田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

ハイエナの報道陣 イジメ教師は悪魔の顔/麻屋与志夫

2011-09-26 13:49:32 | Weblog
10

小野崎の家の周囲には何台か車が止まっていた。 
報道関係とわかる社旗を立てた車がおおい。
あたりが、ぼうっと霞んでいた。
ヘッドライトの光りで照らされていた。
薄明に雪がまっている。

「慧君の学校関係のかたですか」

ふいに、マイクをつきつけられた。
戸惑いながらも、否定した。

アプローチを玄関にいそぐ。
インターホンで何人かが内部と話しをしている。

「なにか、お話しはありませんか」
などと、マイクで無表情なインターホンに問いかけている。
それはまるで、どんなことがあっても、情報をとろうとしている――。
腐肉にむらがるハエエナの鼻先のようだった。

スチール製の扉は冷ややかに沈黙している。
いっこうに開きそうもない。
堅く閉ざされていた。
外部からの声には応えはもどってこない。
誠が報道陣をおしわけて自分が声をかけても。
扉からはなんの返事も得られないだろう。
また、小野崎には迷惑だろうと判断した。
車にもどることにした。
小野崎の苦悶を思った。
とてもインターホンを押すことはできなかった。

誠の車の脇に男がいた。
雪が肩先につもっている。 
キルテングのジャンバー。
深刻な顔。  
香取だった。
香取も小野崎とはクラスメイトだった。
そして野州新聞の記者であることを誠は思い出した。
瞬時にそう判断できないほど誠は困惑していた。
疲労していた。 

「すぐちかくに、深夜営業のレストランがあるから」
「いつ……から……のことだ?」

卓につくとさっそく誠は香取に訊いた。
「宇都宮南署に捜査願いがだされたのは5日まえだ」
「そうか、なにも知らなかったもので。今夜電話もらって、おどろいてかけつけた」
香取と会話をかわしているうちに誠は空腹に気づいた。
親友が、息子の死で嘆き悲しんでいるのに。
食事をすることに後ろめたさはあったが。
クリームシチュウを注文した。


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黒川は濁流/麻屋与志夫

2011-09-26 09:10:29 | Weblog
9月26日 月曜日
ブログです。

●先週の水曜日は台風が来るというので塾は休みにした。
土曜日と振り替えた。
ところが、風はたいしたことはなかった。
雨も夕立ていど。
直に止んでしまった。
これだったら、塾を休みにしなくてもよかったな。
といったところ……。
「影響がなくて、ありかたいことじゃないですか」とカミサンにたしなめられた。
それもそうだ。
この鹿沼は自然の被害にはほとんどあっていない。
アリガタイことなのだろう。

●翌日。木曜日。
かみさんとひさしぶりでベニマルまで買い物に出た。
黒川の土手が増水で崩落していた。
テイセンの幸橋の橋脚に増水で流されてきた木の小枝や藁くずのようなものがひっかかっていた。ああ、上流の日光のほうはかなりの降水量だったのだなと思った。

●平常なら、清流。雨後なので濁流。
黒川がこんなに濁っていることはめずらしい。
しばらく増水して、川音も高まっている流をみていた。

●この黒川の流れをテーマとして、小説をいつか書いてみたい。
川の流れをみながら空想にふけるのが好きだ。
楽しい。

●イジメ教師も半分は書ききった。
後半は劇画調にがらりと趣向が変わります。
これからもお楽しみください。


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