2月4日
滋賀県甲賀市水口町の古城山(かつての水口岡山城跡)の麓にある天台宗龍王山 大岡寺(だいこうじ)を訪れました。
本尊として千手観音を祀り、俗に岡観音(おかかんのん)の名で親しまれています。
山門
開創千三百年忌法要記念碑と左横にあるのは松尾芭蕉の句碑。
寺伝によれば、白鳳14年(686年)に諸国を行脚していた僧 行基が近江国甲賀郡の大岡山(今の古城山)の山頂に、千手観音を本尊として龍王山観音院を創建したのが始まりです。
平安時代になると東海道が甲賀郡を通るようになったため、大岡山は東海道を見下ろせる交通の要所となり、16もの子院を擁する大きな寺院となりました。
大岡山(古城山)を背景に建つ本堂
隆盛を極めた観音院も天正2年(1574年)、甲賀郡に立て籠って抵抗する近江六角氏を攻めた織田信長の兵火によって焼失し、東之坊を残すのみとなってしまいました。
天正13年(1585年)になると、羽柴秀吉の家臣 中村一氏が大岡山に水口岡山城を築城するにあたり東之坊を移転させました。
江戸期に入り天和2年(1682年)に加藤明友が入城して水口藩が成立。東之坊を藩の御林山となっていた古城山の麓である現在地に移転させ、名称を龍王山大岡寺と改めて再興しました。
境内の建物はかなり傷みが激しい印象を受けます。飾り瓦はほとんどが割れ、屋根も歪んでますね。
由緒ある古刹なのに何とも惜しい佇まいでした。。
本堂内
放生池と弁天堂
この寺は平安末期から鎌倉時代の歌人・随筆家の鴨長明にもゆかりがあります。
鴨長明は京都の加茂御祖神社(下鴨神社)の禰宜の家系でしたが、後継争いに敗れて神職の道を絶たれ、この寺で出家し、蓮胤(れんいん)を名乗りました。
行者堂と修験道の開祖 役行者像
実は2001年に大岡寺から重要文化財の千手観音菩薩像と阿弥陀如来像が盗まれ、それが東京の某寺院で見つかりました。
所有権の裁判では大岡寺が勝訴し、仏像は大岡寺に戻ると思いきや・・・闇が深い展開に。
気になる方はネットで検索してみて下さい。
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