田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

わたし死にたい イジメ教師は悪魔の顔/麻屋与志夫

2011-09-16 02:38:32 | Weblog
3
 
もう死にたい。
死んでもいい?
友ちゃんや太田君。
みんなの世話をできなくなるけど、ゴメンネ。
みんなの、世話できなくなる。
ゴメンネ。
ゴメンネ。

由美先生が泣いていた。
一糸纏わぬ姿を由美先生はさらしていた。
このんでなった姿ではなかった。
恥ずかしいことをされた。
死ぬほど辛い屈辱だった。
由美をささえながら……みんなが泣いていた。
おれたちがもっとはやく気づけば……先生を助けられた。

「先生ゴメンナサイ。ユルシテクダサイ」
いいの、いいのよ。
わたしたちは暴力にはかなわないのよ。
「ゴメンナサイ。先生」
いいの。
あなたたちの力ではどうしょうもないことよ。

由美は立っているのも苦しそうだった。
歩くことなど出来ない。
三人でかかえこむ。

すこしでも遠くまで逃げる。
この場所を離れるのだ。

逃げろ。
逃げる。

わたしはもうダメ。
わたしはキタナイ。
ヨゴレテイル。
わたしはきたない。
きたない。

それでも、先生の体は汚されてなどいなかった。
美しく輝いていた。
まぶしすぎる白い裸身像は瑞々しく光っていた。

もう、ここでいい。
あなたたちだけ、はやく逃げて
あなたちに、会えてよかった。
わたしが、なぜ死んだのか。
覚えていてね。

「ヤダヨ。先生もいっしょに逃げようよ」

わたしは、もうココでいい。

保健室。


 今日もも遊びに来てくれてありがとうございます。
 お帰りに下のバナーを押してくださると…活力になります。
 皆さんの応援でがんばっています。

にほんブログ村 小説ブログ ホラー・怪奇小説へにほんブログ村