背中炙り峠の楯を調査した4月6日、周囲は春そのものです。坂下から上り始めて、周囲の山々よりも高くなると、遠くの高山が大きく顔を出しました。畑沢側からは、北西から北東側までを眺めることができます。最も大きく見えるのが鳥海山です。畑沢から北西方向へ直線で50kmありますので、それなりに小さくなっているのでしょうが、かなりはっきりと見えます。鳥海山へ40年前と10年前に登ったことがあります。山形県内で最も標高が高く、私はヘロヘロ状態で下山しました。もう登る気はしません。
北の方向には、白い雪を抱いた峰の団体さんがあります。山脈状に並んでいます。新庄市、金山町、最上町の境に陣どっている神室山系です。標高は大したことはないのですが、登り口の標高が低いので実質的な標高差が大きいことと、峰から峰へ渡るのにかなり標高を損するために困難を極めました。あれは30年程前です。山へ登った話は、このごろ、ほとんどが昔話になりました。もう体力がないのです。体力自慢の私でしたが、やっぱり若い時とは違うようです。悔しいですね。
同じように体力がなくて、ヘロヘロ状態の蝶を見ました。まだ雪が融けたばかりですから、この蝶は成虫のままで越冬したようです。羽の周囲はボロボロですです。それでも羽の模様が見えますので、「何とかの一つ覚え」的知識で考えますと、ヒョウモンチョウではないかと思います。はて?ヒョウモンチョウは成虫のままで越冬するのでしょうか。聞いたことがありません。Wikipediaで調べましたが、「成虫での越冬」とは書かれていませんでした。とすると、新発見かヒョウモンチョウでないかです。どなたか教えてください。ところで、一匹だけではなく、4、5匹は飛んでいました。あしからず。
尾根に近づくと、池がみえました。昭和50年代ごろに水田用に作られたものです。この池は山の中にひっそりと佇んでいますので、水鳥の楽園になっているようです。晩秋には冬の渡り鳥がいっぱいになります。しかし、今は春です。冬鳥が北へ帰る途中に池で休んでいるとも思われません。双眼鏡で覗いたら、「コガモ」でした。渡りはしません。去年の五月にもここで写真を撮りました。でもその時は極、少数の番(つがい)でした。今年は群れになっています。交尾らしき行動をとる鳥もいました。きっと「集団見合い」だろうと勝手に結論付けました。
今年も写真を撮ろうと足を忍ばせて近づいたのですが、鳥にも目ざとい奴がいるものです。騒ぎだして、一斉に空へ飛び立ちました。飛び立った鳥たちは遠くへ逃げるわけではなくて、池の上空をぐるぐると何度も飛び回っています。「変な奴」が立ち去ったら、直ぐに池に戻るつもりだったようです。私は歓迎されざる存在です。私が少し池から遠ざかっただけで、ざわざわっと集団で池に降りていました。
ところで、今年の畑沢まつりは4月15日(金)です。熊野神社で9時ごろからお払いが行われます。