銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

アラスカ街道はもう秋なのさ

2009年08月06日 | のほほん同志Aの日常
「これまで行ったなかで、一番よかったのはどこですか?」
添乗中に一番多く受けた質問といえば、これでしょう。

――いずこの国も思い出深く…

『ローマの休日』のアン王女のように前置きするまでもなく、いつも即答しています。

――アラスカです!

そう、アン王女にとってのローマは、私にとってのアラスカです。

アラスカと、私の大好きな北海道には、なにかしら共通するものがあります。
クマがいるとか、雪が降るとか、そういうことはもちろんなのですが、
人も、動物も、草や木も、厳しい気候に耐えて暮らしている静謐な美しさが
なんだか物悲しくて、「北の大地派」にはグッとくるというか…。

アラスカの大地にちらほら雪が降りはじめるのは9月。
深く降りつもった雪がとけ、大地がふたたび顔をのぞかせるのは、あくる年の6月。
その間ずっと、長く白い冬の世界、それがアラスカです。

初めて訪ねたのは4年前の7月。
アラスカは短い夏の真っ盛りでした。
冒険家の植村直己さんが眠るとされる北米最高峰のマッキンリー山(6,194m)。
その北壁(ノースフェース)を望むのが、ノースフェース・ロッジ。
写真家の故星野道夫さんもたびたび訪ねたという
このロッジで過ごした4日間こそが、一番、忘れられない記憶です。

四国ほどもある広大なデナリ国立公園内には、宿泊施設がわずか4軒。
抜群の眺めとアットホームなもてなしで
一番の人気を誇るノースフェース・ロッジの定員は、わずか28名。
全米からのリピーター客が訪れるため、
いつも1年前から予約を入れてお部屋を確保してもらう、特別なお宿でした。


実は、アラスカについては、3人の人と約束をしています。
2人は私の両親。
あと1人は、ノースフェース・ロッジのマネージャーだったシャロンさん。

――あと3年したら父が退職します。
そのとき、うちの両親を連れて、もう一度、戻ってきます。
今度は、ぜひ秋に。


8月。
アラスカではもう、早い秋の訪れを迎えるころ。
ロッジの周りでも、朝晩には霜が降りはじめていることでしょう。

8月も終わりになると、
ツンドラの大地を這うように生い茂るベリーの小さな葉が色づきはじめ、
赤やらオレンジやら、パッチワークの絨毯を広げたかのようになります。
その頃、マッキンリー山はふもとまですっぽり雪におおわれ、
秋の青空をキャンバスに、純白のケーキみたいになっているはず…。

――はやくアラスカに帰りたい…!

約束の「そのとき」までは、あと2年ちょっとです。


****************************************
貸切バス・オーダメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com
■銀ステ旅先案内人:http://ameblo.jp/arailuka
****************************************


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日、黒い雨

2009年08月06日 | 見かけだおしNのつぶやき
営業上
かつての職場(旅行業でない)で、お客様とコミュニケーションをとる際に
決して踏み込んではならない事例として・・・

1.政治 2.宗教 3.野球球団 がありました
関西圏では№3は特に注意事項かもしれません・・・


例えば広島原爆ドーム
知覧の特攻隊平和祈念館
沖縄のひめゆりの塔

旅行業に携わるようになってからですが
これらの戦争遺跡は極力避けて行程を組みました

それはお客様の世代からして戦前生まれの方も多く
せっかく楽しい旅に出て、悲しい過去を思い出したくない、
そんなご要望もあって必ず行程からはずすように心がけていました

ところが鹿児島は知覧を訪ねた際、
少し余った時間でどこかお勧めはないかと尋ねたところ
「せっかくここまで来られたのでしたら、ぜひ知覧特攻隊平和記念館へ」
先ほどまで物静かっだった地元のタクシー運転手さん
語気を強めて勧められました

悩んだ末
お客様に相談して訪問しました

数時間後、皆さん目を赤くはらして出てこられました
私も仕事を忘れ号泣

先ほどまで初がつおに舌鼓
笑顔が絶えなかった皆さんの表情が一変、重苦しくブルー
添乗員としてやはり判断ミスかと思った矢先

「行程外でしたが思いがけずここに立ち寄ってくれてありがとう」
「もし最初から行程にあれば、拒否していたかも・・・」とお客様

観光=楽しい
・・・・ではありません(もちろん私的考えですが)

その土地だから感じられる歴史・文化・風土
戦争遺産は決して楽しいものではありません、でも

やはり避けてはいけない歴史の一部

毎年この夏の日、わずか二日だけ、戦争を考える私
でもそんな私が氾濫する日本が現実、では?

だとしたら、たとえテーマに合わずとも
平和な一日の中で、その遺跡をたずねることは
とても大切なことなのではないでしょうか

旅とはいろんな要素があり、結局は、何かを「知る」ためのひとつの手段なのだと思います

今日は広島に原爆が投下され64年目の夏でした


****************************************
貸切バス・オーダメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com
■銀ステ旅先案内人:http://ameblo.jp/arailuka
****************************************

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする