田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

水の壁、凶器の水/麻屋与志夫

2011-03-15 09:49:49 | Weblog
3月15日 火曜日

●どうも大変な惨状となった。
テレビから知らされる被災地の被害は想像を絶する。
まさにこの世の地獄の様相をていしている。
わが町は被災地への救援ヘリの航路にあたるらしい。
朝からあわただしくヘリがいきかっている。
ヘリの轟音をききながらテレビをみていると被災地の災害の悲惨が目前に迫ってくる。

●スーパーではインスタントラーメンの棚がガラ空き。
ペットボトルの飲料水もなくなった。
不安におののき、自衛のために食品、飲料水を買いこんでいる。

●わたしたちの平和な日常が、
不安定な地盤の上になりたっていたことをおもいしらされた。
自然の猛威の前にはわたしたちが築き上げてきた文明など、
大海に浮かんだこの葉のようなものだ。

●津波の濁流に破壊され瓦礫と化して漂う街。
泣き叫ぶ子どもたち。
呆然とした住民のなまなましい表情。
なすすべもない。

●ヘリの轟音をききながら、
水っていったいどういうものなのだろう、とかんがえた。
地球は水の惑星といわれるほど水が豊富だ。
水がなかったら生命が宿らない。
一滴の水。
大洋の水。
水は水だ。
高い壁のようになって街を襲った津波をみていると、
水が巨大な凶器となっている。
原子炉の過熱も水を注入することで冷しているらしい。
どうも両刃の剣のようなものだ。

●これからは高台に町づくりを提案している学者がいた。
防波堤をさらに高く築くべきだと論じている。
この惨状を目の当たりにして、
人知の及ばざるところ、
と諦めずに最善の策をほどこし、
復興に努めてもらいたいものだ。




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