啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「エビネ」

2011-06-10 09:17:05 | 山野草

この植物も絶滅危惧種2類に登録されている。ラン科の植物は花が美しいことから乱獲されるケースが多い。1週間ほど前、藤岡市民の憩の場“庚申山総合公園”の遊歩道沿いにラン仲間“キンラン”を一株見つけた。2日前、同じ場所を散歩した。カミさんが覚えていたその場所にキンランは無く、明らかに掘り起こしたことが判る盗掘の跡が残っていた。止めてください。写真のランも、キンランほどではないが、自生しているのを見かけるのが少なくなっている。

「エビネ」はラン科エビネ属の常緑多年草。図鑑によると、エビネ属は国内に20種ほど自生しているという。仲間同士で交配し、同一種でも花の色や形など変化に富むことからブームとなり乱獲(盗掘)が進んだのだという。私には、花が美しいと言うより“変わった花”と言う感じがする。この個体は赤城自然園内でのもの。トキの島の里山、野反湖の周辺などでも見かけた記憶がある。

地下の部分の根茎が連なって横に並んだ姿を海老に例えこの名がついているという。漢方では、その根の部分を煎じて飲むと解熱や扁桃腺炎に使うそうだ。
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「ウスバサイシン」

2011-06-09 00:23:55 | 山野草

自然観察員の話だが、赤城自然園(渋川市)は「30年をかけて作り出した自然」なのだそうだ。殆どの山野草が季節に同化した形で楽しめる。勉強になる場所だ。同行したカミさんに聞かれ“フタバアオイ”と教えた直後に、説明の札があり、そこに「ウスバサイシン」と書かれていた。恥ずかしい・・・・・。

「ウスバサイシン」はウマノスズクサ科カンアオイ属の多年草と言うのが図鑑の説明。徳川家の家紋“三つ葉葵”の原型となったフタバアオイ(ウマノスズクサ科)と全体の様相が似ているが、葉の緑色がもう少し濃く、写真中央の奇妙な形をした花の部分の形や色も異なっている。間違ったおかげでこの植物の名は忘れないだろう。

根の部分は“細辛(サイシン)”と呼ばれる生薬で解熱や鎮痛作用などがあり漢方薬に使われると言う。
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「ヒメサユリ」

2011-06-08 08:32:38 | 山野草

見たことの無い花に遭遇するとかなり嬉しい。自生しているものではないが「赤城自然園」(渋川市赤城町)の野草園に“ヒメサユリ”が数本咲いていた。淡いピンクの花は艶やかで、今の時期では際立っている。所有している図鑑2冊ともに掲載が無く、ネットで調べてみると新潟、山形、福島の各県のほか、宮城県の一部ぐらいにしか自生していないのだそうだ。

「ヒメサユリ」はユリ科ユリ属の多年草。草丈は20-60センチほどと高さに差がある。ユリの中では一番早く咲くのだそうで“ハルユリ”の別称があるほか“オトメユリ”“アイヅユリ”などと呼ばれることもあるようだ。

雪の多い所に自生し、春から初夏にかけ園芸種に負けないほど艶やかなピンクの花を咲かせる。八重咲のユキワリソウからドクダミまで、園芸種は野生種に色や形など何か派手さを加えて差別化(改良?)することで価値を増す。この花の園芸種が登場しているかどうか知らないが、改良の余地が無いぐらい見栄えのする花だ。

存在が珍しく、艶やかな花だがユリはユリ。球根は食べられるようだし、薬効まであるようだ。こんな可愛い花の球根を掘って食べる人はいないとおもうのだが・・・。
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「ワチガイソウ」?ほか名前が判らない花

2011-06-07 09:13:47 | 山野草

白髪岩(1512メートル)への山道。深い林の縁に初夏の光を受けて小さな花が咲いていた。喜んで写真を撮ったまでは良かったのだが、種類が限定できないというか、全くわからない。不明のままで掲載してみた。どなたかご存知の方がいたら是非とも教えてくださいな。

最初の写真はかなりの確率で「ワチガイソウ」だとおもう。そうだったらナデシコ科の多年草。ヒゲネワチガイソウ、ワダソウなど非常に良く似た種がある。ワダソウは花弁の先端にくぼみがあると言うから異なる。ヒゲネは細いひげ根が多いというのだが良く判らない。草丈は10-15センチ程と小さい。


葉の部分はマツカゼソウ、アズマイチゲなどに良く似ている。花に特徴があり“緑色の変わったもの”。草丈は5-10センチ程度と小柄。よく見ないと見落としてしまう。手持ちの図鑑には載っておらず、色々な切り口で調べたが種を限定できなかった。


