啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「シラネアオイ」

2011-06-19 08:51:43 | 山野草

緑の葉と気品を感じさせる淡い紫の花。白い花が好きな私だが、この花は好きな花の2番目にランクされるかもしれない。尾瀬行きの予定があり、自生している姿を撮りたいと思っていたが、ルートが変わったため変更。六合村の野反湖北面にある育成群生地のものを掲載した。7-8年前に、地元の中学生が先頭に立って回復に努めているというこの花(群落)を見たが、今では当時の数倍の大群落に育っていた。

「シラネアオイ」はキンポウゲ科の多年草。日本固有の種で1種1属を構成。最近ではシラネアオイ科として扱うケースが増えているという。花がタチアオイに似ており、日光白根山で発見された(自生が多い?)のでこの名が付いている。4枚の薄紫の花弁に見える部分は実はガク片が発達したもの。花弁は無いのだそうだ。

優雅な姿から“山芙蓉”“春芙蓉”の別名もあると言う。そういえば、葵と言うより“芙蓉”に似ている。本当に自生している個体を見たことは2回しかない。尾瀬と苗場山への登山道で神楽峰付近。ほんの数株しか咲いていない。昨年、日光白根山にこの花を見に行ったが“遅いよ。雪融け直後でないと・・”と笑われた。本場の白根山でも鹿の食害から守るため、厳重に張り巡らされた鉄条網で守られて育っている。

草津温泉の東。六合村の深い山の中で、野反湖の北側ー八間山の南側斜面でシラネアオイは大群落を構成している。よほど生育環境が適合したのだろう。

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「シライトソウ」と「コウホネ」

2011-06-18 09:05:57 | 山野草

「シライトソウ」はユリ科の多年草。山地の林内や谷沿いなどで春に咲く。どこかで見たような気がするが、花の名前を知って余計に可愛くなったような気がした。ロゼッタ状の葉から20-30センチほどの花茎を伸ばし、10センチほどのブラシ状に白く細い花をつけている。

「コウホネ」は水の中に育つスイレン科の多年草。スイレンとクワイの中間のような感じ。葉の大きさや枚数の割りに花は小振りで、花径で2-3センチの黄色い花を一つつけている。濃い緑の葉や水の色に黄色が映えて印象的に映る。根が白色で大きくなると骨のように見えることからこの名が付いたと説明されていた。

根茎は“川骨(”センコツ)”と呼ばれる生薬になる。止血剤や浄血剤、強壮剤などとして使われると言う。

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アヤメ平の「チングルマ」と「ショウジョウバカマ」

2011-06-17 09:07:28 | 山野草

高山植物の定義を問われたら、何と答えれば良いのだろうか。ここで、キチンと調べてみないのが私らしいころで、ネットを開いていたら偶然“森林限界より高い高山帯に自生する植物”と言う趣旨の書き込みがあった。判りやすいので、私もこのように覚えておこう。ただし「亜高山帯を含む」となると結局わかりにくいのだが・・。

「チングルマ」はバラ科の落葉小低木。丈が10センチ程度で低く、1センチ弱の小さな白い花をつけ、夏にはヒゲ状の毛が目立つ実をつける。高い山に行くとあちこちで見かける。草本ではなく、木であることは知っていた。調べてみて、バラ科だったので驚いたが、葉の形を見ると納得する。高山植物。

尾瀬でチングルマ?と言うことになるが、まだ雪が融けたばかりで芽生えの少ないアヤメ平。ショウジョウバカマとミズバショウ、木道近くに数輪咲いていたこの花しかなかっただけにやけに可愛い。花弁の先が尖っており、一般的な写真と異なるが、今咲き始めたたばかりの初々しい姿と想像してください。

「ショウジョウバカマ」はユリ科の多年草。トキの島で撮ったものを掲載済み。アヤメ平ではミズバショウではなく、春一番を飾る主役はこの花。湿原から伸ばした花茎についた薄赤紫の花に、尾瀬らしい気品?を感じた。

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「コンロンソウ」「ツルキンバイ?」

2011-06-16 08:56:52 | 山野草

写真は撮ったものの、種の確定が難しく、グズグズしているうちに忘れてしまうケースもある。花の多い時期にはそうなりがち。西上州の白髪岩に向かうスーパー林道沿いの湿った場所に咲いたいたのがコンロンソウ。白髪岩への登山口から入って直ぐの、雑木林に咲いていたのが私なりに“ツルキンバイ”とした黄色の花。ヘビイチゴにキジムシロなど似たような種が多く、未だに自信が無いのである。

