付けられたゆえんかしら。滝のそばまで下りていくと、ひんやりとして寒いほど。まわりの巨岩も見ものです。

   行きには気が付かなかったガクウツギの花。可憐です。

   二つ目の滝見学。「亀の滝」と名付けられています。こちらは行きやすい。雨がしばらく降っていなかったので、どちらの滝も水量が少なめでした。多いときはもっと壮観だろうと思います。

   帰りは、途中まで同じ道を辿り、橋を渡って、川向こうの小径を歩きました。ああいう小径、大好き。ちゃんと草刈りがしてあるから歩きやすくてありがたい。

   県民の森は思った以上に素晴らしい場所でした。一人で歩くにはちょっと怖いけれど、人といっしょなら、歩きやすくて楽しい場所です。いつの季節に訪れても満足できる森です。また行こう。

 

 

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佐久島ウォーキング

2022-04-03 15:05:06 | 小さな旅

   昨年の夏と晩秋に次いで、先日3回目の佐久島訪問を果たしました。

   今回の目的は、ウォーキング。地図を手に、島の山側の道をあるくこと。

   春休みとあって、船は人でいっぱいでしたが、港に降り立って山への道を辿ると、私たちのほかには観光客の姿は全く見えなくなりました。山と言っても標高は30m。なだらかで歩きやすい美しい小道が続きます。

   ついた先は丹梨海岸。前に訪れたときも静かで気持ちのいい場所でしたが、きのうは干潮だったこともあって、海の生物をたくさん見ることができました。

   海藻三種。手前の緑色の藻はアオサだと思います。黒いひじきのようなのはアマモらしい。黄緑色の藻は不明。どれもちょっとずつ食べてみました。アオサがやはり一番おいしい。黄緑色の藻は苦みがありました。

   アマモはこの辺りにたくさんあった海藻だそうです。今はかなり減っているとか。

   たくさんのイソギンチャク。指を突っ込むと食われそうになります。左の石の壁に張り付いているのは、親玉? 緑色しています。

   イソギンチャクの卵? 石にへばりついています。

    小さいなかわいい花。浜にある草花は、どれも稲武辺りでは見ない雑草がほとんど。

   ハマダイコンです。若芽と葉と花を食べてみました。どれも大根の味がちゃんとします。根元を見ると、立派な大根ができていました。このハマダイコン、あちこちで群落を見ました。

   山椒の香りがするのですが、棘がすごい。なんとかザンショウとかいう名前なのでしょうか?

   海岸の岩にへばりつくように生えていたという植はツルナ。一見アイスプラント風。

   白いタンポポをはじめてみました。花も綿毛もやけに大きい。島で見る植物は、この辺にある草より大きく見えます。葉っぱも大きい。栄養が豊富なんでしょうか?  

 

   民家の庭先にアラメが干してありました。久しぶりに見たアラメ。昔は、昆布よりアラメのほうが、食卓に上ることが多かった。おせちの昆布巻きはアラメ巻きでした。20代のころ湘南海岸でアラメを拾って帰り、京都の下宿で煮て食べたことを思い出しました。昔は、昆布より下級の食材だったのですが、薄いので早く煮えるのがいいところ。だしは取れるのかしら。

   匂いタチツボスミレ。歩く道にたくさん群生しています。

   まだやわらかそうなサルトリイバラ。山帰来とサルトリイバラは違うものだそう。なんとなく同じだと思っていました。山帰来は中国産の外来種で葉が大きい。京都で食べていた麩饅頭は笹に包まれていましたが、三河に来て、山帰来の葉で包まれた麩饅頭を初めて食べました。

   シイ、おそらくスダジイだそうです。常緑樹も広葉樹もほぼ手付かずのこの森、昔は島民の薪炭を得る場所として大事な里山だったところなのでしょうが、いまは伸び放題となっています。

   カクレミノ。大きな葉です。

   こちらは、ひだまり広場にあるヤマモモ。ものすごく大きな木です。ヤマモモの大木は、森の中で何本も見ました。実のなる時期は壮観だろうな。 

  昨年夏に来たときは、山の小径は蚊が多くて往生しました。いまは、蚊も蛇も蜂もいないので、一番快適な時かもしれません。

   海岸べりにたぶん人の手で植えられた松。防風林なのでしょう。松くい虫の防除のため、薬が注入されています。

   オダマキのような葉っぱのヒメウズ。ヒメウズ属と一般には分類されているそうですが、オダマキ属に分類される場合もあるそう。ウズとは烏頭と書き、トリカブトのことだそう。花がトリカブトに似ていて、小さいことに由来するとか。目立たない花ですが、かわいい。

