今日の毎日新聞だ。信じられない安倍総理の、変身である。
国民の気持ちを犠牲にし、彼は韓国に誠意とやらを示した。
彼ですら、戦後レジュームの壁はこじ開けられないのかと、無念の思いをかみしめる。安倍氏の信奉者でないから、どこまでも彼を弁護しようと言う気はない。かと言って、彼のみを責め、気晴らしをする気にもなれない。
慰安婦問題のみならず、集団的自衛権にしろ、憲法改正にしろ、結局の所、本物の壁はアメリカだったという事実。かまびすしく吠え立てる、中・韓の背後で、黙認の援護をしていたアメリカが、やっと国民の前に姿を見せた。NHKどころではない。アメリカこそが本物の、腐っても鯛だ。
現在の日本が、太刀打ちできる相手であろうはずがない。国内にいる親米派には、政財官のみならず、学界・マスコミにも、第一級と言われるような人物が無数にいる。その数と影響力は、親中派、親韓派などは比べ物にならない。アメリカの力の巨大さと、恐ろしさに気づいていない国民は、恐らくいないはずだ。
ただ、これほどの早さで、アメリカが姿を見せたというのが、私には意外だった。安倍氏はもっと慎重な政治家で、長期展望に立ち、ことを進めていると思っていたが、どうやらそうでなかったらしい。
小松長官の任命、籾井会長や百田氏の推挙、竹崎長官の退任など、着実な歩を進めていると思えたのに、推挙任命された人々の、脇の甘さと軽率さでつまづいている。当人たちの自覚が足りないのだと思っていたが、総理も案外、軽率さを共有する人物でないのかと、考えざるを得なくなった。
日清戦争後に、「臥薪嘗胆」という言葉が、国民を一つにしたが、あの当時は、国民の中心になる指導者たちがいた。今は安倍氏以外に、中心となる指導者が見えない。ヘソの欠けた「臥薪嘗胆」なら、それこそ「みみずの戯言」でないか。
安倍氏にはまだ、百歩退いて百一歩進む、秘策があるのか。市井の凡人に、分かろうはずがない。やっぱり、長生きはしてみるものだ。底の浅い毎日新聞の人道主義も、吹っ飛んでしまうような、総理の変身だ。
くそ面白くもないが、これからだって、いろいろあるに違いない。