運動会のシーズンになると運動の苦手な子供たちの憂鬱な声が聞こえてくる。しかも、クラス対抗となると自分が足を引っ張り、クラスメートから無言の非難を浴びるのが耐えられないという。
もちろん見るだけだが、私はバイアスロンという競技が好きだ。雪上をより速くスキーで走る「動」と射撃という「静」を組み合わせた難しい競技であり、採点競技の後味の悪さもなく、死力を尽くして競技を終えた選手同士がたたえ合う様子がすがすがしい。
これをヒントに運動が得意な子と苦手な子が協力しあえる競技を考えてみた。
国語、数学、英語などの3択問題を用意する。(もちろん他の内容でも)第1走者はその問題を持って第2走者に渡す。第2走者はその中の一つを選んで解答し、答えとともに第3走者に渡す。第3走者はそのまま第4走者に渡し、第4走者は問題を解いて、次の走者へと・・・と問題を解く人とひたすら走る人に分けてつないでいく。もちろん速ければ良いというものではなく、バイアスロンのように正答率を加味して得点をだすのだから、勝ち負けの原因が個人に帰することもないし、見ている方もおもしろい。
こうすれば、いろいろな能力を組み合わせて力を合わせることを学べるし、他のクラスの解答する問題を作る作業も生徒に任せれば、勉強にも身が入る。誰をどの走者にするか皆で戦略を練ることにより、多様な能力を認め合い組み合わせることを学ぶ運動会になるのではないだろうか。