生き物観察と言ってみても、大したことはありません。いつものように、行き当たりばったりで撮っただけです。
川べりにキイチゴの花が咲いていました。一口にキイチゴと言っても沢山の種類があるそうです。しかし、私は畑沢のキイチゴがどんな種であるかを確認する努力はいたしません。それよりも、いつ頃になると食べられるようになるかが問題です。お菓子に恵まれなかった昔は、キイチゴは御馳走でした。近所の友達とあちこちと食べ歩いたものです。
田んぼの中には、オタマジャクシが沢山、泳いでいます。これもどんな種かは分かりません。オタマジャクシが泳ぎだすと、田んぼに、わんさかと湧くようにごちゃごちゃしていたミジンコが食べつくされて、姿を見なくなります。
そのオタマジャクシが泳いでいる田んぼの中に、何やら獣の足跡がありました。足跡が付くのは水が入っていない時期のはずです。田植えの前後に何かが、餌を求めて入ったのでしょう。何の足跡かを特定できませんが、消去法を試してみます。熊、カモシカ、猪、ノウサギではありません。イタチもこの大きさには合いません。猫はこの形ではありません。残りは、タヌキ、アナグマ、犬ですが、犬の放し飼いはないでしょうから、タヌキかアナグマだけとなります。しかし、足跡が不鮮明なので、さらに犯人を絞り込むことができません。ということにしておきますが、所詮、特定する力がありません。
この足跡の持ち主、水が抜けた田んぼで、タニシなどを食べていたのでしょう。
水辺の近くにヤマアカガエルがいました。これまでブログで何回か紹介しました。畑沢にはこの蛙が多いようです。中々、スリムで羨ましいスタイルです。産卵期を終えてやせ細っているのか、それともいつもスタイルがいいのでしょうか。
水辺にカワトンボが元気に飛び回っています。羽化したばかりの若いカワトンボは羽の色が違いますが、これは十分に大人になっているようです。
千鳥川の中に珍しい光景が見られました。小魚が群れていました。こんな光景は遠い昔に見たきりです。昔は千鳥川のどんな所でも、魚の姿を見ることができました。ところが、最近は極、たまにしか魚の姿を見ることができなくなりました。農薬、河川工事、立石山の採石、重機による作業道工事と、枚挙に暇がないほどに川を痛めつけた結果です。幸いにも最近は若干、回復傾向にあります。うれしいことです。
さて、この沢山の魚たちは、アブラハヤです。畑沢では、ニガザッコとか単にニガと軽蔑されている魚です。しかし、今では千鳥川の回復を知らせる天使のようなものです。写真の白い管は、田んぼにポンプアップするもので、その吸い込み口に魚の餌となるごみがつっかえているのでしょう。
山楯の調査をしている時に、杉藪で妙な葉を見ました。どこかで見たような初めて見るような葉です。私のあやふやな見立てですが、もしかしたら「サルナシ」ではないかと思います。キウイの御先祖様のような植物ですから、キウイの葉に似ているような気がします。しかし、これまでサルナシの実(コクワ)を食べたことはありますが、葉をしっかりと観察したことはありません。
同じ場所に、畑沢で最も大きい思われるヤマボウシの花が咲いていました。道路から大分離れていますので、中々、人目に触れることはありません。でも、必見すべき見事さです。
アオイの仲間であるウスバサイシンが沢山、生えていました。この植物には、独特の形の花が咲くはずですので、株の根元を探してみましたが、何処にも花がありませんでした。花の咲く時期が違うのかもしれません。いつ咲くのでしょうね。
道路の近くの藪で、ちょこまかと忙しく飛び回る蝶のようなものがいました。撮影は困難を極めました。最高の出来でもこの程度です。羽の色が美しいというよりも兎に角にぎやかです。白、黒、黄色が入り混じっています。調べましたら、「トラガ」という蛾の仲間だそうです。昼行性なので、益々、蝶と間違えてしまいます。
最近、私の仲間に昆虫好きが増えました。お陰で、私も感化されています。これまでは昆虫を見ても関心がなかったのですが、最近はやたらと昆虫が気になります。この虫もその一つです。5月の末に屏沢で見かけました。蜂のような、蝶のような、蛾のような虫です。上のトラガを調べている時に、偶然、この虫の写真と名前が出てきました。「ヤマトシリアゲ」だそうです。この虫の雄は、しっぽの先がサソリの尻尾のようになっているのだそうです。しかも、肉食だそうですから、私には好きになれない「虫」 です。