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アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

映画「エボルーション」

2018-05-15 23:52:09 | 映画とドラマと本と絵画
    深海で赤茶色の藻の動くシーンから始まるこの映画、終始幻想的でした。

    場所は海の近く。白い廃墟のような家が続いた通りは出てきますが、街らしくない。登場人物は少年たちとその母親らしき人物や看護師の女性たちだけ。

    古い工場のような病院のような建物の中は調度も飾りもなく無機的。小道具は少なしい、セリフもわずか。役者は裸同然の姿か看護師のワンピースまたは手術着、あるいはうすい生地でできた簡単服。背景も貧相。その貧しげなところが幻想的に撮ってあって、極めて低料金でできていると思うのですが、吸い込まれるように見てしまった。

    街の風景は、キリコの絵をおもわせ、主人公の少年が女たちの「秘密」を探るために歩き回るシーンは全画面真っ暗ななかに、あかりだけが動く。    

    少年たちは何らかの手術を受け、子をはらむ。はらんだ子を看護師たちは出産を待たず帝王切開する。少年たちは病んで鼻血を出す。

    一見ホラー映画のようですが、こわくはありません。少年たち、実は少女なのかも。初潮を迎えた少女たちの戸惑いや恐れ、好奇心と不安。そういったものを幻想的に描いているようにおもえました。わかりにくいところもあったけれど、映像がきれいなので気にならなかった。よくできた映画です。

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