「コンロンソウ」はアブラナ科の多年草。この花もミツバ、ヒロハ、マルバと仲間が多く特定が大変。数年前、栃木県の粟野から足尾に抜ける峠道で写真を撮り、調べたことで知っていた。また、今年は“ヒロハ”タイプを当ブログで掲載しており、その際に確認していたのでそれほど迷わなかった。

それより、湿った場所に小さく群生していたとはいえ、雪が少なく乾燥する西上州の山で見つけるとは思っていなかった。

「ツルキンバイ」はバラ科の小型の多年草。似たような花が多く見分けが付かない。ネット上で御荷鉾山に咲く花として“オニヘビイチゴ”と紹介しているものもあった。「ツルキンバイとミツバツチグリの見分け方が難しい」と言う意見も・・。草丈が低く、黄色で1センチ弱の五弁の花、ノコギリ状の葉など皆似たような状況にある。

写真では確認しにくいが“ツルを出していること”や自生している環境などからツルキンバイと決めてしまった。間違っていたら、ご指摘を頂きたく何卒よろしく。

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尾瀬「アヤメ平」とミズバショウ

2011-06-15 08:50:44 | 低山歩き

ここ数年、毎年一回は「アヤメ平」(1969メートル)を訪ねている。混雑する尾瀬ヶ原を避けるのが最大の理由。静かさと至仏山、燧ケ岳の絶景が最大の楽しみ。14日に高校時代からの友人2人と“霧、雨、好天”と変化の激しいアヤメ平を楽しんだ。

神奈川、埼玉に住む友人との日帰りの尾瀬。鳩待峠からの尾瀬ヶ原往復を予定していた。尾瀬は5回目と言うH氏もおり、鳩待峠で目的地をアヤメ平に変更。「峠から平らな木道をミズバショウに囲まれながら歩く」とイメージしていたS氏もいたが、若い頃には北アルプスの経験も会あるという。霧と小雨の中、泥だらけの登りをスタートした。

残雪は予想外に少なかったが、木道に残っているところがあり、濡れた木道は滑って歩きにくい。途中から雨が強まり最悪のパターン。展望が効かないとアヤメ平へのコース選択は非難を浴びる!途中、雨具をつけるため少し休んだが、のんびりと横田代の湿原に出るまで2時間半程度で歩いた。少しだけだがミズバショウも咲いており、ようやく尾瀬らしい雰囲気。

湿原はまだ春になったばかりで、ショウジョウバカマとミズバショウ以外の花は見当たらない。チングルマが数輪さいていた。中ノ原を過ぎた辺りのベンチで昼食をとる。かなり寒かった。昼食が終わる頃になると天候が急に回復。燧ケ岳や至仏山の雄大な姿、会津方面や奥日光方面など遠景も楽しむことができた。

横田代辺りから至仏山



ミズバショウも咲き始めで可愛い姿をキープ。
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「ツクバネソウ」

2011-06-14 06:15:11 | 山野草

奇妙な姿の植物で、花も美しくも可愛くも無いのだが何だか気にかかる。濃いグリーンの緑の葉に魅かれるのだろうか。

「ツクバネソウ」はユリ科の多年草。羽根突きの羽子に似た黒紫色の実をつけることからこの名が付いたという。実は私は、4枚に輪生する葉の形からこの名が付いたのだと思っていた。北海道から北陸にかけて自生するものは葉の幅が広い。中部から九州にかけては狭くなるのだと言う。

今日は友人と待ち合わせ尾瀬に。鳩待峠から沼に下る木道脇でもみかけるだろう。
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「ムラサキヤシオツツジ」

2011-06-13 08:22:56 | 山野草

湯の丸(長野県)や赤城ではレンゲツツジが咲き乱れている頃だろう。今週中にどちらかに出掛けてみたいもの。つつじの仲間は多く、アブラツツジからドウダンツツジなどこれからも咲き続けるが、私の中でのツツジシーズンはレンゲツツジで終わりとなる。レンゲの前、殆ど同じ頃に咲くのがシロヤシオツツジとムラサキヤシオツツジ。玉原の鹿俣山の山頂、熊笹に覆われた崖にひっそりとムラサキヤシオツツジが咲いているのを見つけた。

