晴耕雨読とか

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トキの皮肉

2010年03月13日 | 生き物
今週、驚いたニュースはなんといってもトキ惨殺事故です。
当初は「野生、すげえ! やつら、単に殺しただけか!?」と
半ば感動していたのですが、今朝の朝日新聞の天声人語を見て、なおびっくり。

佐渡のテンは、野ウサギ駆除のために半世紀前に導入されたものだという。

そもそも佐渡の野ウサギは「サドノウサギ Lepus brachyurus lyoni」ということで、
一応、亜種扱いになっている。

この固有亜種を駆除するために導入されたテンが、
日本での野生復帰を担わされた中国産トキの末裔を惨殺。

なんという皮肉なんだろう。

そもそも、このトキには、いったいいくらお金がかかっているんだろう?
1羽、数千万オーダーではないだろうか?
べつに税金の無駄遣いをあげつらうことはしないし、
環境省も地元の人たちも、おそらく一生懸命で、
意義あることをしていたのだと思う。

まぁ、トキの野生復帰の件にかかわらず、
人間が生態系をどうこうしようと言うこと自体に
かなり無理があるんだろうと思います。