アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

「内部被ばくを生き抜く」

2012-08-23 22:08:08 | 映画とドラマと本と絵画
   Wさんに誘われて、久しぶりに自主上映の映画会に行きました。8月5日(日)のことです。場所は豊田市の豊田産業文化センター小ホール。福島の原発事故を題材にしたドキュメント映画で、主催しているのは、岡崎市と豊田市の、小さなお子さんを持つお母さんたちのグループ、ままのわ。毎月朝市を開いているグリーンママンのメンバーやとよた都市農山村交流ネットワークの有志がお手伝いしています。

   監督は鎌仲ひとみ。「六ヶ所村ラプソディー」や「ミツバチの羽音と地球の回転」などで、放射能汚染やエネルギー問題を精力的に取り上げてきた人です。タイトルは知っていましたが、彼女の映画を見るのは初めて。原発の問題は気にかかることでもあるので、いい機会だと思って勉強に行きました。

   映画は、肥田舜太郎、鎌田實、児玉龍彦、それにチェルノブイリ原発に近い場所で45年間小児科医を務めてきたスモルニコワ・バレンチナの4人の医師・科学者の証言を主軸に、地元の人たちの話をまじえた形で構成されています。

   内部被爆とは、爆発時に直接放射能を浴びる外部被爆に対する言葉で、爆発後に放射能を浴びること。内部被爆は放射能が徐々に体内に蓄積されるため、年を追うごとに症状がひどくなり、ついには死に至ることも。

  監督は、この映画について次のように述べています。

  「内部被爆に関しては、低線量の放射線は安全である、に始まって、どんな微量でも身体の中に入った放射線物質は危険である、まで異説・異論がこの世界には存在する。それはまさしくグラデーションのような世界に見える。放射能汚染もまた、まだらなグラデーションを地上に描いている。私は放射能汚染を受けた現場で生きる世界中の人々の取材を通して、データにはならないが、現場には確実に被害を受け苦しんでいる人々がいることを身を持って経験した。(中略)暮らし、家族、地域、など生身の人間の未来を配慮することなしに被ばくは語れない。どうやったら、この「内部被ばくの時代」を私たちは行きぬくことができるか、最前線で格闘する人々の声に耳を傾けた」

   世界で一番たくさんの原爆病患者を診察したといわれている広島の肥田舜太郎氏は、内部被爆の患者について次のように語っています。

   「なんとなく体がだるい、やる気がおきない。でも原因が分からない。そういって受診した人が、あるとき突然亡くなった。はじめはわからなかったのですが、被災地に原爆投下後に入った人たちにその症状が現れるということがだんだんわかってきた」

    放射能は染色体を傷つけ、種々の病気を引き起こすのですが、目に見えないため原因をはっきり特定できず、認定も補償もないまま、放置されることが多かったようです。

    体内に今、どれほどの放射線量がたまっているかを測定する機械が、福島県のある町の公立病院にだけあります。チェルノブイリ発電所のあったベラルーシは豊かとは言えない国ですが、あちこちの病院にこの測定器が置いてあるのだそうです。でも、福島にはこの病院にしかありません。

    こちらでこどもの線量を測ってもらったお母さんは、「測ってもらってはじめて安心できました」と嬉しそうに話していました。豊かな国であるはずの日本で、こんな機械ひとつ用意していないとはおどろきです。

    ところで、放射能汚染から身を守るためには、汚染されていない食物を食べ、しばしば、汚染のまったくない地域で生活することが必要だという専門家がいるそうです。こうすることで、免疫力を回復させる効果があるのだそうです。このことを、私はまったく知りませんでした。

    先日、東京で仕事をしている友人からの手紙に、「官邸前のデモに毎週参加している」とありました。彼女によれば、回を重ねるごとに人数が増えている気がする、とのことです。デモについてはあまり報道されていませんが、ネット上では詳細な情報が流されているのでしょう。

    原発や放射能について、知らないこと、知らされていないことが私たちにはたくさんあるようです。機会があれば、鎌仲監督の他の映画も見てみたいと思います。       


    
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今年の梅干し

2012-08-23 21:31:02 | 手作りのたべもの
    やっと梅を干し始めることができました。

    今年の梅は、津具の友人、Yさん宅のもの。大きくてあまり傷の入っていない実を、7キロ近くもらいました。赤シソは、旭地区のてくてく農園産。どちらも無農薬の素性のいいものです。今年は良質の梅を漬けることができました。

    わたしは、梅干しといえば梅に対して2割の塩を入れた、昔ながらの辛い梅干しをずっと作っています。でも、こういう梅干し、今はあまりつくられないようです。砂糖や焼酎で塩気を押さえ、食べやすい梅干しにしているとか。梅を干さないという人もけっこういるようです。

