オリンピックも後半に入ると、あまり好きな競技がありません。採点競技は、心の底から勝者をたたえにくいので、やはり互いに健闘をたたえ合う競技が好きで、中でも一番好きなのがバイアスロンです。
クロスカントリーをしながら途中、伏射・立射それぞれの姿勢で5発射撃をしてタイムを競う競技で、弾む息を整え(というかほぼ止めながら)射撃をし、1発外すごとに150m余分に走るペナルティー(これぞ罰ゲーム!!)が課せられます。現在の標的までの距離は50mですが、札幌オリンピックの頃は150mだったとか・・
選手は他人のことなどかまうゆとりはなくひたすら競技に集中します。ゴールする姿は「こんなこと2度とやるものか」と固く誓っているのではないかとさえ思わせるほど過酷な競技です。でも、その分選手同士は心の底から健闘をたたえ合っているようにみえます。
唯一の例外は劇画の主人公ゴルゴ13くらいでしょう。彼なら当然射をはずすことなくコースをあっという間に回り、次の選手がゴールするまで涼しい顔で葉巻をふかし(会場は禁煙でしょうか?)ながら熱いコーヒーを飲み終わり「遅い・・」などとつぶやいていると思います。
世界にもめ事が減り、彼への依頼がオリンピック出場くらいしかなくなったときこそ、真の平和の祭典となることでしょう。
滑降で2位だったアクセル・スビンダル選手が大回転で優勝しました。15選手が棄権した、あえて水をまいてアイスバーンにした難コース(信じられない!!)を、危険を予知する動体視力を武器に見事に攻略したそうです。過去の大事故を乗り越えてそれをもとに他の人にはもてない能力を身につけた努力が素晴らしいと思います。一見失敗や不幸に見えることも、それを生かすが生かさないかによって歩く道が違ってくるのでしょう。
昼食を食べながら、話題のスノーポードをみました。結果は、予想通りでした。スノーボードには詳しくないのですが、優勝したS・ホワイト選手はこの競技のために生まれてきた人のようです。人は多かれ少なかれ誰でも「あるもの」のために生まれてきて、それが「天職」につながるのだと思います。特に若い人達は、いろいろな情報に惑わされず、自分を良くみつめて「あるもの」を探して欲しいと思います。
でも、あの競技は技の名前が、コークとかダブルマックツイストとか、ハンバーガーショップの宣伝みたいですね(笑)
アルペンのアクセル・スビンダル選手を応援していたのですが惜しくも2位でした。彼の特集番組を見たのですが、かつて競技中に転倒し重傷を負った(時速150kmで滑り降りるあの競技で転倒したら、命あっての物だねと思わねばなりません)アクセル選手は、様々な努力で恐怖を克服し、事故にあったスキー場で見事ワールドカップ優勝を遂げてカムバックしたのです。彼の脳内を調べた結果、約2分半の間一度しかまばたきをせずに、脳の頭頂葉に視覚情報を送っていたことが判ったそうです。彼がこの事実を意識したらどうなるかちょっと興味がありました。2位という結果に因果関係があるかどうか判りませんが、人生には案外知らない方がいいこともあるのかな・・と思ったりもします。