銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

屋久島は聖地じゃない?

2013年11月04日 | Hの生きる喜び、それは
誰にでも、自分にとって聖域となっている
特別な場所ってあると思います
できればそっとしておきたい
それはもちろん自分も含めて

私にとってのその場所は、屋久島でした
屋久島の、白谷雲水峡の奥部「苔むす森」が
まさにそのポイントです

10年ほど前に一度行ったきり

その時は、訳も分からず、ただ逃げるように
屋久島へ行きました

その頃の私は、山歩きなんてしたことありません
だから、自然に全く興味なし
旅行だって、別に趣味じゃありません
人と関わるのも、ダメ
遠くへ行きたくて
本当に、ただ、逃げてきただけでした

そこで出会ったのが白谷雲水峡の森
そこには、普段生活している中では感じられない
自然の生の営みがあったのです

しっとりと雨にぬれて、森がきらきらと輝き
強く生きる動物たちの姿があり
倒木の上に、再生する屋久杉の命があり
天の恵みが、清冽な水の流れを生み出しており
大地や森が自分を包み込んでくれているかのようなあたたかさがあり

川岸にある岩の上にごろんと寝転び
しばらく目をつむっていました
水や、森や、風の音が耳に心地よく響いてきます
大地の温もりが肌を伝わってきます
太陽のひかりが全てを照らし出します

「生きてる」

月並みな感情かもしれませんが、そう強く感じたのです
単純過ぎるやろと笑われそう

その後は、心のもやもやが
洗い流されたようにスッキリ爽快
何かがふっきれたようでした

前職を辞め、今の旅行業界の仕事に就くきっかけが
この屋久島の森で一日でした
おいおい、またまた単純すぎるやろと
呆れられそう

ですが、私にとって、屋久島は大切な大切な場所
原点があそこにあります

言いようによっては
薄っぺらい人生のちっぽけな出来事のひとつ
でも私にとってはそうではありません

複雑な思いでしたが、屋久島の添乗が決まり、
あの時の感情をたどるように行ってきました

屋久島空港に降り立った時から
あの南の島特有のねっとりと肌にまとわりつく空気で
思い出しました

幸か不幸か
白谷雲水峡では、体力の度合いによって2グループに
分かれてハイキング

ガイドさん2名が奥部まで
私がショートコースを案内することになりました

変ですが、ある意味 ほっ・・・としました
あのポイントに皆さんと一緒に行く
ということが、やはり少し抵抗があったのです
自分の感情を押しつけてしまいそうで
いや本当は・・・

下山して来られた皆さまは
達成感に満ちあふれ、清々しい顔つきでした

「そうでしょう、そうでしょう
 屋久島、良いところでしょう
 白谷雲水峡、すばらしいでしょう」

私は心の中でにんまり
勝手に白谷雲水峡を自分の森のように思い込み
ひとり悦に入っていました

あの場所は、また再び私の中で扉を閉めて
どうしても となった時までそっとしておこうと思います

恥ずかしさを感じながら、山のガイドさんに自分の体験談を話すと

「みなさん屋久島にすごく期待してこられるけど、
屋久島を聖地にはしてほしくないんです。

なぜなら、屋久島の自然というのは、
かつて日本のどこにでもあったものだから。

たまたまそれが屋久島に残されていただけです。

川の水はどこでもおいしく飲めたはず。
この屋久島の川が、あなたの家の近くに流れている
川のかつての姿です」

屋久島聖地否定論?が出たところで
私の体験はやはり、
薄っぺらい人生のちっぽけな出来事、
ということになりました・・

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