雪の怖さを最初に知ったのは、多分、ドラマ「北の国から」
ほら、生意気盛りの純への戒め?
車が雪で埋まってしまうシーンあったでしょう。
でも、それは所詮テレビでの話。
実感したのは大人になってから。
北陸能登へ車で旅した時。
雪に見舞われ、日本海育ちの私は、慣れたもんと
強気だったのは、ほんのわずかな時間だったはず。
雪の怖さより、ハンドルが効かない怖さが正しいかな。
ズルズルと、こちらの意に反して、
ゆっくりと車が、白いけもの道へ下っていった時ですね。
道がない。
ハンドルが効かない。
その時、私、どうしたと思います。
あまりもの怖さに、ハンドルから手を放ち、両手を合わせました。
ズズズ。
車が、雪の言いなりになるのを、ただ傍観したのです。
多分、驚愕のあまり固まったのでしょうけど。
雪と死はイコールになることを体感した瞬間です。
雪は怖い。
それだけは、十分知っている。
で?抜擢された今回の新潟ツアーの添乗。
ここ数日の報道の通り、どんぴ悪天候に見舞われました。
最終日の飛行機は飛ばないかも、
その場合は、新幹線か、
中日の行程も変更か、
と、ここまでは、想定内。
結構、どんと構えての楽観的出発でした。
お客様の、お気遣いトークにも助けられました。
吹雪く道中、こちらの心中をおもんばかってか、
「この際、もう一泊しようよ〜」
優しいお客様、ありがとうございます、と。
案外本気で仰る方もあって、、、
(いやいや、最後は私一人で帰りますよ)
さて、そんな中、私の心配ごとは初日から別にありました。
「私の宿泊場所、大丈夫なの?」
ええ、自分のことでした。
今回は、ちょっと気取った宿のお泊りツアー。
部屋数も少なく、添乗員は、残念ながら別宿手配。
出発前に、手配したスタッフに、
「そこまで歩ける距離なん?」
大丈夫ですよ、ネットで距離見たら徒歩圏内です。
しかもNさんの好きそうな秘湯の宿ですよ!
「ふーん」
最悪は、タクシー呼んでください。
「ふーん、って、アホか!」
現地のタクシー運転手に尋ねると、
「そうね、お姉さんだったら確実に死ぬね」
お姉さん、いえ、この際、そこに浮かれている場合でもなく。
そうなんです、添乗員用に手配された宿。
お客様が宿泊される場所から、
到着日、すでに「けもの道」化してました。
いえ、獣も一匹も出ることない、雪に覆われた道なきみち。
「誰が、たかがワンメーターのために
この最悪の山ん中に迎いに来るねん!
そんな奇特なタクシー会社があるわけないやん!!」
これは大声上げての独り言。
はい、ありませんでした。
そこからは、色々ありまして、、、
結論は、お客様に無理をお願いして、
相部屋にしていただいたのです。
本当にありがとうございました。
まさに、宿へ入る前に
実は・・・とお話ししたところ、そのお客様、
「この状況下で添乗員さんが宿にいないなんて、
皆さんも不安じゃない。私も居て欲しいわ」
悪路、ホテルまで送迎してくださったドライバーさん。
「俺らドライバーやガイドが別宿はわかる、
でも添乗員さんは、なんかあった時のためにあるんやから
絶対、お客様の側は離れたらアカンよ!」
雪国の人の言葉として、身に染み入りました。
何かがあることが常の、自然の脅威と生活が表裏一体。
そこに暮らす方からの重い一言でした。
添乗員の仕事、肝心なこと忘れていたのかも、私。
現地でも稀にみる大雪に見舞われた、今回の新潟の旅。
とっさに何ができるのか、
ここに暮らす人は、その問いへ、挑みの繰り返しなのでしょう。
私、まだまだなぁ、それがわかっただけでも
まあ良しとしましょうか。
とにかく、ご参加いただいた皆さま、
何事も笑いに変えて、盛り上げていただき、
お礼申し上げます!
雪って、でも、魅かれてしまいます。
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