晴耕雨読とか

本読んだり、いきものを見たり。でも、ほんとうは、ずっと仕事してます。

『サイゴンの十字架』

2008年07月28日 | 
開高健ルポルタージュ選書『サイゴンの十字架』(光文社文庫)を読了。
これで、同シリーズ全部読んだことになる。

しかし、ベトナム戦争ものって何冊目だろう。

開高健で、この『サイゴンの十字架』と『ベトナム戦記』(朝日文庫)、『輝ける闇』(新潮文庫)の3冊。1965年初版の『南ヴェトナム戦争従軍記』(岩波新書/岡村昭彦)、続編の『続 南ヴェトナム戦争従軍記』(岩波新書、1966年)、『戦場カメラマン』(朝日文庫/石川文洋)、『ベトナム戦争の内幕』(筑摩書房 現代世界ノンフィクション全集24/ウィルフレッド・バーチェット)。どーんと飛んで2001年の『ベトナム戦争 誤算と誤解の戦場』(中公新書/松岡完)。

以上の計8冊。比較的読んでいる方だろうか。

どうしてベトナム戦争の本を読むのか、実は自分でも整理はついていない。ほかの戦争ものは読んでないし。きっかけは覚えていない。「地獄の黙示録」といったベトナム戦争ものの映画や開高健の本などが影響していて、いったいベトナム戦争というものがどういうものか? もうちょっと構造的に知りたいと思ったのは事実だ。

でも、結局、『ベトナム戦争 誤算と誤解の戦場』を読んでも、全体像はまったく覚えておらず、いつまでたっても「北の共産主義と南の民主主義」「しゃしゃり出て地獄を見たアメリカ」以上のことはわからない…というか覚えていない。

でも、ベトナム戦争ものの本も見つけるたびに買ってしまうのだ。

ただ呆然と読むだけ。自分でも不思議な感じだが、読んでしまって、しかも、クリアに腑に落ちない、理解できない、そもそも頭に入らない……。なんだか自分がよく分からないが、乱暴に言えば、ベトナム戦争そのものが、そういうものだったのだろうか。