ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

2月は、人生の一区切り

2022-02-13 21:29:31 | 徒然の記

 2月は、私にとって「人生の一区切り」というべきことが、重なりました。江畑氏の著作のおかげで気が紛れていますが、ふと我に返る時、切ないものが胸をよぎります。

  ・免許返納   ・愛車の引き渡し  ・愛猫の埋葬  ・モデルナ・ワクチン接種

 他の人には何でもない話ですが、私と家内には、大きな出来事です。60才で定年となった時、初めて車を買いました。免許は学生時代にとっていましたが、必要がないので、ずっとペーパードライバーでした。

 車がなくても私たち夫婦は、二台の自転車で買い物に出かけ、何の不自由も感じていませんでした。まだ小学生だった子供たちは、自分の家に車がないので、「僕のうちは貧乏なんだ。」と、思っていたようです。貧乏は間違いない事実でしたが、子宝に恵まれた私たち夫婦は、そんなことは何とも思わず、楽しく過ごしていました。

 車は、岐阜県に住む三男が選んでくれました。貧乏な私にも買える手頃な車で、しかも性能がいいと推奨してくれました。ホンダのFITでした。免許を持っていても、まだ運転に自信がないので、ディラーまで買いに出かける時は、次男が一緒でした。運転に自信をつけるため、自動車学校へ通い、土日には付近を走り、練習をしました。

 今年78才ですから、18年間同じ車に乗ったことになります。ディラーの担当者が引き取りに来る前の日に、近所のガソリンスタンドで、最後の洗車をしました、自宅へ戻り、磨き上げた車の中でハンドルを握ると、たくさんの思い出が浮かびました。

 益子の焼き物市へ出かけたこと、九十九里の浜で泊まったこと、千葉の小京都と言われる佐原の街を訪ねたこと・・・。茨城県に住む長男が遊びに来た時は、帰りは夫婦で送りました。富士山と筑波山を遠景に見ながら、利根川を渡り、取手の町で蕎麦を食べました。

 孫を乗せ、孫と遊び・・何もものを言いませんが、車はいつも私のそばにいて、たくさん働いてくれました。人間でなくても、家族と同じ気持ちになるのだと知りました。引き取りに来たディラーの担当者が、車の窓から手を振り、頭を下げ、走り出した時、家内が家から飛び出してきました。

 コロナの感染を恐れ、会わないと言っていたのに、手を振っていました。

 「涙が出たよ。」

 照れ隠し笑いをしていましたが、私の目にも浮かんでいました。ガランとした駐車場が、息子たちと別れた時のように、寂しさを覚えさせました。

 警察署に免許証を返納する時、便利な車がありませんので、モノレールと電車とバスを乗り継ぎ、ステッキをついて出かけました。交通課の窓口で1,100円支払い、「運転経歴証明書」を申し込みました。さらに900円を払うと、郵送してもらえるので、それも頼みました。これからは「免許証」の代わりに、これが私の身分証明書になります。

 モノレールと電車はまだ良いとして、バスは一時間に2本しかなく、とても不便になりました。郵便局、銀行、スーパー、駅など、車ならいつでも行けましたが、これからはそういきません。長距離が歩けなくなり、若い時のように徒歩も難しくなりましたが、まだ78才です。100まで生きる予定ですから、泣き言は禁物・・車なしの暮らしに順応しなくてなりません。

 愛猫は今から18年前の、平成26年に亡くなりましたが、骨壷を2階の窓際の台に飾ったままにしていました。いつか「ねこ庭」のどこかに埋めてやろうと、家内と決めていましたが、何となく今月を迎えました。2月1日の午後、思い切って庭の隅を掘り、壺から骨だけを取り出し、ハンカチに包んで埋めました。

 小さな頭蓋骨や、手足の骨がまだ形を残していました。土に戻してやれば、何年かしたらみんな消えてしまうのでしょう。埋めた後の土に、小さな猫の置物を載せました。

 私の家には墓がありません。子供たちもバラバラに暮らしていますから、墓地を買うことはしませんでした。先祖代々暮らしていた土地があるとするなら、それは熊本の田舎ですが、そこにはもう誰もいません。転勤を繰り返してきた私たちですから、子供たちには、故郷と呼べる土地がありません。今住んでいる千葉も子供たちには、一時的に住んでいた土地でしかありません。無縁な土地に墓を買っても、思い出のない土地の墓は、やがて無縁墓になります。

