激震に見舞われた今年も終わろうとしています。
できごとに善し悪しの色をつけるのは人の常です。今、社会に起きているのは必ずしも悪いことばかりではなく、またそうだとしても過去からの必然ともいえます。
派遣社員の問題も、景気の良い時期「企業に縛られたくない」「好きな時だけ働きたい」という人々の声で支持された時代もありました。しかし物事は常に２つの面を持っていて、今は負の面が大きくクローズアップされているところです。
エコの問題も、買い物袋の持参、地産地消、無駄をださないなどなど、結局私が子供の頃の時代に戻った様な気がします。簡単便利、利己主義が行き着くところまで行き着いて、今はいろいろ見直すよい機会なのでしょう。だからといってひたすら昔に回帰すればいいというものでもありません。
伝統を守るということは漫然と過去の方法にすがるのではなく、本質を守りつつ、新たな時代に適応し、よりよい形で次世代に残すことをいうのではないでしょうか。
いろいろ考えることの多い年の瀬、どうぞ良いお年をお迎え下さい。
「人と人って相性だと思うんですよね」年若い友人が言いました。
確かにその通り。でも人は自分が嫌いな人間は「悪い奴」になりがちで、その人を悪く言ったりします。
「自分が嫌い」と「人にとって悪い」は別問題。これは気をつけなければいけません。
最近何でもランキングしたり口コミを公表するのが流行のようですが、「好み」のランキングはあまり意味がないように思え、それに振り回されるのは、自分の考えがないともいえます。
不景気で例年の賑わいのないクリスマスのようですが、時には静かに自分を見直すのも悪くないのではないでしょうか。
ヴィスヘルム・ハンマースホイ展に行きたくて、他の所用と合わせて上京しました。美術展は独特の雰囲気で、好き嫌いが分かれそうですが、私はとても心洗われる気分でした。部屋の中に人を描いているのに、その部屋が誰もいない時より静けさを増しているような、不思議な雰囲気でした。
その後友人の見繕ってくれたお店で美味しい和食のお料理をいただき、〆の牡蠣ご飯が最高でした。やはり究極のもてなしは、友人をもてなすときの気持ちが大切ですね。改めて大事なことを見直した気分です。