   シイの大木の下に一杯あったドングリ。こちらの山で見かける物より大きい。

     北の海岸を望む展望台から。

    葉の先がとがっているスミレを見つけました。マキノスミレというのだそうです。牧野富太郎命名のスミレ。

   ウラシマソウを初めてみました。ただのテンナンショウはうちの敷地内にも結構あるのですが、これはない。テンナンショウの花の先から長い紐のようなものが伸びているというだけで、浦島太郎を思い起こすとは、想像力がたくましいというか、つねになにかにこじつけて遊んでやろうという気もちが旺盛というか、とにかく感心します。

    木に巻き付いて、こんな鮮やかな実をつけているのは、風藤カヅラという植物。胡椒の近縁?だそうで、食べるとかすかにコショウの味がするのだとか。葉っぱをかじってみましたが、強い香りはするもののコショウとはいいがたかった。

   この島は縄文期から人が住んでいて、古墳時代には海を渡って交易する人たちで栄えていたのだそうです。だか、小さな島に古墳があちこちにあります。こちらもその一つ。石室がちゃんと残っています。

    アートの島として、ここ20年の間に佐久島は観光地としてずいぶん有名にはなりましたが、島の人口は、こちらの山間地域同様激減しています。島おこしのプロジェクトの一つとして再生した古民家・大場邸の中庭です。

   島に点在するアート建造物の中でもっとも有名なおひるねハウス。たしかに、波の音を聞きながらお昼寝するにはふさわしい場所です。    

   泥岩と砂岩が混じってできたという独特の地層。砂岩だから簡単に割れます。

   おひるねハウスから民家の間の細い路地を抜けて南の海岸べりを辿り、西港へ。早朝6時過ぎに稲武を出て、一色港発9時半の船に乗り、帰りは5時過ぎに一色港に到着。帰宅したのは8時半でした。往復にかなりの時間を費やしましたが、島では、のんびりと山歩き、海岸ベり歩きを楽しむことができました。

   小さな島ですが、一回だけでは到底巡り切れません。行きも帰りも、船は満員でしたが、私たちが歩いた道ではほとんど誰にも会うことはなく、心ゆくまで暖かい島の春をゆるゆると楽しむことができました。また違う季節に、ぜひとも出かけたいと思います。

 

 

 

 

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王滝渓谷を歩きました。

2021-12-27 11:39:42 | 小さな旅

 ほぼ月に一回近隣の野山を歩く会を友人たちと催しています。一昨日は、松平の王滝渓谷の散策でした。こちらの駐車場は、岡崎へ行くときにいつもトイレ休憩に利用するところ。でも、渓谷へはまだ一度も行ったことがありませんでした。

   駐車場隅にある階段をのぼると、もう散策が始まります。ときどき折れてはいますが、ひたすら続くコンクリートの階段。両側は常緑樹です。青木が目立つ。鹿の好きなアオキが健在ということはシカの出没がまぬかれているということかしら。大きな実もなっています。

   階段上りは遅れがち。やすみやすみ前進です。

   大きな岩にすっくと立つ木。杉?

   一本だけではありません。落ち葉で腐葉土ができてそこに実生の苗が育ち、こんなに大きくなったということなのでしょうが、根は下に伸ばせないから岩を囲むように水を探して広がっています。たくましい。

   シロダモの木。葉脈が特徴的です。葉の裏が白いから「白」ダモ?

   ワイヤープランツに似ているマメヅタ。いたるところで見ました。

   なぜかあいている深い穴。水のせい?

   ヒノキの実。こうして固まっていると、森の動物が集めて、持って帰るのを忘れたのかな、と思いたくなります。

  カマツカの実。バラ科なので、野茨の実にそっくりです。赤かったのが色あせてこの色になったのだそうです。

   中央の大きな木がカマツカ。これほど大きいのは珍しいのだとか。

   手前左はイヌシデ。右はアカシデ。イヌシデは私宅の敷地内にも、実生で育ち、結構大きな木になっています。実が、ホップのような形のものが房になって垂れ下がるのですが、それが神社などに張られているシデに似ているので、この名前がついたのだそうです。

   梟ケ城展望台から。

   包丁で誰かが切り分けたような岩。何の説明版もないのですが、これはすごい。なぜこんなことになったのか、だれか教えてほしい。

   小さな子だと入れるのかな。入って出られなくなったら大変。

   枯れ木に実生の苗が。よく見る風景なのですが、いつも惹かれる。

  アベマキの枯れ木に生えたなめ茸発見!