この花の名前も判らなかった。花びらが欠けているかもしれない。前の2種類と同じ場所にあった。この花も小型。
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「クサタチバナ」と赤久縄山

2011-06-06 08:33:12 | 山野草

白髪岩が予想以上にすんなり行ったのと珍しい植物にも会え気分は良かったが、何だか歩き足りず、赤久縄山(1522メートル)に久し振りで上がってみた。神流川沿いの山系では最高峰。山頂には白い花を開き始めた珍しい花があった。

「クサタチバナ」はガガイモ科カモメヅル属の多年草。登山道脇に大型の草が元気良く伸びていたが、どこかで見たような植物程度しか判らない。日当たりの良い山頂に着くと成長し花が咲き始めているものがかなりあった。私にとっては“初めての植物”。私の好きな白い花だが、草丈が4,50センチと大型で感激するほどではない。タチバナの花に似ているのでこの名がついているという。

「赤久縄山」はスーパー林道経由で4~5回、栗木平から1回登っている。天候と気分が良かったので、今まで歩いたことの無い西側の登山口(スーパー林道から)から入る。登山と言っても歩行距離は片道4百メートル。それなりに息は切れるが、ハイキング気分で上がれる。カラマツを含む木々の新芽は鮮やかで気分がいい。

西上州の山系の主峰の一つだが、展望に欠ける分人気がないようだ。ただ、森林公園の事務所から尾根沿いに歩くコースは新緑の頃、紅葉の頃には見ごたえがある。



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「オオヤマレンゲ」

2011-06-05 08:50:18 | 山野草

以前から一度は見てみたいと思っていた「オオヤマレンゲ」(大山蓮華)をようやく見ることができた。残念ながら、山の中で自生しているものを見つけたのではない。赤城山麓の渋川市赤城町(旧・赤城村)にある「赤城自然園」でのこと。昨年ここを訪ねた時、5月下旬に咲くことを知った。同園に2回電話し「まだ咲かない」「蕾です」の返事。3回目で満開を確認し、ようやく出会うことができた。

「オオヤマレンゲ」はモクレン科の落葉低木。木の丈は3-5メートルだが、横に広がっている。濃い緑の葉に包まれ花径が7-8センチの優雅な白い花をうつむき加減につける。花芯に付く赤系のオシベ、黄色のメシベの強い色を溶け込み静かに咲いている。

写真でこの花を知っており、蓮の花に似た優雅さから“深い山の中に咲く、蓮に似た花”からこの名が付いたものと勝手に思っていた。ネットの書き込みの一つに“大和(奈良県)の大峰山にある蓮花の意味”とあった。こちらが正解なのだろう。ホオノキとの雑種のウケザキオオヤマレンゲやオオバオオヤマレンゲなど近種があり、庭木など栽培されているようだ。
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「白髪岩」と原三角測点と「ヤマブキソウ」

2011-06-04 08:06:15 | 低山歩き

ようやく晴れそうだったので、かねてから気懸かりだった西上州の「白髪岩」(1512メートル)を目指した。ガイド本によると時間はかからないが、ヤブ漕ぎの山で登山口や登山道が明確でないとのこと。ネット情報の“今は訪ねる人も多く、ヤブ漕ぎ派には期待を裏切るかも?”を信じ、一人で出掛けた。明治初期の「原三角測点」として3番目に発見されたものが山頂にある。これを確認するのが山行の目的。

日野地区から富岡方面に抜ける山道を走り、峠の会場集落で左にわけ林道に入る。御荷鉾スーパー林道に合流し森林公園方面へ。管理事務所を過ぎ3キロほど走ったところで、自生している「ヤマブキソウ」を見つけた。
自宅で咲いているものを紹介したが、やっぱり山ノ中にあるものは素晴らしい。

赤久縄山の西登山口を過ぎると、林道は少し細くなり、白髪への登山口を見落とさないように慎重に運転。意外にも“白髪岩”の標識があった。その奥に、細いが明確な踏み跡がある。これなら往けそうだ。

急登はほんの数分。ツルキンバイやユキザサ、名前の知らない小さな草々、新芽のカラマツやモミジの中を快適に歩く。ミツバツツジが鮮やかな紫色で緑の中に浮かんでいる。1499地点を順調に過ぎ、分岐点で直登ルートを選ぶ。山頂直下でやや急登があったがあっけなく到達した。

山頂に原三角測点があった。土台の部分が苔むしており、古さを感じさせる。ただ、中央部は比較的最近作り直したものだ。樹木に覆われ展望が殆ど無いだけに、こんなところで三角測量ができるのだろうかと心配になる。東の岩場に立つと浅間から上信越国境の山々が見渡せた。木が無ければ360度の展望が得られる場所なのだろう。雲取山と米山(新潟県)とここの3箇所にしか現存しない貴重な資料だと言う。

