田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

悪夢 イジメ教師は悪魔の顔/麻屋与志夫

2011-09-15 06:33:17 | Weblog
作者注。
性描写が入っています。
高校生以上の方がおよみください。
申し訳ありません。


2

廊下には学校駐在の兵隊が群れていた。
これまた、父の記憶だ。
異臭が鼻をつく。
汗の臭い。
精液の臭い。
そして暴力の気配を発散させていた。
慰安所となっている本校舎からは離れた物置小屋を覗きにいったことがあった。
と父がいっていた。

凄い経験だった。
慰安婦とやるために、行列をつくっていた兵隊。
想像を絶することが敗戦間近のここではおこなわれたいた。
なにやるの。
きまってらぁ。
アレやるんだよ。
ばかだな。
勝ちゃんはなにもしらないんだ。
早熟な都会の子、友ちゃんの声、太田の声、そして皆の声がする。

見に行こうよ。
見に行こう。

誠は父と重なって……廊下を走った。
勝平と誠はダブル・イメージとなって廊下を走った。
父と誠の記憶が複合している。
父の記憶を思い出しながら――。
いまの、現実の誠が翔太を探している。
廊下を走っている。

もうなにもあげるものはない。
勝平の手持ちの食べ物は。
友ちゃんや太田の胃袋におさまってしまった。
そして、なにもすることがなかった。

慰安所を覗きにいこう。
誘ったのは友ちゃんだった。
誘ったのは太田だったかもしれない。

兵隊の粗暴な動き。
女をおさえこんでいる。
大きく股をさかれた白い女の裸体が男の下でうねる。
裸の女がうめいている。
女のアソコに兵隊のアレがもぐりこんでいる。
兵隊の肉が女の肉にくいこんでいる。
男の尻がはねている。
アッアッアアアアと女が泣いている。
女の両手が宙でなにか掴もうともがいている。
悲鳴をあげている。
あのひと殺されちゃうよ。 
ころされちゃうよ。       
バカだな、アレしてるんだ。
すごくいい気持ちなんだとさ。
死ぬほどいい気持ちなんだよ。
ほんとに死ぬわけないよ。
おわるとまたスグにやりたくなるんだってさ。
ぼくらにはまだわかんないことだけど。
精液の匂いだ、と知らされた、嗅がしみこんだ紙屑をわたされた。
これであそこふいたんだぞ。

そして――。
父たちは――。
ひとが殺されるほどの辱めにあうのを目撃してしまったのだ。
全裸にむかれて強姦されていたのは先生だった。
衣服を剥がされていた。
素っ裸だった。
由美先生とは気づかなかった。
いままで、大人ぶって解説していた太田がふるえだした。
兵隊に股を大きく割かれてうめいていたのは由美先生だった。
集団疎開を引率してきた保健の美人教師だった。
東京からきた綺麗な先生が乱暴された。
強姦されるのをみてしまった。
ことがおわってから、三人は先生を助けだそうとした。



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