「つけけんちん」
主な伝承地域 県内全域
主な使用食材 そば、里芋、大根、人参、こんにゃく、豆腐、生しいたけ
歴史・由来・関連行事
茨城県は、朝晩の寒暖差が大きく、水捌けの良い傾斜地が多いことから、江戸時代からそば栽培が盛んであった。現在でも、北海道、長野県、栃木県に次ぐ収穫量を誇り、関東のそばどころとしても知られている。昭和53年(1978年)から、そばブランド品種の育成に取り組み、「常陸秋そば」として味・香りともに品質の高いブランド品種が誕生した。その香りの良さは評判となり、首都圏のそばの名店でも使用されているほど、県外にもファンが多い。
根菜類がよくとれる茨城県では「けんちん汁」もよくつくられたため、「けんちん汁」にそばをつけて食べるのが風習になった。江戸時代の後期にはすでに「つけけんちん」が食べられていたといわれている。旧暦の新年(現在の節分の時期)にそばを食べる「つけけんちん」の風習は水戸藩から広がったといわれている。
いまも、北部地域を中心に茨城県全域で食べられており、地域に深く根づいている郷土料理である。
食習の機会や時季
農作物の収穫の大半が済む11月も半ばになると、祭りのためのごちそうの一つとして、よく「つけけんちん」や「けんちんそば」をつくった。
いまでは1年中食べることができるが、特に新そばが出る秋から冬は、寒さが厳しくなることもあり、よく食べられる。
いまでも県内の飲食店や各家庭でも広く食べられている。「けんちん汁」の具材は、季節によって旬の食材を使用するなど、家庭ごとに特徴がある。
飲食方法
里芋、大根、ごぼう、こんにゃく、ねぎ、人参などを炒め、味噌と醤油、みりんで味付けをした温かい「けんちん汁」に、ざるそばを別にそえていただく。太めのそばを使うのが特徴である。なお、「けんちん汁」にそばを入れて食べる場合は、「けんちんそば」と呼ばれる。他県でも「けんちんそば」は食べられているが、「つけけんちん」はこの地域独特の食べ方である。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
茨城県のブランド品種である「常陸秋そば」の紹介と合わせて、県のホームページをはじめとしたさまざまメディアで発信している。「常陸秋そば」の新そばの季節に「常陸秋そば」にまつわるフェアやキャンペーンが実施され、このタイミングで「つけけんちん」も大々的にPRされる。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/tukekenchin_ibaraki.html より
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます