トランプ氏が当選したからと、大慌てしている人間がいる。
しかし私は、彼が当選したことは、日本にとって好機到来と考える。彼は日本が米軍に頼りすぎていると非難し、自分の国は自分で守れと主張している。米軍の駐留経費をもっと負担すべきとも、言っている。
昨日の動画で、西部邁氏の話を聞いていたら、日本は米軍の駐留経費の65%を負担しているという話だった。金額がわからないので、ネットで調べてみた。昨年(平成27)の数字だが、それによると日本の負担額は1,899億円だ。逆算すると、米軍経費の総額はおよそ2,900億円となる。西部氏は米軍の人数が沖縄に二万人、本土に四万人と言ったが、ネットでは沖縄も本土も二万人ずつで、合計四万人となっていた。(私は大雑把なので、細かな数字の誤差は気にしない)
ネットの説明によると、韓国や他の国と比較し、こんなに米軍費用負担をしているのは日本くらいのもので、気前の良い金持ちと言われてもいるらしい。そうなれば、話はいっそう都合がいい。トランプ氏はそんなことを承知の上で喋っているのか、知らないで元気の良いことを言っているのか。どちらにしても日本政府には、ありがたい話だ。
安倍総理は間髪を入れず、トランプ氏に言うべきだ。「米軍経費について、日本は他国に比べて多額を負担している。これ以上というのなら、日本は日本の軍備を増強することに力を入れたい。」「貴殿の言われる通り、自分の国は自分で守ることが筋であるから、これから日本はその方向で進む。」「米軍の駐留も、将来的にはゼロにしよう。」
「今後とも日本は米軍とともに、更に強力にアジアの安全に寄与する決意だ。」「そのためには、自衛隊の足かせとなっている憲法も改正する。どうか、アメリカは邪魔をしないようにしてもらいたい。」「現在の憲法のままでは、軍備を充実させても、安保条約をさらに深化させることにつながらない。」
アメリカの国益を第一とし、世界の警察にならないと宣言したトランプ氏なら、日本の意見の妥当性も理解するはずだ。同時に、米軍が撤退しそのままにしておけば、中国や北朝鮮が黙っているはずがないことも、国民の多くは分っている。フィリピンに力の空白が出来た時、中国は己の国益を前面に押し出し、他国領域の岩礁を埋め立て、軍事基地を作ってしまった。
「中国が侵略して来るなんて、そんなことは妄想ですよ。」テレビの討論で、鳥越俊太郎氏が岡本氏に噛みついていたが、彼こそが「日本の代表的お花畑の住民」であり、反日売国の徒と、誰もが知っていたから、都知事選で惨敗した。
トランプ氏の当選は、日本にとって好機であり、自民党が本当に日本を守る保守政党なら、この好機を逃してはなるまい。一強と言われる総理が、任期を延長し、長期政権となりそうな現在こそが、日本独立のチャンスだ。オバマ氏への義理立てから、TPPを無理やり採決に持ち込んだり、韓国に大金をつぎ込んだり、時として訳のわからないことをする総理だが、「戦後レジュームからの脱却」という大方針だけは貫いてほしい。
かって私は少年だった頃、岸首相が安保改定を強行した時、全学連が国会を取り巻き、反日マスコミが大合唱するので、とんでもない総理大臣だと彼を憎んだが、年を取って知識を得てみると、事態はまったく逆だった。「とんでもない岸総理」だったのでなく、「勇気のある立派な総理大臣」だった。
今回だって、シールズのような知識も何もない、共産党の手先の学生たちが騒いでも、マスコミが安倍氏を攻撃しても、それこそ「粛々として」憲法改正をやれば良い。岸氏の時代と違うのは、国民の多くが「事実を知っている」ことだ。マスコミの大嘘や、捏造の報道を嫌悪し、国民が自分の頭で考えている。
安倍総理に、憲法改正をさせたくないという国民が、過半数を超えているとする、マスコミのアンケート調査など、信用できないし、する必要もない。後はもう、自民党の議員諸氏の、千載一遇の時勢を理解する能力と、覚悟と、総理の決断だけだ。