  三枚の葉が連なっているタカノツメ。ほんのり漂う匂いは、キャラメルそっくり。

   虫こぶの一種だそう。虫こぶは丸い形のこぶ状だと思い込んでいましたが、こんなのもあるとはびっくり。

    1時間以上歩いて、やっと渓谷に出ました。椅子があり、トイレもある場所に出たので、そこで昼食にしました。

   ぽつぽつ雨が降ってきたので、この日はこれで帰路につくことに。古い時代に作られたらしいでこぼこのアスファルト道から見える、巨岩や小さな滝が、なかなかおもしろい。

   宗派は不明ですが、お寺に到着。鐘つき堂わきのイチョウの木がまるで乳牛の乳房のようになっていて、新芽がずくずく伸びているのを発見。イチョウの生命力は強そうだから、こんなことがおきるのでしょうか。

   車道に出て駐車場に向かう途中で見つけた赤い実は、サネカヅラ。

   大きな案内板の左上に、「B29墜落跡地」とあるのを発見。豊田市街地~当時は挙母町~を爆撃した後の飛行機なのか爆撃前に墜落したものなのか。パイロットは死んだのだろうか、捕虜になったのだろうか。捕虜になったとしたら、そのあとどうなったのだろう。

   この日歩いたのは、王滝渓谷全体の、多分3分の1ほどのようです。ツバキ園地や紅葉のきれいそうなところもあるので、いつか別の季節にまた歩いてみたい。前半はだいぶ歩くのがきつかったのですが、翌日も翌々日(きょう)も、筋肉の痛みはなく、ほっとしています。階段がことのほかつらかったのですが、何とか無事でした。

 

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段戸裏谷原生林きららの森を、ちょっとだけ散策しました。

2021-11-02 10:32:34 | 小さな旅

  

  先日、紅葉が美しいときだろうと思って、友人たちと段戸裏谷原生林きららの森へ向かいました。

  段戸湖わきの駐車場がほぼ満車だったので、臨時駐車場のきららの里まで行って車を止め、前に来た時とは違う道をたどって原生林に向かいました。

   稲武よりだいぶ紅葉がすすんでいて、種々の色の落ち葉がたくさん。ネット検索して印字した地図を片手に道なりにどんどん進みました。

   ところが、地図に書いてある「休憩所」や「池」がちっとも現れません。変だね、といいながら先へ先へと歩きました。

   歩き始めて1時間半ほどたったころ、一人が「道を間違えたのではない?」と指摘。地図をよく見ると、きららの森の西を通る道は県道で、設楽町の三都橋に至る、となっています。私たちが目指したのは、きららの森の中。東海遊歩道も通っているので、アスファルトの道がこれだけ続くのはおかしなことです。

   突然我に返った私たち。その日は、山歩きメンバーの6歳のお子さんと、足が少しお悪い彼女のおかあさんも同行していました。疲れ気味の二人を案じて、一緒に歩いていた中で一番若い彼女が意を決して、「私が先に駐車場に戻り、車で迎えに来ます」と言いました。平坦な道も多かったのですが、峠らしいところも越えているので、帰り道は来た時よりつらいはず。こちらの道しかないと思い込んでいた私の責任で、大変なことになってしまいました。でも、その時はほかの方法が考えられず、彼女を見送りました。

   残された私たちは道路わきの空き地を見つけて座り、遅い昼食を取りました。

   食べ終わって、立ち上がりかけたとき、設楽方面から大きめの白い普通車がやってきました。とっさに手をあげると、車は止まってくれました。事情を話し、同乗をお願いしたところ、乗っていた老夫婦は快く乗せてくれ、一路駐車場に向かいました。

   歩いていた時は気付かなかったのですが、道は細くてカーブだらけ。ご夫婦はこのあたりの紅葉の景色が好きで、毎年この季節に訪れるのだとか。「この道を歩くのは気持ちいいでしょうねえ」との彼のことばに、「そういえば、悪いことだけじゃなかった」とすくわれた思いがしました。

   だいぶ行ってから、先に向かったメンバーにおいつき、彼女の代わりに彼女のおかあさんと子供がおりて迎えを待つことに。

   そしてほどなく駐車場に。間違いと気が付いてから、30分くらいで無事到着できました。ひとえに、親切な老夫婦のおかげです。もし彼らに出会えなかったら、夕暮れ近くにやっとたどり着けたことでしょう。ほんとにありがたいことでした。

   時刻は午後2時半。きららの森近くに来たというのに、ブナの原生林を見ないで帰るのは惜しい。それで、メンバーの親子とはここで分かれ、残った二人で最短コースを辿りました。

   段戸湖の水面に映っている紅葉が美しい。

    なだらかな登り道をたどってブナの森へ。このきららの森へは、数年前一度だけ訪れたのですが、その時に見た、造形物のような枯れ木がまだありました。薄暗い森の中で見ると、思わずぎょっとします。