「ムラサキヤシオツツジ」はツツジ科の落葉低木。木の丈は1-3メートルと低い。別名でミヤマツツジと呼ばれるように深い山に咲く。濃い緑の葉が芽吹き始め、まだ葉を広げないうちに枝先に3-6個ぐらいの鮮やかな赤紫の花をつける。

漢字で表すと“紫八汐躑躅”。ヤシオ=八汐は8回も染料で染めると言う意味だそうだ。赤、白に紫と3種類のヤシオツツジがあるが、いずれも何回も染め抜いた透き通るような色彩を称えた名がついているのだろう。緑の中に浮かぶ透き通るような赤紫の花は強く印象に残る。

鹿俣山の山頂。北から東方面への展望が広がる。東南側は熊笹に覆われた急な崖が広がる。熊笹に掴まりながら笹を分けると鮮やかな赤紫のムラサキヤシオツツジ。体制を確保するのに苦労したが、ようやくこの写真を撮ることができた。撮った後で見渡すとムラサキヤシオの赤とオオカメノキの白い花がポツポツと浮かぶように咲いていた。玉原の湿原にもこのツツジは多いが、花のシーズンは終わりかけていた。
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「サンカヨウ」と鹿俣山

2011-06-12 08:46:44 | 山野草

今、あなたの一番好きな花は?と聞かれれば「サンカヨウ」と答えるだろう。広く大きな緑の葉に、可憐で真っ白な花が清らかだ。この花の写真を撮りたくて、沼田市の北西部にある玉原高原の鹿俣山(1637メートル)に登った。

「サンカヨウ」はメギ科の多年草。中部以北の湿った山地に自生する。草丈は30-60センチほどで大型。雪融け後の肥えて湿った土地に咲く。色の濃い緑の大きな葉の上に、小さくて純白の可愛い花を3-10個つける。漢字で表すと“山荷葉”となる。カヨウとは荷葉=ハスの花のことだそうで、山の中に咲くハスの花に例えたもののようだ。ハスの花とは様相が異なるが、大きな葉の上に浮かぶようにさく姿は美しい。

今までに、この花を探して尾瀬に2回(鳩待ちー尾瀬ヶ原、鳩待ちーアヤメ平ー富士見)行ったが、時期が悪かったことを第一の理由に、泊まった小屋の近くで“植えられたような形”で咲いているものしか写真に撮れなかった。昨年、鹿俣山で自生しているサンカヨウを見つけ感激した。

「鹿俣山」は玉原高原の北側、玉原スキー場の最奥のリフト降り場の先に山頂がある。玉原湿原のセンターハウス前に駐車。ブナ平の原生林を歩き、スキー場のゲレンデをジグザクに横切りながら高度を上げていく。

カッコーの鳴き声が“下に聞こえる”ようになった辺りにこの花が咲いている。昨年初めて見つけた時、熊笹のタケノコが美味しそうな時期だった。今年は、タケノコが伸びきっている。遅れてしまったかと思ったが、白い可憐な姿で待っていてくれた。

ブナ平付近までは、入山をためらうほどの霧がかかっていたが、この花に出会った後で気付くと、薄日が差し込んできた。

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2011-06-11 09:35:42 | 野鳥


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「クリンソウ」

2011-06-11 09:16:11 | 山野草

群馬県北西部の中之条町の方で“クリンソウの花が見頃となった”と地元紙が毎年記事にする。見に行ったことは無いが、結構人気が有り園芸用としても栽培されることが多い花のようだ。サクラソウの仲間では一番大きいのだと言う。育成されているものはたまに見かけるが、自生しているものを見たことが無い。この個体も赤城自然園で撮ったもの。

「クリンソウ」はサクラソウ科サクラソウ属の多年草。ロゼット上の葉はサクラソウより大きく、春にここからニョキッと2,30センチの花茎を伸ばし赤やピンク系の美しい花をだんだんに分けて咲かす。一般的には、改良された園芸種のほうが花や図体が大きく見事だが、この花は自生(本来の姿)しているものの方が見ごたえがある。

名は段々に咲く花の姿を、五重塔の先端にある九輪に見立てたものだそうだ。
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