インドはマドゥライのホテルでのこと。
お客様が、手招きして
「これ、どう思う?」
ホテルに併設するショップで、
手に取られていたのは、鈍いブルーをたたえた
ラピスラズリの象の置物でした。
あっ。
思わず声を上げました。
だって、、、、
「ちょっと予算オーバーだから、こっちの象にしようかと?」
指差された象は、木彫りで、それなりに魅了的ですが、
北海道にも売っていそうなもの。(え?)
すでに、私何ぞに相談される時点で、
お客様の買いたいモノ(方)は決まっています。
あとは後押しだけなんですが。
金額が大きく異なるので、躊躇、、、なんて、もちろんしません!
お客様が望むとおり、ドンと背を押しました。
お客様は、ホッしたように
「やっぱり、あなたならそう言うと思った」と。
いや、違うんだな
「そう言わせた」が正しいのでしょう。
でも、今回は少し私勝手なノスタルジーもあってのこと。
私が初めてインドに行ったとき。
素敵な女性に会いました。
確か、私の1つ、2つ上だったかな。
ハタチそこらだから、当時は、この年の差は、結構大きかったのです。
この人が、とっても美人で、スッピンで、無駄がないしゃべり、
そして、これ見よがしのザックなんか持たず、
ズタブクロで、インドを周っていると言うじゃないですか。
何よりも、
押し寄せる物乞いへの対応が、あっけらかん。
誰もが陥る、正義感への自己弁明の嫌悪感。
ああ、こうすればいいのか、私には一生できない所作、
感動さえ覚えた彼女の対応に、
旅の後半、いま思えば些細な葛藤に苦しむのも若気としても、
あの頃は、自分は結構いい人と思っていたので、
諸々覆される日々に、ふらふらになっていたわけで、
そこに、現れた、べっぴんさん。
素の透明さというのでしょうか、原石に優るもはない。
善人を気取っていても、
ここインドでは、すっかり皮が剥がされるっていう感覚ですよ。
そのべっぴんさんが、細く白い首にぶら下げていたのが
ラピスラズリの石でした。
ちょうしんばって、ザック背負って、
なんか人とは違うこと、してます感に酔って、
インドに出たものの、
押し寄せる傍若無人の圧にアップアップの時に、
まあ出会った楚々と綺麗な人。
アドレスも交換したはずなのに、すっかり会うこともなく、
長い時が過ぎました。
「インドで買ったんよ。これ綺麗でしょう」
そして、私も手に入れようと思ったものの、
出会いとは、何事も、絶対ではないのですよね。
欲しい、手に入れたいと思った途端、全く縁がなく、離れていくもの?
結局、私には縁がなく、
でも、その美しい人と、純粋たる石のブルーが相まって、
私にとってラピスラズリは、記憶の断片に残る
インドのキーワードでした。
すっかり忘れていました。
久しぶりに、耳にしたラピスラズリ。
お客様、ごめんなさい。
それが、狸でも鼠でも、、、ちょっと高額でも、
私は、やっぱりこっちをお勧めしたでしょう。
淡いノスタルジーだけではないです、
出会いって、結局のところ一度きりですもんね。
って、お客様が一番ご存知でしょうが。
ラピスラズリの原石ブルーを求めて、
次は、ウズベキスタンです。
目が覚めるようシルクロードの「青」を訪ねます。
今度は、出会えるでしょうか、
あの美しい、いえ、優しい人に。
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ウズベキスタンの説明会
日時 2/13(水) 10:30
会場 銀のステッキ事務所
冷やかし歓迎です!ふふふ。
ぜひ、ご参加ください。
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〈2月のおすすめツアーのご紹介です〉
・2/12(火) 草間彌生展と、MOTOIのフレンチ
・2/22(金) 岩津ねぎと田舎の巻き寿司
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