    日が傾きかけていたので、もうほとんど散策する人はいません。獣が出る時刻が近づいているのではないかと、少々怖くなりました。だから以前来た時のように、大木をゆっくり眺める余裕はありませんでした。

   ブナの樹齢は300年ほどだそう。その300年がたったと思われる巨木の横たわっている姿は、枯れ木でも圧倒されます。

   もっと行きたいところはたくさんありましたが、この日は、ブナの姿だけ見て山を下りました。

   入口に通じる小さな道。地図で見ると、この道が東海自然歩道のようです。私たちは、この写真のずっと前方にある車道を歩いたのですが、その途中でこの道に入るべきだったようです。全く見そびれていました。

   帰り着いた時は夕暮れ間近。迷ったのは山道ではなくて車道だったとはいえ、私たちにとっては冒険の一日でした。40年ぶりのヒッチハイク、振り返ってみればそれも楽しかった。翌日は、下半身がパンパンに緊張し、まっすぐ歩くのもままならないほどでした。

   

 

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佐久島に行ってきました。

2021-06-14 11:37:24 | 小さな旅

   2週間前になりますが、愛知県で一番大きな島、佐久島に行ってきました。

   佐久島は、西尾市の一色港から船で約30分。三河湾に浮かぶ島です。佐久島を訪れた目的は、この秋に、島の人たちを対象に開く染め講習会の下見のため。主催者のMさんの案内で初めて島に上陸しました。

    Mさんは、20年前、この島を「アートの島」としてたちあげるために作られたプロジェクトの中心人物。自然豊かなこの島に、彼女たちの企画で次々に趣向を凝らしたアート作品を設置して、随所に島の魅力を発信する工夫を施しました。しだいに、島は活気を取り戻し、県内でも有名な観光スポットになりました。

   さて、最初に訪れたのは、大島。

    小さな公園になっていて、梅林が広がっています。春さきには水仙と梅の花が見事だそうです。樹木の大半は、肉厚の常緑樹っぽい葉の目立つ木ばかりです。

    島で行う染めなら、島にたくさんある草木で染めたい。そうおもって臨んだのですが、稲武で近辺では見かけない木ばかりのようで、名前がわかりません。Mさんがスマホで撮って検索すると、こちらはトベラ。初めて聞いた名前です。

     こちらはタブノキと、特定されました。タブノキだとしたら、染色の本にも載っていて、古くからある染め材料の一つです。黄八丈の織物の中に干し茶色っぽい色の柄がはいっているのですが、その茶色は、タブノキで煮だしたものだそう。

   山の植物を見るために出発。白い建造物は、大人気の「おひるねハウス」と向かい合うように造られた「イーストハウス」。なが~いベンチです。

    軽自動車で走った山道は、「弘法道」。もともとこの島には、88か所の祠が作られていたそうなのですが、ずいぶん前に朽ちたり壊れたりしていました。プロジェクトでは、残っている祠は整備し、なくなっている祠のあったらしい場所には、現代のアーティストたちに創作を依頼して、復活させました。

   弘法道の途中にしつらえてある、祠のお掃除道具。こんなのまでおしゃれです。

   森の中にある池。あたりはやはり常緑樹ばかりのよう。大島で見たのと同じ、トベラやタブノキらしい植物もたくさん見かけました。温帯というより、亜熱帯の植物がけっこうあるらしいとのことです。

   東側の丹梨海岸に出ました。いいところに、テーブルとベンチが。これも作品です。

   Mさんが「この音聞いて。私好きなの」というので、耳を澄ませると、波が引くときに、「ザザザー」と小さな音がします。こちらの海岸は、砂ではなく、小さな石ばかり。それで、耳に心地よい音が聞こえるのです。

   丸い小石。上流では見ることのないきれいな曲線です。

   見たことのない白い花。

   名前はわかりませんが、可憐です。

   こちらも祠。

   虫こぶのなでしょうか。模様みたい。森の雰囲気が違う。

   この花は、こちらでも見かけます。Mさんが調べたら芋カタバミとわかりました。

   山を下りたところの標高。600mのところに住んでいる私には、驚くほど低く感じますが、一色港あたりに比べたら、佐久島のほうがこれでも標高は高いのだそうです。

   観光客は増えましたが、島の人口はこの20年で半減。現在400人くらいの人口だそうです。空き家が目立ちます。

   右は、立派な門と塀のあるおうち。こちらも左も空き家のようです。

   途中で出会った地元の方が、「島ならではの植物を見たいのなら、マニラ麻はどうかな?」とおっしゃるので、その方のお宅に行き見せてもらいました。昔、地元の漁師さんたちは、その麻でロープを作って仕事に使っていた、というのです。