    すっぱいのが苦手な人や塩気を控える人が増えたからでしょう。でも、私は昔ながらの梅干しが好き。今年は、来春の桜の塩漬けのための白梅酢もちゃんと採りました。まだよく赤く染まっていないので、今夜は赤梅酢に入れ、あと数日干してから、保存瓶にしまう予定です。    
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地のキュウリ2種

2012-08-23 13:36:47 | 稲武のモノ・コト・ヒト・バ
    マイタケを分けてくださったFさんから、「地元でずっと作っていたキュウリだよ」といって、こんなキュウリをいただきました。白っぽくていぼがあり、ずんぐりむっくりしています。薄く切って塩もみしたら、ウリとキュウリの間のような味がしました。  

    このキュウリは確か、昨年どんぐり横丁で「あおとうり」という名で売っていて、ブログでも紹介したものと同じではなかろうかと思います(コチラ→)。
    今朝は、近所にすむ友人のMさんが、大きなキュウリを持ってきてくれました。

    こちらも地のキュウリだそうです。これもずんぐりむっくり。もともと太めのキュウリがさらに大きく育って、一般のキュウリの4倍くらい食べでがありそうです。このキュウリは、先日大桑の筒井重之さんからもらったものと同じ気がします(コチラ→)。    

    このあたりの年配の人たちは、大きく育ったキュウリを好むそうで、普通のキュウリでもけっこう大きくなるまで採らないとか。身が柔らかくなるので好まれるらしいのですが、しゃきしゃきした歯ごたえは薄れるみたい。でも、最近はまっているビール漬けなら、味のしみるのが早くていいかも。いまから試してみることにします。     
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雷のため接続不能になりました

2012-08-23 11:56:19 | 稲武のモノ・コト・ヒト・バ
   先週の金曜日、17日の午後からきょうまで、私のパソコンは外部との接続ができなくなっていました。だから、メイルのチェックもブログの更新もできずにいました。

   あの日はものすごい雷雨でした。生まれてこの方、あれほどひどい雷は経験したことがなく、家に落ちるのではないかとびくびくしていました。一回は、ほんとに近いところに落ちたようで、思わず腰を浮かしてしまいました。

   当然停電になりましたが、1時間ほどしてブレーカーを上げたら電気はつき、雷雨も遠のいたのですが、NTTのADSLのモデムの電気がすべて消えたまま。電源を入れなおしても回線のコードを入れなおしても応答なしです。

   モデムが雷のせいで故障したようなのです。すぐにNTTの最寄の支局に電話しましたが、113かフリーダイヤルにかけなおすようにいわれたのでそちらに電話しなおすと、「ただいま大変混んでいますので、おかけなおしください」のアナウンスが。このアナウンス、その後何度かけても流れつづけました。

    NTTとの連絡ができない以上、どうしたら復旧にこぎつけられるのかわかりません。あの雷雨のとき、近所に住む友人宅では、ブレーカーとファクス機とモデムの三つの機器が壊れました。でも、NTTではない回線を使っているので、すぐに回線元と連絡が取れたといいます。こんなに連絡がいつまでもとれないのだったら、回線を代えたほうがこの先安心かもしれないなど、いろんなことを悶々と考え続けていました。

   3日めに、いつもパソコンになにかおきたとき相談にのってくれているMさんから、「NTT西日本に、私からメイルしてみようか」との連絡がありました。電話するしかない、と思い込んでいたため、メイルで通信する方法もあるということに思い至りませんでした。すぐに彼女にたのみ、翌朝、また113にかけてみました。すると、たまたま営業前だったので留守番電話に録音することができ、やっとNTTにメッセージを残すことができました。

   これまで、電話したのはいつも営業時間内だったらしく、電話が殺到していてこちらの名前すら伝えられなかったのですが、時間外だったことが幸いして名前と電話番号、問い合わせ内容を伝えることができたのです。

   その30分後、携帯電話にNTTサポートセンターから電話がありました。そして二日後のきょう、モデムの交換をしてくれることに話がきまりました。

   そして先ほど、地元の電気屋さんがNTTからの指示で、新しいモデムを持ってきてくれました。で、やっと復旧。メイルは6日分たまったのでかなりの数に。そのなかにNTTからのメイルがあり、Mさんからのメイルをみて、電話をくれたことがわかりました。また、私が電話したこともちゃんと記録に残っていました。

   よく考えたらMさんの手を煩わさなくても、携帯のメイルでNTTに連絡すればすむことでした。それに気がつかず、電話で通信するしかない、と思い込んでいたのでした。また、ひとつ、自分の頭の固さに思い至った事件でした。

  ところで、電気屋さんの話では稲武はあの日だけですんだけれど、旭地区はお盆以来ずっとひどい雷雨が続き、いまだに復旧していないところもあるとのことです。雷は恐い。あの日以来、私は、雷雨になりそうな空模様のときに外出する場合は、電源だけでなく、電話回線も切ることにしました。
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