Wさんに誘われて、久しぶりに自主上映の映画会に行きました。8月5日(日)のことです。場所は豊田市の豊田産業文化センター小ホール。福島の原発事故を題材にしたドキュメント映画で、主催しているのは、岡崎市と豊田市の、小さなお子さんを持つお母さんたちのグループ、ままのわ。毎月朝市を開いているグリーンママンのメンバーやとよた都市農山村交流ネットワークの有志がお手伝いしています。

監督は鎌仲ひとみ。「六ヶ所村ラプソディー」や「ミツバチの羽音と地球の回転」などで、放射能汚染やエネルギー問題を精力的に取り上げてきた人です。タイトルは知っていましたが、彼女の映画を見るのは初めて。原発の問題は気にかかることでもあるので、いい機会だと思って勉強に行きました。
映画は、肥田舜太郎、鎌田實、児玉龍彦、それにチェルノブイリ原発に近い場所で45年間小児科医を務めてきたスモルニコワ・バレンチナの4人の医師・科学者の証言を主軸に、地元の人たちの話をまじえた形で構成されています。
内部被爆とは、爆発時に直接放射能を浴びる外部被爆に対する言葉で、爆発後に放射能を浴びること。内部被爆は放射能が徐々に体内に蓄積されるため、年を追うごとに症状がひどくなり、ついには死に至ることも。
監督は、この映画について次のように述べています。
「内部被爆に関しては、低線量の放射線は安全である、に始まって、どんな微量でも身体の中に入った放射線物質は危険である、まで異説・異論がこの世界には存在する。それはまさしくグラデーションのような世界に見える。放射能汚染もまた、まだらなグラデーションを地上に描いている。私は放射能汚染を受けた現場で生きる世界中の人々の取材を通して、データにはならないが、現場には確実に被害を受け苦しんでいる人々がいることを身を持って経験した。(中略)暮らし、家族、地域、など生身の人間の未来を配慮することなしに被ばくは語れない。どうやったら、この「内部被ばくの時代」を私たちは行きぬくことができるか、最前線で格闘する人々の声に耳を傾けた」
世界で一番たくさんの原爆病患者を診察したといわれている広島の肥田舜太郎氏は、内部被爆の患者について次のように語っています。
「なんとなく体がだるい、やる気がおきない。でも原因が分からない。そういって受診した人が、あるとき突然亡くなった。はじめはわからなかったのですが、被災地に原爆投下後に入った人たちにその症状が現れるということがだんだんわかってきた」
放射能は染色体を傷つけ、種々の病気を引き起こすのですが、目に見えないため原因をはっきり特定できず、認定も補償もないまま、放置されることが多かったようです。
体内に今、どれほどの放射線量がたまっているかを測定する機械が、福島県のある町の公立病院にだけあります。チェルノブイリ発電所のあったベラルーシは豊かとは言えない国ですが、あちこちの病院にこの測定器が置いてあるのだそうです。でも、福島にはこの病院にしかありません。
こちらでこどもの線量を測ってもらったお母さんは、「測ってもらってはじめて安心できました」と嬉しそうに話していました。豊かな国であるはずの日本で、こんな機械ひとつ用意していないとはおどろきです。
ところで、放射能汚染から身を守るためには、汚染されていない食物を食べ、しばしば、汚染のまったくない地域で生活することが必要だという専門家がいるそうです。こうすることで、免疫力を回復させる効果があるのだそうです。このことを、私はまったく知りませんでした。
先日、東京で仕事をしている友人からの手紙に、「官邸前のデモに毎週参加している」とありました。彼女によれば、回を重ねるごとに人数が増えている気がする、とのことです。デモについてはあまり報道されていませんが、ネット上では詳細な情報が流されているのでしょう。
原発や放射能について、知らないこと、知らされていないことが私たちにはたくさんあるようです。機会があれば、鎌仲監督の他の映画も見てみたいと思います。

監督は鎌仲ひとみ。「六ヶ所村ラプソディー」や「ミツバチの羽音と地球の回転」などで、放射能汚染やエネルギー問題を精力的に取り上げてきた人です。タイトルは知っていましたが、彼女の映画を見るのは初めて。原発の問題は気にかかることでもあるので、いい機会だと思って勉強に行きました。
映画は、肥田舜太郎、鎌田實、児玉龍彦、それにチェルノブイリ原発に近い場所で45年間小児科医を務めてきたスモルニコワ・バレンチナの4人の医師・科学者の証言を主軸に、地元の人たちの話をまじえた形で構成されています。
内部被爆とは、爆発時に直接放射能を浴びる外部被爆に対する言葉で、爆発後に放射能を浴びること。内部被爆は放射能が徐々に体内に蓄積されるため、年を追うごとに症状がひどくなり、ついには死に至ることも。
監督は、この映画について次のように述べています。
「内部被爆に関しては、低線量の放射線は安全である、に始まって、どんな微量でも身体の中に入った放射線物質は危険である、まで異説・異論がこの世界には存在する。それはまさしくグラデーションのような世界に見える。放射能汚染もまた、まだらなグラデーションを地上に描いている。私は放射能汚染を受けた現場で生きる世界中の人々の取材を通して、データにはならないが、現場には確実に被害を受け苦しんでいる人々がいることを身を持って経験した。(中略)暮らし、家族、地域、など生身の人間の未来を配慮することなしに被ばくは語れない。どうやったら、この「内部被ばくの時代」を私たちは行きぬくことができるか、最前線で格闘する人々の声に耳を傾けた」
世界で一番たくさんの原爆病患者を診察したといわれている広島の肥田舜太郎氏は、内部被爆の患者について次のように語っています。
「なんとなく体がだるい、やる気がおきない。でも原因が分からない。そういって受診した人が、あるとき突然亡くなった。はじめはわからなかったのですが、被災地に原爆投下後に入った人たちにその症状が現れるということがだんだんわかってきた」
放射能は染色体を傷つけ、種々の病気を引き起こすのですが、目に見えないため原因をはっきり特定できず、認定も補償もないまま、放置されることが多かったようです。
体内に今、どれほどの放射線量がたまっているかを測定する機械が、福島県のある町の公立病院にだけあります。チェルノブイリ発電所のあったベラルーシは豊かとは言えない国ですが、あちこちの病院にこの測定器が置いてあるのだそうです。でも、福島にはこの病院にしかありません。
こちらでこどもの線量を測ってもらったお母さんは、「測ってもらってはじめて安心できました」と嬉しそうに話していました。豊かな国であるはずの日本で、こんな機械ひとつ用意していないとはおどろきです。
ところで、放射能汚染から身を守るためには、汚染されていない食物を食べ、しばしば、汚染のまったくない地域で生活することが必要だという専門家がいるそうです。こうすることで、免疫力を回復させる効果があるのだそうです。このことを、私はまったく知りませんでした。
先日、東京で仕事をしている友人からの手紙に、「官邸前のデモに毎週参加している」とありました。彼女によれば、回を重ねるごとに人数が増えている気がする、とのことです。デモについてはあまり報道されていませんが、ネット上では詳細な情報が流されているのでしょう。
原発や放射能について、知らないこと、知らされていないことが私たちにはたくさんあるようです。機会があれば、鎌仲監督の他の映画も見てみたいと思います。