奈良は深い
歴史も、文化も、そして何より私自身の思い入れも
奈良の物語なら、奈良のツアーなら、無限に広げられる気がします
でも、なかなか出来ないのは、自分がその深さに全く近づけていないから
だからこそ、少しでも近づこうと、ふと訪ねたくなるのが奈良です
先日訪ねたのは「山の辺の道」
日本書紀に登場する、日本最古の古道と言われています
たわわに実をつけた柿の木、その向こうに見える古墳、
遥か向こうには、二上山
(檜原神社の鳥居奥には、二上山が見えます)
家並みと電柱を除けば、ここから眺める風景は万葉の時代とそれほど変わっていないんじゃ
ないかと思えるほど、のどかです
カラスが集団で大空を舞っていました
「カラスって、あんなのびのびと飛ぶんやね
きっと、空が広いから自由に飛べるのかもね」と、お客様
高い建物などいっさいなくて、空がとても広いのです
今でこそ、有名になった山の辺の道は
海外からのハイカーも多く、しょっちゅう人とすれ違いますが、
野辺に咲く小さな花や、木から木へと飛ぶ鳥たちは
古代からずっと変わらないのかもしれません
奈良の風景を撮り続けた写真家の入江泰吉先生も
山の辺の道を好んで撮影したそうで、多くの作品を残しています
実りの秋らしく、畦道沿いには無人販売が次から次へと現れて
大盛りの柿100円、みかんどっさり100円、
花梨に大根に人参に、何でもたっぷり入って100円
歩く人を思ってでしょうか、つきたての大福餅も販売
その都度、ぱーっと顔が明るくなる皆さん
これは、さすがに古代にはなかったでしょうが、
あれば嬉しい現代のおもてなし
天理の長岳寺から、桜井の大神神社まで、たっぷり6km
2時間ちょっと、古代への時間旅行でした
(大神神社の拝殿。本殿はありません。三輪山がご神体です)
やっぱり、いいなあ、この渋み
そしてこんな時、決まって、帰って読む本は、
元奈良博の学芸部長、西山厚先生が書かれた「語り出す奈良118の物語」
とても良い本なんです
おわりには
「奈良にはたくさんの物語がある。悩み苦しみ、傷つき悲しみながらも、
精一杯の人生を送った人々が生み出した物語。
聖武天皇の苦しみが大仏を生み、光明皇后の悲しみが正倉院宝物を生んだ。
幼くして母を亡くした鎌倉時代の叡尊は、その悲しみを力に変えた。
苦しみや悲しみからしか生まれてこないものがある。
苦しみや悲しみが、やがてやすらぎや大きな喜びを生み出していく不思議。
歴史は終わってしまったものではない。
過ぎ去ってはいない。
今につながり、私につながり、明日につながっている。
だから奈良は古くて新しい。
奈良の物語を語ろう。」
〈西山厚『語り出す奈良118の物語』(ウェッジ2015年)〉
古くて新しい奈良を、これからも追い続けていきたいと思います
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