おねっと日記

日々の出来事を感じたままにつづります

彼岸の入り

2010年03月18日 | 暮らし
雪もちらつく昨日今日。冬へ後戻りしたような気温です。
それでも季節は着実に春に向かっています。

そして本日は彼岸の入り。



お墓参りに行きたいという父に連れ添い花巻へ。
92歳の伯母は私たちの久しぶりの訪問を知り、日頃一番楽しみにしているディーサービス行きを急きょ取り止めて今か今かと待ちわびておりました。

もういつ会えなくなるかわからないからと。

「リウマチがひどくってねえ」とさすりながらもその手の中から大切そうに取りだした「手毬」
そんな伯母がコツコツと作りしまっておいた「手毬」
「せつこがいつか来たらあげようと思ってね」と。

一週間に一度のディサービス以外はほとんど家族以外の人との接触がなく静かに部屋で過ごす伯母。
そんな伯母はいろんな昔の出来ごとを思い出しながら私のために手毬を作ってくれたよう。

私が3歳の頃、母は大病をして長い間入院しておりました。
その時、私の面倒を見に花巻から二戸までやって来てくれた時期があります。
勿論、私はそのあたりの記憶はあまりないのですが、
伯母が洗濯をしていたら突然私が消えてしまい、あわてて捜しまわったそうです。
やっと見つけたら、私はどこかの男の子の家で踊りながらはしゃいで遊んでいたそうです。
「あのとき程、肝を冷やした時はなかったよ」

52年も前の昔の出来事を鮮明に覚えて話してくれる伯母。
いろんな思い出話の中にはすでにあちらの世界の人たちも出場します。

久しぶりに心がほっと温かくなる春・彼岸の入りの本日。