-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

ハンガーでもえもんかけ(衣紋掛け)でもありません

2014-06-26 18:16:44 | 民具

 何やらごっついハンガーのように見えますが、人間様には関係がありません。「ベゴ(牛)」が荷車を引くときに使いました。今から50年ごろ前までは、畑沢の主要な運搬車両は、牛がけん引する荷車でした。当時の牛は、大変な働き者でした。荷車をけん引するほかにも、田んぼや畑での耕運、代掻き、堆肥の元となる糞尿の排泄までやりました。一家の大事な働き手です。

 今は使わないのですから、残しておく意味がないのですが、中々、捨てられません。

 この写真の道具は、牛の肩あたりに掛けて、ベルトを首の下に回します。左右に伸びた棒の端には、金属の輪が取り付けられており、ここに荷車から伸びた取っ手を結びつけます。牛と荷車を結びつけるその外の道具もあったような気がしますが、どうしても思い出せません。何しろ、年端もいかない可愛いただのスビタレでしたからしょうがありません。それでも、この道具だけでは、牛は背中か首が痛いような気がします。きっと何かがあったと思います。

 牛が荷車を引かなくなったのは、耕運機が入ってきてからです。耕運機のお蔭で、牛は田畑の耕運もしなくなりました。しばらくは、堆肥の元を出して肉牛として売られるだけになりましたが、さらに肉牛の飼育もなくなり、各家から牛が消えてしまいました。

 でも、牛が引いている荷車に乗った記憶は鮮明です。中畑(なかばた)から荷車に乗って沼澤へ行き、夕方は山のように積載した収穫物の上に私たちが乗っていました。牛ですからゆっくりと動きます。家に着くころは、大分、暗くなりました。今、考えると異次元の世界のようです。のどかな風景です。あれから日本の経済が鰻上りに大きくなり、各家の収入が増えたのですが、誰もが忙しそうに動き回り、なんのための経済向上なのでしょうか。労働時間は長くなるばかりで、おまけに政治は懐古主義(時代錯誤)のオンパレードです。サイコパス的な人たちによって、いいように踊らされているようです。踊らされるのを止めて、ちょっと一息入れましょう。本当の自分を取り戻しましょう。

 リタイアすると、言いたいことを言えます。現職の方はそうはいきません。

コメント
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