  ところが、見せていただいた植物は麻とはだいぶ違う姿です。Mさんが検索したら、こちらはマオラン。オーストラリア麻とかニュージーランド麻とか呼ばれているもので、マニラ麻同様に、漁業に使うロープなどを編むのに格好の材料なのだそうです。マニラ麻もロープに利用する植物なので、昔地元の人たちが混同してしまったのでしょう。

   南国っぽい細道。

   大浦海水浴場に植えられているデイゴの木。数年前、奄美群島の加計呂麻島を訪れたとき、デイゴの並木道は歩いたのですが、花の季節ではなかったので見られませんでした。花はこれからのようですが、赤いつぼみ?を見られただけでもうれしい。

    訪れたのは平日。緊急事態宣言中なので、島の飲食店、土産物店は一軒を除いてすべて休業。「稲武ではみな開いているのになぜ?」と聞いたら、「店が開いていると、観光客が増える。島には常設の病院がないので、何かあったとき対応ができないから」とのこと。それでも、船には観光客らしい若い人たちも結構乗っていました。彼らはレンタサイクルで島をめぐっているようです。

   島と本土の港の間には、フェリーの運航はありません。だから、島から本土に通う人達は、一色港に車を置いて、行き来しているのだそうです。島内の道は、どこも狭くて、軽自動車でないと走れそうもないところばかり。Mさんは、「島は自転車で回る人が多いけれど、わたしのおすすめは歩くこと。自転車では気づかない島の魅力に触れられます」と。

   こちらは島の北側にある小さな公園、ひだまり広場。もともとあった木造の東屋が朽ちかけていたので、アーティストがセメントを塗り、タイルを張り、ユニークな装飾を付けました。

   右真ん中あたりの茶色のものは、小動物のうんこらしい。

    踏み石は、ワークショップの参加者たちが飾ったもの。丹梨海岸で拾ってきたらしい小石も使われています。

    「王」とかかれた椅子。座りごこちがよかった。

    北のテーブルと名付けられたお休み場所。

   北側の海岸を走りました。非常に目立ったウドの親玉のような植物。ジャイアントなんとかと検索できましたが、忘れました。

    どこかから流れ着いた種なのかしら。

   島の体験施設、弁天サロン。古い木造家屋をリニューアルしたもの。染め講習はこちらで開く予定です。広い和室も中庭もあり、農家の昔の台所のような土間に業務用のコンロも設置してあるので、場所としてふさわしい。問題は、フェリーがでていないので、たくさんの道具類をどうやって運ぶか、なのですが、この施設で大鍋をいくつか貸してもらえることになったので、あとはなんとかなりそう。

    最後に訪れた海岸。地元の方に、海藻で昔染めをしたことがあると教わり、その海藻を見に行きました。たしかアマモとかいう海藻で、海岸近くに結構生息しているそうです。

    佐久島は、愛知県下で有数の野鳥の生息地であり、海の生物の種類も豊か。海岸からわずかにいったところで、タツノオトシゴが見つかったことがあり、専門家が驚いたこともあったそうです。

    ずっと前から行ってみたかった佐久島。やっと希望が実現しました。観光客が集うアート建造物はあまり見る時間はありませんでしたが、島を熟知しているMさんの案内のおかげで、面白くて惹かれる場所をいくつも訪れることができて、満足。またいつか、ぜひゆっくり歩いて島めぐりをしたい。

   ところで、この日の訪問の目的~染め材料を見つけること~に関しては、追って記事にいたします。

 

 

   

 

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稲武地区の押山登山と子持ち桂見学

2021-04-16 22:21:00 | 小さな旅

  2か月ぶりの山歩き。今回は、地元の稲武地区選びました。まず家から数分の距離にある、押山にのぼりました。

   山歩きは、春になって初めて。このひとつきほど、あたりは花が一時に満開になったのですが、山も同じ。とくにスミレがあちこちで可憐な姿を見せていました。

   押山を選んだのは、山頂にある大きなヤマザクラが多分今満開だろうと思ったから。でも、違いました。このところの寒さで縮こまってしまったのか、だいぶ開花が遅れています。

    でも、ミツバアケビは満開。

   あたりの山々の桜や新緑も見られました。前に訪れたときは冬だったので、景色が全然違う。すがすがしい。

   戦国時代砦の合った山頂はさほど広くはないのですが、大正のころまで神社があり、祭事の折は屋台が出てにぎわっていたとか。

   クロモジの苗を見つけました。こんな小さいのに葉っぱがいっぱい。昨年もらって移植したうちクロモジは育ってはいますが、葉っぱは全くでいません。大丈夫かしら。

   こちらもスミレ。細い葉が特徴だそうです。

   はやばやとマムシグサの花?が咲いていました。

   モミジイチゴの花もきれい。

   わらびも早い。押山に至る道は私道。だから、勝手にとってはいけないので、横目で眺めただけでした。

   よく見かける雑草だとおもうのですが、うちにはない。

   群落になると、かわいい。グランドカバーに、こういう雑草ふさわしいとおもう。

   黄色い小さな花も。

    こちらはよくあるスミレ?

