今日、夏の高校野球が開幕しました。
実は私、小学生のときに『ドカベン』を読んで以来の高校野球ファン。
高校野球といえば甲子園。
甲子園といえば、阪神電車です。
前の職場への通勤には、阪神電車を利用していましたので、
残業のない日はぶらりと甲子園駅で途中下車し、
無料の外野席で高校野球を見て帰るのが、夏のお楽しみでした。
まだまだ日が長いとはいえ、仕事帰り。
第4試合の終盤になっているのですが、
夕焼け空がしだいに暮れて、やがて照明が灯るまで、
空の色が移り変わるのを見ながらビール片手に野球観戦、というのは、
なかなか乙なものです。
ちょくちょく通ううち、ひいきのチームというのが出てきます。
忘れられないのは、2年前の夏。
佐賀北高校。
覚えていらっしゃいますか。
2度目の出場で初優勝。
大ブームになった、佐賀の県立高校です。
派手さはないけど、堅実で泥くさい全員野球。
開幕試合や延長引き分け再試合など僅差で勝ちすすみ、
準々決勝で強豪の帝京高校に延長サヨナラ勝ちしたときには、しびれました。
そして迎えた決勝戦。
相手は名門、広島代表、広陵高校。
この日は代休だったので、はりきって球場に駆けつけました――。
…とまあ、私にとっては今なお鮮明なのですが、
こんな話、その夏の出来事ならともかく、
2年もたった今となっては、誰もまともに聞いてくれません。
ところが一人、いたのです。
ふんふん、と聞いてくれるだけでなく、一緒に熱く語ってくれる人が…!
この春、訪ねた小笠原諸島の父島で、10日間にわたってお世話になったガイドさん。
島の人からは「ヒロくん」と呼ばれる、クジラとイルカが大好きな好青年。
ガイドさんなど人の出会いに恵まれると、旅は本当に楽しく、思い出深くなります。
「気はやさしくて力持ち」を地でいく彼に、お客様も全幅の信頼を寄せていました。
クジラを見たり、アホウドリを見たり、無人島へ渡ったり、南洋踊りを踊ったり、
「ヒロくん」の案内のもと島を十二分に満喫し、明日はいよいよお別れ、という夜。
ツアーが無事終了した「お疲れさん会」をしようと、島の居酒屋で祝杯をあげました。
仙台出身の彼、なんでまた小笠原に…と聞いてみると、
「実は甲子園めざしてピッチャーやってたんです。
けっこう強い学校の一応エースで、社会人野球からも誘われてたんですけど、
肩をこわして野球できなくなってしまって…」
えー! と私。
じゃあ、あの試合、覚えてる? 佐賀北VS広陵戦。
私、あの試合、甲子園で生で見てたんよ。
…というと、今度はあちらが、
えー!
――超満員の外野席で見た決勝戦。
佐賀北打線は7回まで、広陵の好投手にわずか1安打に押さえられ、
0-4とリードされてしまいます。
ところが8回、初めてのチャンスで満塁に。
わずかに外れた四球押し出しで3点差になると、スタンドは異様な雰囲気に。
そして、つづく3番バッターが、なんとなんとの逆転満塁ホームラン!!
そのまま逃げ切って初優勝をはたしたのです。
「ホームランのときは、もうスタンド中がすごかったよ。
私も思わず、となりの見知らぬ親子とハイタッチしたもん。」
その試合をテレビで見ていたという彼は、私以上に克明に覚えていました。
「あの押し出し四球になった一球は、ボールと判定されたけど
ストライクでも良かった。それぐらいいい球だったんですよ。」
「逆転ホームラン打たれたあと、それでも広陵のピッチャーが笑ったんです。
不思議に思ったかもしれないけど、あそこは笑うしかない。
なんか同じピッチャーとして、ちょっと気持ちがわかったなぁ。」
うんうん、そうかそうか。
――それにしても、まさか東京から船で25時間の、小笠原諸島の父島で、
あの佐賀北VS広陵戦について熱く語れるとは思ってもいませんでした。
サプライズという点では、クジラより何より、一番の思い出になったかも…。
さて、今年も夏の甲子園が始まります。
小笠原の彼のように、その力がありながら甲子園に届かなかった元球児たちは、
また特別な思いを抱きながら見るんでしょう。
通勤が、阪神電車から阪急電車へと変わり、
帰りにぶらりと甲子園…というわけにはいかなくなったのが残念ですが、
いつかまた小笠原で再会したときに、熱く語れる名勝負を、今年も期待しています。
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貸切バス・オーダメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com
