日高義樹氏元彰氏著「北朝鮮消滅」(平成15年刊 (株)イーストプレス)を読了。
氏は昭和24年広島に生まれ、県立の定時制高校卒業後に、報道カメラマンになった。そのご週刊誌「プレイボーイ」などを足場に、軍事評論家としての活動に入った。高校卒業前に陸上自衛隊少年工科学校で、三年間在籍し中退という経歴もある。
今年の5月に肝臓ガンのため急逝し、享年67才だった。故人となられていると知れば、遠慮ない書評も控えたくなくなるが、まあまあの本だったと言えば良いのか。
北朝鮮崩壊の予測を、今から13年前に氏は次のように語っている。
「それは長期にわたる深刻な飢餓と、回復不能な経済悪化が原因である。」「餓死者と行方不明者が1995年からの6年間で、」「250万人を超えたという情報がある。」「北朝鮮政府自身が行った、国勢調査の数字である。」
「行方不明者の90%が餓死、10%が脱北者と推定されている。」「韓国に亡命した脱北者の話では、平壌の道路に餓死者の死体があっても、珍しくない光景だという。」「平壌の高層アパートでは、極寒期の停電で凍死し、アパートの階段に倒れている者を毎朝巡回してトラックに乗せ、郊外で集団埋葬していたという。」
「次に恐いのは、住民による飢餓暴動である。」「食糧不足に不満を抱く者たちが、裕福な者を襲撃してはじまる暴動である。」「これからは、米や穀物を運ぶ食糧列車を襲い、強奪する事件が続発するだろう。」「また地方の食糧倉庫や、上流階級の家が強盗団に襲われる。」「ますます北朝鮮の治安が悪化するとこは間違いない。」
氏はこうして北朝鮮の内部崩壊を予言するが、13年経った現在、金正日から金正恩に代わっても、この国は存在し続けている。どのような情報をもとに意見を展開しているのか分からないが、こうした内部崩壊説は、中国についてもここ数年同様な言い方がされている。要するにすべて、希望的観測、あるいは願望予測でしかない。
ノンフィクションと銘打って出版されているが、一つの「娯楽本」と割り切って読んだ。北が軍事攻撃を仕掛けてきた場合、自衛隊はどのような武器で、いかなる作戦で対処するのか。氏は、自衛隊員も驚くというくらいの知識であるらしく、詳しく語られるほど私には訳が分からなくなった。
素人の自分に、氏のような軍事は分からないが、日本の直面する課題はそれ以前のところにあると思っている。つまりこうした敵対国に、国内で呼応する反日日本人たちの存在。私にはその方がよほど危険だと、言いたい。
公安調査庁の菅沼光弘氏のような北朝鮮賛美者や、日本の過去を憎んでやまない九条の会の発起人たち、あるいは北朝鮮の方にだって言い分があると主張するアントニオ猪木氏など、彼らの言動の方がよほど警戒すべきだ。
北朝鮮や中国の内部崩壊を語るより、反日日本人たちによる「日本の内部崩壊支援」の方に、警鐘を鳴らしてもらいたいものだ。間違いなく、個人的嫌悪感や偏見が混じっているが、今の私は、日本の敵として次の組織と集団を断定している。
すなわち共産党、民進党、創価学会、自民党、朝日新聞、NHK、岩波文庫、中央公論、九条の会、東京大学、京都大学。
共産党は党員すべてを敵対集団と断定するが、それ以外の政党、マスコミ、出版社や大学は、所属者のすべてでなく、そこに生息している一部の反日思想家たちだけである。いわゆる「獅子身中の虫」「駆除すべき害虫」だ。
立派なリンゴの山の中に混じる、腐ったリンゴという奴で、時間をかけて国の土台を腐敗させていく。外部の敵よりやっかいで、他国の敵より始末におえない。この害虫には、お人好しの善男善女がすぐに騙される。簡単な例で言えば、吉永小百合氏が「九条が平和の砦です。」といえば、諸手を挙げて賛成する国民がいるということだ。