    押山をおりたあと、フェアトレードカフェ風の庭に。いろりに火を熾してくれていました。

   お菓子に添えられた花は八重桜。風の庭を出て、子持ち桂のある場所へ。大野瀬町のまいにちブルーベリーのすぐそばが駐車場です。   

    スミレの群落。この日は、たくさん見ました。

    初めてみたカヤラン。木の枝などに寄生しているように見えて、実は寄生ではなく下の足のような根っこ?で絡まって生きている植物だそう。

   写真がぼけていますが、こうやって生きています。おもしろい。

   小さな薄青い花が、ヤマルリソウ。いかにもふさわしい名前です。

    子持ち桂の新緑。細かい葉っぱが美しい。

  何本もある木の中央は、枯れているものが数本。どんどん外に新しい木が生まれているようなので、いまよりさらに外径は広くなるのでしょう。

   今日見た二つ目の黄色い花。

   かんざしのように枝から垂れているのは花?

  子持ち桂のある場所から上に上がると舗装された林道があり、道なりに下がっていくと駐車場に出るのですが、途中から、道と崖の間に板が敷かれているのを発見。細い溝のふたになっているのかしら。こんなのはじめてみました。

    一重のヤマブキ。こちらに移住してから初めて一重のヤマブキを見ました。こちらが野生種で、八重は栽培種。太田道灌の歌は八重ヤマブキをうたったものなので、あの時代から栽培種があったということなのでしょうか。

    道端で見つけたのは、アケビとミツバアケビ。いまが花のさかりです。ミツバアケビの花は濃い紫色です。初めてみたかも。白いのと少し色がついているアケビも。うちにあるのとはまた少し色が違うようです。アジサイ同様、土によって色が違うのかもしれません。

    駐車場近くには、二リンソウの群生があり、昨年訪れたときは満開でした。きのうは半分くらい咲きかけたところ。

    このところ、膝がときどき痛くなり、階段を上がるたびにちょっと違和感を覚えていたのですが、昨夜から、気が付いたらそれがなくなりました。やはりわたしは決定的に運動不足。歩いて楽しめる場所がすぐちかくにあるのだから、もっともっと頻繁に歩くことにしたいと、改めて思った一日でした。

 

 

 

 

 

    

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足助の黍生山に登りました。

2021-02-01 20:59:35 | 小さな旅

  ひと月ぶりの山歩き。登ったのは、お隣足助の黍生山です。

  足助には、足助氏が開いたお城の跡が7つあるのだそうですが、黍生山は、その最初の城の跡のあるところ。車を足助モミジこども園隣の多目的広場に止めて巴川の橋を渡り、153号線を横断して山道に入ります。いつも車で通りながら、「この道はどこへ行く道だろう。知りたいな」と思っていた道です。やっとわかりました。

   山道に入ってしばらく行くと、階段が。かなりきつい。途中、目立つ植物は、冬イチゴとどんぐり類。写真はシラカシのどんぐりだそうです。カシ類は、カクトが縞々なのが特徴だとか。手前のげじげじのようなのは、何かの豆のさやです。

   この木は、アベマキ。昔、コルクの代わりに使われていたそうです。染色で私はこのアベマキのカクトをよく使いますが、いつも誰かにもらっているので、木そのものをよく知らなかった。

  どちらもカシ。左がシラカシで右がアラカシ。

   アベマキの木の股に育った別の植物。十両だとか。赤い実がかわいい。

   標高300mちょっとの山だから、十分ついていけるとおもっていたのに、この山、急坂が多く、けっこうしんどい思いをしました。しばらく急坂がつづき、尾根道に。そしてまた急坂。

   どんぐりがあちこちに落ちています。葉っぱの茶色がつややか。

   何の木だったか、忘れましたが、自ら巻いてしまった木。

   裏側です。ぐるっと自分を結んでしまったのでしょうか。何が起きたのかわからないのですが、とにかく成長。がんばりました。

   こちらのどんぐりはコナラ。

   カクトの模様はうろこ状です。カシ類のどんぐりとの違いが、この日はよくわかりました。

   コウヤボウキ。この植物、好きです。小さいのですが、これでも木。でも2年たつと枯れるのだそうです。いつも見るのは種が散ってから。いつか花を見てみたい。

   頂上です。城跡と言っても山城なので、さほど広くはありません。でも眺望はいい。雪を頂いた御岳山が見えました!

