謹賀新年
若者が何を残して生きるべきかを探しに旅にでました
最初に会った金持ちは「人生は金だ。金を残せ」と言いまし
たが、子孫には争いが絶えず、人も財産も消え失せました。
次に、民衆が取り巻く人に会い、彼は「名を残せ。名は減ら
ない」と力説しましたがその名は歳月に洗われ忘却されました
ある晩、焚き火を囲み、一人の老人と語り合う人々をみかけ
た若者が「何を残せばいいのでしょうか」と問うと、老人は
炎のような眼差しを向け「良き人を」と静かにつぶやきました
翌朝若者が目覚めると、小さな種を掌に握っていました。
故郷へ帰り「名もなき人」にもらった種を蒔くと大きな樹が繁
り、豊かな果実をもたらしました。大樹は枝々に遊ぶ子供を抱き
彼らに滋養を与え、大切な教えを語り、育みました
金を残すのは三流、名を残すのは二流、人を残すのは
一流、豊かな自然を残すのは超一流。
国を導く人は超一流でありたいものです。 2016年 元旦