もしもあの時…

「パリ、オペラ座のすべて」
始まりは、１本のフランス映画でした。

今日、銀のステッキ旅行から初めてとなる
ヨーロッパへの旅が出発しました。

行く先は、…「花の都」パリ！


――さかのぼること2ヶ月。
昨年12月の上旬、金曜日のことでした。

今日からルミナリエという華やぎの神戸で
フランス映画「パリ、オペラ座のすべて」鑑賞会を開きました。

午後、元町に集まっていただき、会場の映画館へ。
映画が終わったら、シャンゼリゼ通りを思わせるカフェでティー・タイム。

そのご案内に、私が行く予定でした。

仕事とはいえ、観たかった映画です。
いつもよりちょっとキレイな服を着て、朝、家を出ました。

その日はちょうど、担当している毎月の旅便りの発送日。
原稿を仕上げて、印刷し、発送するという大仕事が残っていました。

が、
それはまぁ段取りつけて皆に任せて、
映画会が終わってから事務所に戻って作業に合流するとして…

そんな心づもりで午前中、原稿を進め、
そろそろ午後の映画会に出かけようかというとき、
トラブルが発生しました。

印刷機です。

なんでよりによってこんなときに…！！！

お便りの発送日はずらせません。
なんとか今日中に印刷、そして発送しなければなりません。

少し早めに神戸に出てランチでも…と思っていたのが一転、
映画会のお供は泣く泣くゆずり
タウンページで印刷会社を探すはめに（涙）。

「今日中に印刷してほしいんです。はい、Ａ３用紙を3000枚…あ、ムリ？」

Ａ３用紙、そして今日中というのがネックで断られ、断られ、断られ、
…そしてようやく十何件目かに「やりましょう」と言ってくださる所が見つかりました。

――１時間後。
私、ジャッカジャッカと工場で印刷機を回しておりました。
いつもよりちょっとキレイな服を着て。

代わりに映画会に行った先輩、鑑賞後のティー・タイムで

「巴里に行きたいわ」
「行きますか」

と話がまとまり、いまや機上の人です。

もしもあの時、印刷トラブルがなければ、今頃は私が…
いえ、ヤメましょう。

一夜明ければ、あのステッキ爺さんの旗が
シャンゼリゼ通りを闊歩しているはず。

ステッキ爺さんのパリ旅立ちを祝して、
節分の日本で乾杯です。


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