   あんなところに大きな池がある、とおもったら、三ツ足方面に最近できたメガソーラーシステムだそう。大きい!

   帰りは、林道を辿りました。途中、轍のすぐそばに動物の小さな足跡が。山によく来る友人たちによれば、小さいのに深いからウリン坊ではないかと

   タヌキのトイレ場所も見ました。彼らは、1匹がうんこをすると、同じ場所に次々に排便する習性があるのだそう。森の専門家の友人によれば、「タヌキのため糞はほぼ家族で使っている。縄張り宣言の意味や、引っ越しのご挨拶など掲示板の役目もあるのではと本には書いてある。だから、意図的に家族用トイレをつくっているとかんがえたほうがいいのでは」とのことです。おもしろい。 

   またもや冬イチゴ。写真がよくないのですが、この冬イチゴの葉っぱはなかなか感じがいい。実がならなくてもいいから庭先にあるとうれしい。稲武では寒すぎて無理かな。

  麓近くで急に目にするようになったお茶の木。栽培していたものが実生で育ったのだと思いますが、稲武で見るお茶の葉より一回り以上大きい。先週、足助屋敷前で寒茶が干してあるのを見たのですが、あれもずいぶん大きかった。足助は寒茶の産地として有名だと、京都にいたころ聞いたので、普通のお茶とは異なる品種が栽培されているのでしょうか。それとも土が違う?

   153号線近くに戻りました。マンホールのふたは足助仕様。香嵐渓にかかる橋の上は竹で作ったあんどんのたんころりん。左下は五平餅。コンパクトに足助の名所と名物が収められています。

   最近の山歩きにはたいてい同行する友人の男の子たち。この日も、かなり元気に急坂を行ったり来たりしていましたが、帰りにはそれぞれ数本の細い竹や棒をお持ち帰り。いつものことだけれど、なぜ男の子は、山や野原へ行くと棒切れを拾って持ち歩き、さらに家にまで持って帰ろうとするのでしょう。不思議だ。

   常に運動不足気味の私ですが、冬はさらにエスカレート。先月の山歩きで、かなりの体力の衰えを感じましたが、今回もまた痛感しました。でも、帰宅後、体中にじわじわと、エネルギーというか力がみなぎるような気持ちよさを感じました。坂道の上りで、普段使わない筋肉がつかわれて、目覚めたのかもしれません。

   

 

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自然観察の森を歩きました。

2020-12-28 21:42:54 | 小さな旅

  冬の森を歩きました。

  豊田市にある自然観察の森。市街地からほんのちょっと外れたところにある大きな森です。昔は里山として、人々にはなくてはならない場所だったところが、20年ほど前、国の指定を受けて、自然観察の森として整備されました。

  適度に整備された山道の傍らのあちこちで見つけた冬イチゴ。葉も実もかわいい。

  ヤマコウバシ。名前の通り、香ばしいにおいがかすかにしました。この山歩きで、茶色の葉も美しいものだな、と思えた最初の木。

   この膨大な落ち葉の下で、冬の間にどんなことが起きるのでしょう。

   タカノツメという名の木の葉っぱ。鷹のかぎづめを思わせる形、ということらしい。くしゃくしゃっとまるめるとキャラメルの匂いがする、と木の専門家の友人が教えてくれました。何度も試みてやっと、ミルクキャラメルのような香りが、ほんの一瞬、鼻孔をくすぐりました! 木の葉のつやのよいこと!

   森はコースがいくつもあり、地図を見ながら進みました。こちらは前回の歩いた六所山を望める場所。

   これはコシダ。ウラジロの群落もたくさんありますが、一般の家庭の正月の餅飾りは、このコシダを使うのだそう。ウラジロだとばかり思っていましたが、ウラジロは神社の正月飾りに使うものだそうです。