 思い出の地の熊本のお寺にお願いし、父の遺骨は、共同墓地で永代供養にしてもらいました。母が亡くなったら、長男である私が、父の元へ母の遺骨を届けるつもりです。私と家内の遺骨は、懐かしい瀬戸内の海か、千葉の沖にでも散骨してくれるように、長男に頼んでいます。海を汚さないように、適量の骨を、散骨できるようにしてくれる業者があると、聞いています。私と妻は、日本の海に戻り、やがて消えます。

 愛猫の小さな骨を埋めながら、自分たちのことも考えました。

 しかし生きている限り、他人様に迷惑をかけないため、元気でいなくてなりません。「武漢コロナ」と、その変異株に負けておれません。だから12日の土曜日、集団接種会場で、オミクロンワクチンを接種してきました。後遺症がひどいと聞いていましたが、一日経過しても私は平常通りです。元気な体をくれた両親と、ご先祖さまに感謝しています。

 令和4年の2月は、たくさん思い出の詰まる「人生の一区切り」になりました。

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『 日本が軍事大国になる日 』 - 12 ( ASEAN諸国と日本の概略比較 )

2022-02-13 16:33:53 | 徒然の記

 東南アジアには、11の国があります。氏の著書に入る前に、国名、首都、人口について整理します。 ( 人口は、令和2年現在です。  )

  1.  ブルネイ    ( バンダルスリムガワン )        44 (万人)

  2.  カンボジア   ( プノンペン )           1,672

  3.  インドネシア  ( ジャカルタ )         27,352

  4.  ラオス     ( ビエンチャン )         728

  5.  マレーシア   ( クアラルンプール )       3,237

  6.  ミャンマー   ( ネピドー )・・旧 ヤンゴン      5,441  

  7.  フィリピン   ( マニラ )             10,958

  8.  シンガポール  ( シンガポール )          569

  9.  タイ      ( バンコク )                               6,980

   10.  ベトナム    ( ハノイ  )                                   9,734

    11.  東チモール    ( ディリー )           132

 現在ASEANには、東チモールを除く10ヶ国が加盟しています。国の大きさを見るには、人口が一番よく分かりますので、参考のため調べました。そのまま国力には連動しませんが、目安になります。

 江畑氏は軍事評論家なので、上記国々の陸・海・空軍の装備について、詳細に述べています。しかしどんな詳しい説明でも、日本の現在に無関係では、役に立ちません。息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に、どのようにまとめれば氏の本意が伝えられるのか、頭を悩ませています。

 やはり大切なことは、日本との比較なので、そこを忘れないように心がけたいと思います。次回から、本論に入るとして、今は氏の本を読み、教えられたことを思いつくままに列挙してみます。

 ・兵器や武器を他国から購入すると言う意味は、やがてその武器を自国で生産し、他国へ売却すると言うことです。これらの国々は、兵器製造技術を公開しない国からは、買いません。

 ・日本は米国から、製造技術を秘密にされても兵器を買い、他国から買おうとしません。 

 ・同じASEANに加盟していても、他国との深刻な対立を、それぞれの国が抱えています。銃撃戦や殺傷事件も存在し、政府同士がその度に非難の応酬をしています。
 
 ・日本は中国・韓国・北朝鮮との間に、不快で腹立たしいトラブルを抱えていますが、政府は「遺憾である」と言うだけです。関係国の間では、「日本の遺憾砲」と呼ばれ、痛くも痒くもない反論です。
 
 ・ASEAN諸国は、日本に比較すると概して貧しく、軍の力が大きいところが、全体主義国の中国や北朝鮮とよく似ています。
 
 ・軍の力を背景にした独裁者が輩出し、兵器購入の決定権を持つ彼らに、多額の賄賂が贈られ、政治の腐敗を招いています。他国からの援助も、国民のため使われず、独裁者とその周辺が懐に入れるため、社会的投資が進まず、貧困も撲滅されません。
 
 ・独裁者のいない日本は、これらの国々に比較すると、素晴らしい国です。政治家が多少のマージンを手にするだけで、マスコミが騒ぎますから、大きな額になりません。日本には歴代、無私の天皇陛下がおられますから、私欲にまみれた政治家が独裁者になろうとしても、なれない風土があります。
 
 ・陸続きの東南アジア諸国では、武装した反政府勢力が、容易に隣国へ逃げ込むため、これを追う政府軍と、侵入された国との間で武力衝突が起こります。反政府勢力が、他国の支援を受けているため、容易に撲滅できません。
 
 ・四方を海で囲まれている日本には、武器弾薬等他国から支援を受けた、過激派集団が育ちにくく、銃刀法所持違反の摘発など、日本警察の治安維持は世界に冠たるものです。他国へ逃げ込む余地がないため、周辺国との武力衝突も生じません。
 
 以上思いつくままの感想ですが、次回から氏の著書に沿った説明をいたします。
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