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「アカバナ」

2011-06-03 06:00:33 | 山野草

台風2号崩れの風でせっかく枝を広げ始めていたスイカが2本枯れた。梅雨の最中とは言え連日の雨模様の天候は気分を暗くする。春と夏の合間に差し掛かったが、この時期に花の開花は瞬間的だが空白ができる。そろそろ、高い山に出掛ける時期に入ったようだ。散歩道で可愛らしい赤い花を見つけた。今までなら、殆ど気付くことの無かった小さな花。

「アカバナ」は花径が1センチ足らずの小さな花だが“アカバナ科”と科を構成する多年草。草丈は20センチ前後で低い。科の仲間にはツキミソウやマツヨイグサなどお馴染みの種も。ネットで調べると世界中に自生しており、その種は640-650種に及ぶのだとか。秋に葉が紅葉することからこの名が付いたという。

道路脇や畑のくろなどどこでも咲いている。自宅近くの散歩道。ミニ工業団地を横切り、鮎川の堤防に上がる辺りに咲いていた。一輪で撮った方が良いのか、数厘まとめた方がいいのか悩む。もちろん両方撮るのだが、どっちでも良いことに迷っている。結局この写真を選んだ。
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「アヤメ」

2011-06-02 09:39:19 | 山野草

「いずれアヤメかカキツバタ」と言われるが、双方が秀麗で見分けが付かないほど優れているという意味だろう。今の時期アヤメ、ハナショウブ、カキツバタと見分けるのが難しい艶やかな花が咲き競っている。この3種がアヤメ科なのに対し、葉の形状が似ており仲間だと思っていた“ショウブ”は「サトイモ科」で全く違い、花もガマの穂のような形をしているようだ。

「アヤメ」はアヤメ科アヤメ属の多年草。この花は2週間ほど前に、藤岡市北西部の竹沼の堤防で撮ったもの。日当たりの良い草原に、濃い紫の花が際立っていた。公園の池の周りや菖蒲園などで似たような花が咲いており、湿地性の植物と思われがちだが、アヤメは乾燥した草原を好んで自生するという。水場や湿気の多い場所を好むのがハナショウブやカキツバタということになる。

アヤメの見分け方についてはカミさんに聞いて知っていた。外側の花びらの付け根部分に“黄色のヒョウ柄(縞模様)がついているのがアヤメ”なのである。カキツバタとハナショウブにはヒョウ柄が無い。カキツバタとハナショウブを花の様子から見分けるには「白い斑紋があるのがカキツバタ。黄色い斑紋はハナショウブ」(ウィキペディアから加工)。葉の形で比較することもでき「葉脈」の主脈が不鮮明なのがアヤメ。細くて小さいのがカキツバタ、太いのがハナショウブという。

一番早く咲き出すのはアヤメで平野部では5月上旬。カキツバタが続く。今の時期なら3種とも咲いている。比べて写真を掲載すれば判りやすいかもしれないが、知っていた人には余計なお世話。知らなかった人は、自分で調べてみると良く判るということで・・・。すみません。


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「ジャケツイバラ」

2011-06-01 09:09:40 | 山野草

“今までに見たことが無い”というと大げさだが、知らない植物に出会うと楽しい。写真に撮って名前が判明すると更に嬉しくなる。鮎川沿いに県道を歩き、ニセアカシアの花の香りに酔っていた時、崖で見つけたのがこの花。何回か手持ちの図鑑で調べたが判らなかった。別の黄色の花の植物名を調べていて、偶然に見つけた。図鑑に載っていたが、小さくてイメージも少し異なっており、見落としていたようだ。

「ジャケツイバラ」はマメ科のツル植物。ジャケツイバラ科とする分類もある。木の丈は2メートルほどで高くならないようだ。写真を撮ったのはもう3週間ほど前のことだが、見つけた瞬間は園芸種と思った。鮮やかな黄色の花、木本には黄色の花は多くない。葉はサンショウやニセアカシア、コマツナギ、フジなどに似ている。花は総状花序で上に向いている。

枝には鋭い棘がある。ツル性とされるが、ほかの木に巻きついて伸びているという感じは無い。「蔓が蛇の絡む姿に似ているのでこの名が付いた」と説明されていたが、私にはそんな感じは受けなかった。木に咲く黄色の花が珍しかったのと、似ている木はいっぱい見たが皆違っていたこと・・などが印象的だった。

どの部分とかは書いてなかったが、下痢止めや駆虫剤などに使われる薬効もあるようだ。


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