   一見するとブルーベリーそっくり。仲間のナツハゼだそうです。

  そばにある松の木の葉が、かんざしのように別の木々の枝に引っかかっています。冬の今しか見られない光景だと思います。

   たしか、大ヤシャブシの木。こんなに太いのを見たのは初めて。

   動物がいっぱい住んでいそうな森。一緒に歩いてくれる人がいなかったら、ちょっと怖い。

   ツルアリドオシ。蔓性でないアリドオシは、一両のことだそうです。どちらもとてもかわいい。見つけると興奮します。

   右手がウラジロの群落。のびのび育っているせいか、一枚の葉がものすごく大きい。

   湿地帯でお昼ご飯を食べ、ゆっくり歩いてほぼ3時間。最後は自然観察の森の立派な施設の屋上でおやつタイム。この場所もとても気持ちよかった。

   ほぼ貸し切りの森歩き。街からほんのちょっと足を延ばすだけで、種々の植物を見ることのできる森があるなんて、ぜいたくなことです。もし、20年前国の選定がなかったら、この山はたぶん周辺の山と同じように住宅地になっていたと思う。救われてよかった! 今度はぜひ春に訪れたい。

 

 

 

 

 

 

 

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六所山を歩きました。

2020-11-22 11:14:19 | 小さな旅

   ほぼ半年ぶりに山歩きをしました。豊田市松平地区の六所山です。

  標高は600mちょっと。私の家のある場所とほぼ同じです。このところ、暖かすぎるほどの気温なので、薄着にして臨みました。でもふもとの青少年センターの駐車場を降りた途端、空気の冷たさにおどろきました。

   登山口に至るまでの車道の崖には、灌木がいっぱい。香りのいい葉や枝をいくつも見つけました。木や草に詳しい友人の説明を聞きながら歩きます。

   かわいい花はキッコウハグマ。目を凝らさないと見過ごしそうな雑草です。

   六所山は中世以前に山頂近くに神社ができ、その後、このあたり一帯を治めることになる松平氏の初代親氏が東北から新たに神を勧請し、もうひとつの神社を建立。新旧ふたつの神社がいまにのこる山なのだそうです。六所神社 (豊田市) - Wikipedia

   江戸時代までは山全体が神と目され、山は手つかずの原生林となっていたそう。

   ところが、明治以降、所有権の不明の場所ができ、山は荒らされ、今に残る原生林は全山の一部になってしまったのだということです。

   私たちが入った登山口は、その原生林の残っている地域にあるもの。だから、初めてみるような植物があれこれ見られました。

    まるで姫リンゴ。オオウラジロノキという木の実だそうです。豊作だったらしくわんさと落ちていました。渋いそうだから、動物が食べないのかしら。

    通称は百万両という名の真っ赤な大きな実。一両もそこかしこに見られました。

 

   冬イチゴです。稲武では見たことがありません。葉っぱもかわいいので、植えたいのですが、育つのかしら。

   入ってしばらくすると小さな滝が。戦中には戦勝祈願の滝行も行われたそうです。

   こういう葉を見つけるとわくわくします。

   この山は比較的暖地にあるのに、自生したブナの木もあるそう。

   頂上までのコースはいくつかあって、私たちがのぼったのはいのししコース。

   ふたつの神社までの道のりは、わたしにはけっこうきつく、友人の説明を聞くことも写真を撮ることもままならないほど息が上がり、膝が思うように伸びず、滑らないよう注意して歩くのに精一杯でした。

  帰りはキツネコースをたどりました。展望台と書かれた看板立っている場所では何も見えず。ちょっといくと開けた場所があり、恵那山が遠望できました。

   この場所は、樹齢4~500年もありそうな赤樫が何本も切り倒されていました。展望台を作ろうという計画なのでしょうか。

   放置された立派な木々。ここまで成長するのにものすごい時間がかかっているのに、薪にすら利用されることなくこの場所で朽ちる。ああ、もったいない。

   キジョランという蔓草だそうです。アサギマダラの幼虫が好む植物だとか。

   下山も急坂が多くて、意外につらかった。同行した友人の子供(年長組)は遅れがちなわたしと、先を歩いているほかのメンバーとの間を何度も走って行き来していました。すごい脚力! 

  休憩も含めてほぼ3時間あるき、ふもとの駐車場に到着。センター近くのベンチでお昼ごはんにしました。暖かい日差しがうれしかった。途中で拾ったコハウチワカエデ。美しい着物の柄みたい。自然の妙に感心します。

   ふもとの集落にある六所神社。道向かいに明治5年に建てられたという農村舞台があります。茅葺の立派な建物で、立て札には、「建材として使った栗などの木々は、みな村人が六所山から運んだ」と書かれています。運び出す際に材木が石にあたってつっかえて先に進めないときは、石を削って通した、とありました。苦労して建てた建物のようです。

   舞台背後の木々の紅葉がきれい。

   そろそろ秋は終わり。来週は急に冷え込むようです。冬になるとますます運動不足になりそう。次の山歩きまでに、階段上りを日課にして、せめてみんなについて歩けるようにしたいとおもいます。

 

 

    

 

    

 

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