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ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

『 日本が軍事大国になる日 』 - 2 ( 二つの中国の緊張関係 )

2022-02-01 20:07:52 | 徒然の記

   平成3 ( 1991 ) 年おける、台湾、中国、日本等の経済指標を、氏が下記のように示しています。

                           人 口                     G N P                一人当たりGNP

      台湾    2,068 万人          1,508 億ドル            7,380ドル

   中国  11億3,000 万人        3,500 億ドル                310ドル

   日本       1億2,000 万人   2兆3,607 億ドル        1万 9,000ドル

       韓国        ---                 2,730 億ドル                6,300ドル

         タイ      ---                       926 億ドル                1,630ドル    

 この数字を見ながら、次のように説明します。

 「一人当たりGNPを見ればわかる通り、同じ中国とは言いながら、」「台湾と中国の経済力は雲泥の差である。」「日本の数字は破格にしても、台湾は韓国を上回り、タイをはるかに凌ぐ、」「アジア第二の経済力を誇る。」

 21年後の現在、中国は日本を抜き、名実ともに世界第2位の軍事・経済大国となっています。今の日本の数字がどうなっているのか、調べれば分かりますが、本題を外れますから敢えてしません。

 「台湾の経済力に相当する、国際的役割、ないしは影響力がないのは、」「中国の国連復帰に伴う、国際的孤立によることは、」「言うを待たない。」「しかしこの孤立状態でも、なお台湾の存在がそう小さくないのは、」「その戦略的地理条件だけでなく、この国が持つ経済力にある。」

 この本が出版される1年前の平成5年に、APEC ( アジア太平洋経済協力会議  ) で、江沢民氏が、「台湾は中国の1省である。」と発言し、台湾の外交部が即座に否定しています。

 「平成4年に、台湾の国防部が初めて発行した国防白書、『国防報告書』では、」「中国から台湾への軍事侵攻の可能性を、予測こそしているが、」「二つの中国の平和的統一については、何も触れてはいない。」

 私たちは、尖閣の領海へ侵入する中国公船について、神経を尖らせていますが、台湾政府と国民の危機感には、もっと差し迫ったものがあることを、教えられます。

 台湾の新聞「聯合報」が、平成4年に、中国共産党中央軍事委員会の会議内容を、穏健派と強硬派の意見に分け報じた記事を、紹介しています。

 1. 穏健派の意見

  「台湾当局を、民間の経済交流によって動かし、政治的統一を促進させる。」

 2. 強硬派の意見

  「必要な時は台湾海峡を封鎖し、台湾の経済命脈を切断する。」

 日本が世界第2位の経済大国となり、土地転がしで途方もない金が動き、多くの国民が有頂天になっていた時も、台湾はすでに中国との関係で、緊迫した状況にあったという話です。

 「日本が輸入する原油のおよそ9割、その他の輸入物資の6割が、」「南シナ海の入り口、バシー海峡を通過する。」

 「その一方に位置する台湾の動向、なかんずく軍事力の今後について、」「日本は、大きな関心を払わない訳にはいかない。」「またそれは中国の軍事力、特に海洋展開能力とのバランスを見ることが、重要である。」

 「中国の軍事力は、台湾の軍事力と相殺され、」「台湾の軍事力は、中国と相殺される部分が大きいからである。」

 詳細は分かりませんが、海洋展開面における軍事力のバランスが、最重要課題だと説明しています。北朝鮮と韓国も、かっては北からの侵略を警戒し、緊張していた時期がありましたが、台湾と中国にも、平成4年以来、その状況が続いているということになります。

 二つの中国について、およそのことが分かりましたので、次回は世界の国々が、具体的に、どんな動きをしていたのかを、氏の著書に教えてもらおうと思います。

コメント (3)
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