アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

段戸裏谷原生林きららの森を、ちょっとだけ散策しました。

2021-11-02 10:32:34 | 小さな旅

  

  先日、紅葉が美しいときだろうと思って、友人たちと段戸裏谷原生林きららの森へ向かいました。

  段戸湖わきの駐車場がほぼ満車だったので、臨時駐車場のきららの里まで行って車を止め、前に来た時とは違う道をたどって原生林に向かいました。

   稲武よりだいぶ紅葉がすすんでいて、種々の色の落ち葉がたくさん。ネット検索して印字した地図を片手に道なりにどんどん進みました。

   ところが、地図に書いてある「休憩所」や「池」がちっとも現れません。変だね、といいながら先へ先へと歩きました。

   歩き始めて1時間半ほどたったころ、一人が「道を間違えたのではない?」と指摘。地図をよく見ると、きららの森の西を通る道は県道で、設楽町の三都橋に至る、となっています。私たちが目指したのは、きららの森の中。東海遊歩道も通っているので、アスファルトの道がこれだけ続くのはおかしなことです。

   突然我に返った私たち。その日は、山歩きメンバーの6歳のお子さんと、足が少しお悪い彼女のおかあさんも同行していました。疲れ気味の二人を案じて、一緒に歩いていた中で一番若い彼女が意を決して、「私が先に駐車場に戻り、車で迎えに来ます」と言いました。平坦な道も多かったのですが、峠らしいところも越えているので、帰り道は来た時よりつらいはず。こちらの道しかないと思い込んでいた私の責任で、大変なことになってしまいました。でも、その時はほかの方法が考えられず、彼女を見送りました。

   残された私たちは道路わきの空き地を見つけて座り、遅い昼食を取りました。

   食べ終わって、立ち上がりかけたとき、設楽方面から大きめの白い普通車がやってきました。とっさに手をあげると、車は止まってくれました。事情を話し、同乗をお願いしたところ、乗っていた老夫婦は快く乗せてくれ、一路駐車場に向かいました。

   歩いていた時は気付かなかったのですが、道は細くてカーブだらけ。ご夫婦はこのあたりの紅葉の景色が好きで、毎年この季節に訪れるのだとか。「この道を歩くのは気持ちいいでしょうねえ」との彼のことばに、「そういえば、悪いことだけじゃなかった」とすくわれた思いがしました。

   だいぶ行ってから、先に向かったメンバーにおいつき、彼女の代わりに彼女のおかあさんと子供がおりて迎えを待つことに。

   そしてほどなく駐車場に。間違いと気が付いてから、30分くらいで無事到着できました。ひとえに、親切な老夫婦のおかげです。もし彼らに出会えなかったら、夕暮れ近くにやっとたどり着けたことでしょう。ほんとにありがたいことでした。

   時刻は午後2時半。きららの森近くに来たというのに、ブナの原生林を見ないで帰るのは惜しい。それで、メンバーの親子とはここで分かれ、残った二人で最短コースを辿りました。

   段戸湖の水面に映っている紅葉が美しい。

    なだらかな登り道をたどってブナの森へ。このきららの森へは、数年前一度だけ訪れたのですが、その時に見た、造形物のような枯れ木がまだありました。薄暗い森の中で見ると、思わずぎょっとします。

    日が傾きかけていたので、もうほとんど散策する人はいません。獣が出る時刻が近づいているのではないかと、少々怖くなりました。だから以前来た時のように、大木をゆっくり眺める余裕はありませんでした。

   ブナの樹齢は300年ほどだそう。その300年がたったと思われる巨木の横たわっている姿は、枯れ木でも圧倒されます。

   もっと行きたいところはたくさんありましたが、この日は、ブナの姿だけ見て山を下りました。

   入口に通じる小さな道。地図で見ると、この道が東海自然歩道のようです。私たちは、この写真のずっと前方にある車道を歩いたのですが、その途中でこの道に入るべきだったようです。全く見そびれていました。

   帰り着いた時は夕暮れ間近。迷ったのは山道ではなくて車道だったとはいえ、私たちにとっては冒険の一日でした。40年ぶりのヒッチハイク、振り返ってみればそれも楽しかった。翌日は、下半身がパンパンに緊張し、まっすぐ歩くのもままならないほどでした。

   

 

コメント
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