フィンランドの添乗に出る前、担当者がオーロラより何より一番心配していたこと
それは、この時期フィンランドは「極夜(きょくや)」であるということ、でした
「極夜」とは、「白夜(びゃくや)」の逆、つまり
太陽が地平線より上がらないこと
フィンランド独立記念日(12/6)の前夜に沈んだ太陽は、そのまま1ヶ月間、
地上に現れることはありません
私も最初「極夜」と聞いた時は、ちょっと焦りました
昼間アクティビティができるのか、
一日中、真っ暗でも人は正常でいられるのか?
そもそも陽が昇らないのに、私は朝起きられるのか!?
オーロラが出るかどうかの心配だけでもう十分なのに、
極夜の心配なんて、もう無理!と心の中で叫びながら出発しました
が、極夜といっても、フィンランドは一日中闇の中かというと、
いいえ、そんなことはありませんでした
昼間は青白く幻想的、太陽が地平線すれすれに近づくときは
桃色の朝焼けと夕焼けに包まれるのです
その景色は、北極圏のイナリに到着した時、
お客様が「こんなオーロラがあってもいいね」と思えるほど美しいものでした
(イヴァロ空港にて。朝11:00頃)
朝でも、昼でも、夜でもない時間、
昨日と、今日と、明日の境目にいるような不思議な感覚
ここフィンランドでは、太陽だって冬の眠りにつくのでしょう
ピーンと張りつめた空気
何の音もしない
極夜では、何もかもが静止している
地表を覆う、雪の輝く白
地平線と空の間のやわらかい桃色
青、紫、グレー、、心が穏やかになる色ばかりが世界を覆う
そして、昼間があいまいだからこそ、
暗闇に包まれる夜こそ、雪はまばゆいばかりに白く輝き
そして、あの壮大なオーロラが空を覆い、私たちに光を届けてくれるのです
だからこそ、今回見たオーロラは、あんなにも美しかったのです
私たちはみな、極夜の魔法にかかっていたのでした
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