あるいは小田実氏や瀬戸内寂聴氏や大江健三郎氏みたいな、ただ著名というだけの人間の言葉に心酔してしまうお花畑の人々など、例を挙げればきりがない。二重国籍であれだけ騒がれていても、蓮舫氏を党首にする民主党だって、お花畑の国民の票が欲しくてそうしている。何であれ名前が売れていて、レベルの低い国民に人気のある蓮舫氏なら、選挙の票が集まると、そんな詰まらない戦術だ。
「なんでも良いから、勝てばいい。」・・・・・。選挙にはそうした面があるから、民主党ばかりを笑っておれない。自民党にしても、芸能人やスポーツ選手、はては漫才師まで候補者に仕立て、陣笠と呼ばれる議員を当選させてきた。
どっちもどっちの政界だが、国際情勢が逼迫する現在では、一票を持つ国民がしっかりしなくてならない。自民党にだって、箸にも棒にもかからないロクでもない議員がいるのだから、「害虫の駆除」も簡単な仕事ではない。
しかしここは日本だから、独裁の北朝鮮や中国みたいに暴力で「虫退治」をしてはならない。気の遠くなるような話になるが、「選挙の一票」で虫どもを追放するのが王道というものだ。権力ずくで「害虫の排除」をするという者がいるのなら、そんな人間はたとえ保守でも間違っている。
賢い国民が多くなれば、選挙の一票は正しく行使され、反日と売国の政治家は必ず追放されていく。だからこそ、反日教育をする日教組は強く非難すべきであり、これを下部組織として使っている民進党や共産党の議員も当選させてならない。
そんなことを考えながら、氏の著作を読んでいたから、読後の感想もたいして無い。こんなよそ事を考えさせてくれた本も、珍しいといえば珍しい。亡くなられた氏に敬意を表するとすれば、新しく教えられた事実への感謝である。それは北朝鮮における、国民の区別だ。こんな非人道的区別(差別)がある国だなど、氏の本を読まなければ知らずに一生を終えるところだった。(知らずに終えても、どうということもないが。)
区別と言わず、「成分」というらしいが、氏の本からそのまま引用しよう。
「北朝鮮では、成分を大きく三つに分類している。」「つまり " 核心階層 "、 " 動揺階層 " 、 " 敵対階層 " である。」「さらに3階層は、それぞれ51に細分化される。」「出身成分は、三代前までさかのぼって調べられ、」「金日成、金正日父子に対する、忠誠度が判定の基準になる。」
「核心階層は、金日成の側近を中心とした革命遺家族、朝鮮戦争での戦死者の遺族、労働党員、栄誉軍人からなっている。」「平壌には、核心階層しか住めない。」「国から優遇され、特権を享受してきた人々。」
「動揺階層は、金日成への忠誠度が比較的薄いと判断された人々。太平洋戦争後に労働者となった者、中農出身者、手工業出身者。」
「敵対階層は、昔の地主出身者や、戦後に入北した者、越南者(韓国に移住した者)の家族、カトリック教信者、日本からの帰国者である。」「国の機関から徹底的に差別され、ことあれば痛めつけられる人々。」
「核心階層は人口の約3割、動揺階層は約2割、残りの5割が敵対階層に分類されている。」「日本にいる家族から多額の送金を受けている者は別にして、」「日本からの帰還者や、いわゆる日本人妻は危険分子とみなされている。」
これでは北朝鮮籍の在日が、帰国しないわけである。朝鮮総連の在籍者だって、例外であるまい。氏の本が事実を語っているとするのなら、北朝鮮籍の在日の人々は、いい加減日本への誹謗中傷を止めたらどうなのだろう。
結局は彼らを甘やかせ、彼らを利用している議員や活動家や文化人たちがいるからこうなる。原因はすべて、「獅子身中の虫」たちにあるということだ。せめて私のブログを見た人たちは、反日議員にだけは投票しないと、そうなって欲しいものだ。
この本も叔父の遺品だが、ここまでくると、叔父がどう思っていたのか見当がつかない。根気強く読んだものと、感心するしかない。著者には申し訳ないが、来週の小学校の有価物回収日に、この本もゴミとして出すしかあるまい。