■銀ステ旅先案内人:http://ameblo.jp/arailuka
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実は私、小学生のときに『ドカベン』を読んで以来の高校野球ファン。
高校野球といえば甲子園。
甲子園といえば、阪神電車です。
前の職場への通勤には、阪神電車を利用していましたので、
残業のない日はぶらりと甲子園駅で途中下車し、
無料の外野席で高校野球を見て帰るのが、夏のお楽しみでした。
まだまだ日が長いとはいえ、仕事帰り。
第4試合の終盤になっているのですが、
夕焼け空がしだいに暮れて、やがて照明が灯るまで、
空の色が移り変わるのを見ながらビール片手に野球観戦、というのは、
なかなか乙なものです。
ちょくちょく通ううち、ひいきのチームというのが出てきます。
忘れられないのは、2年前の夏。
佐賀北高校。
覚えていらっしゃいますか。
2度目の出場で初優勝。
大ブームになった、佐賀の県立高校です。
派手さはないけど、堅実で泥くさい全員野球。
開幕試合や延長引き分け再試合など僅差で勝ちすすみ、
準々決勝で強豪の帝京高校に延長サヨナラ勝ちしたときには、しびれました。
そして迎えた決勝戦。
相手は名門、広島代表、広陵高校。
この日は代休だったので、はりきって球場に駆けつけました――。
…とまあ、私にとっては今なお鮮明なのですが、
こんな話、その夏の出来事ならともかく、
2年もたった今となっては、誰もまともに聞いてくれません。
ところが一人、いたのです。
ふんふん、と聞いてくれるだけでなく、一緒に熱く語ってくれる人が…!
この春、訪ねた小笠原諸島の父島で、10日間にわたってお世話になったガイドさん。
島の人からは「ヒロくん」と呼ばれる、クジラとイルカが大好きな好青年。
ガイドさんなど人の出会いに恵まれると、旅は本当に楽しく、思い出深くなります。
「気はやさしくて力持ち」を地でいく彼に、お客様も全幅の信頼を寄せていました。
クジラを見たり、アホウドリを見たり、無人島へ渡ったり、南洋踊りを踊ったり、
「ヒロくん」の案内のもと島を十二分に満喫し、明日はいよいよお別れ、という夜。
ツアーが無事終了した「お疲れさん会」をしようと、島の居酒屋で祝杯をあげました。
仙台出身の彼、なんでまた小笠原に…と聞いてみると、
「実は甲子園めざしてピッチャーやってたんです。
けっこう強い学校の一応エースで、社会人野球からも誘われてたんですけど、
肩をこわして野球できなくなってしまって…」
えー! と私。
じゃあ、あの試合、覚えてる? 佐賀北VS広陵戦。
私、あの試合、甲子園で生で見てたんよ。
…というと、今度はあちらが、
えー!
――超満員の外野席で見た決勝戦。
佐賀北打線は7回まで、広陵の好投手にわずか1安打に押さえられ、
0-4とリードされてしまいます。
ところが8回、初めてのチャンスで満塁に。
わずかに外れた四球押し出しで3点差になると、スタンドは異様な雰囲気に。
そして、つづく3番バッターが、なんとなんとの逆転満塁ホームラン!!
そのまま逃げ切って初優勝をはたしたのです。
「ホームランのときは、もうスタンド中がすごかったよ。
私も思わず、となりの見知らぬ親子とハイタッチしたもん。」
その試合をテレビで見ていたという彼は、私以上に克明に覚えていました。
「あの押し出し四球になった一球は、ボールと判定されたけど
ストライクでも良かった。それぐらいいい球だったんですよ。」
「逆転ホームラン打たれたあと、それでも広陵のピッチャーが笑ったんです。
不思議に思ったかもしれないけど、あそこは笑うしかない。
なんか同じピッチャーとして、ちょっと気持ちがわかったなぁ。」
うんうん、そうかそうか。
――それにしても、まさか東京から船で25時間の、小笠原諸島の父島で、
あの佐賀北VS広陵戦について熱く語れるとは思ってもいませんでした。
サプライズという点では、クジラより何より、一番の思い出になったかも…。
さて、今年も夏の甲子園が始まります。
小笠原の彼のように、その力がありながら甲子園に届かなかった元球児たちは、
また特別な思いを抱きながら見るんでしょう。
通勤が、阪神電車から阪急電車へと変わり、
帰りにぶらりと甲子園…というわけにはいかなくなったのが残念ですが、
いつかまた小笠原で再会したときに、熱く語れる名勝負を、今年も期待しています。
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