goo blog サービス終了のお知らせ 

銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

旅の力は微力、でも

2016年05月05日 | 見かけだおしNのつぶやき

初めて、天災による観光業の影響を感じたのは、

私が旅行業について、5年ほどたった時でしょうか。

自身が企画した、能登の桜ツアーが出発間近となったとき、

能登半島を襲った大きな地震。

あっけないほど、ツアーはすぐに中止となりました。

キャンセルの電話が相次いだからです。

 

私は、急ぎ、能登へ向かいました。

なんでしょう、すごく突き動かされるような気持ちがありました。

そして、ブルーシートに覆われた民家を横目に、ツアーで宿泊する予定にしていた

和倉温泉のホテルを訪ねました。

普段は、にぎわうフロントも閑散として、

そして、ひどく歓迎されたことを思い出します。

 

結局、当初より人数は少なくなったものの、

下見の結果を報告して、ぜひ、観光をして復興のお手伝いを!を合言葉に

お客さまと能登を再訪しました。

人気のない土産店では、涙ぐむ方もあって、どこでも大歓迎。

ローカル列車の車内には、地域の子どもたちがクレヨンで書いた

「頑張ろう!」の張り紙が。

観光客の我々は、「ああ、やっぱり思い切って訪ねてよかったね」となったのです。

 

その旅の記憶がずっと心にありました。

 

そして、その後に起こる幾たびもの天災で、旅に出ることが難しくなった場合も、

いつも「観光事業は復興につながる」と思って行動していました。

 

その考えに変化があったのは、実は最近のことです。

阪神大震災の20年目という節目に、

神戸の防災センターを訪ねた時のことです。

 

早朝、まだ冬の暗い朝、突然訪れた大震災。

その体感がリアルにできる施設があります。

たとえるなら、テーマパークのアトラクションの様な施設です。

当時と同じ震度の揺れを暗闇で体感するのですが、

誰一人、不謹慎な喜鳴はあげず、

ぐぐっとこらえるようなくぐもった声が聞こえるだけでした。

 

私は、そのあまりに忠実に再現された映像、および揺れに、

一瞬であの日に呼びも出され、そして涙がとまらなくなりました。

怖い。

 

そのとき、やっと気が付いたことがあったのです。

恥ずかしながら、やっとです。

 

「観光と復興は繋がっている」

それは、今も信じています。

 

でも、多くの方が、震災の経験者であるなか、

「あの体験を二度としたくない」

そんな気持ちの方がたくさんおられるということを置き去りにしていました。

 

私たちは、やはり旅行会社ですので、

皆さんに、安心してお出かけいただく、ことが最優先です。

現地情報を確認して、観光することが導線上問題ないと判断すれば

ツアーを催行します。

でも、これは導線上。

感情は、別。

 

そのことを知って、

でも、旅行会社だからこそ、やっぱりできることもあって。

銀のステッキ旅行では、「旅の力は微力、でも」

今後も、その考えは変わることなく、そして決して押し付けることなく、

皆さまに旅を提案していきたいと思っています。

 

またふたたび九州の地へ、皆さまをお連れする日を願うばかりです。

 *******************************
ゴールデンウィーク中はカレンダー通りの営業です。
土日祝日はお休みをいただいております。

メールにて24時間受付中!

*********************************

バス旅行、オーダメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■銀のステッキは会員制の「旅サロン」を主催しています。
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com 
**********************************

 

 

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする