1月のある日、久しぶりに移植ベラをいじっていたら、ヘラ部分がぐらつきました。よく見ると、柄とヘラ部分が怪しいようです。
表部分を拡大したところです。へらを差し込む柄の部分に大きな隙間が広がっています。腐食です。
裏から見ても同様です。
解体しました。へらを取り付ける柄の中から細かく割れた木の欠片が出てきました。柄とヘラを抑える木ネジも全く効き目がありません。これは以前に修理を施したことがあります。それから20年以上も経っています。柄の材質は栗材と思っていたので、長持ちするだろうと思っていましたが、見た目だけが栗材で違う木材です。へらは肉厚でまだ十分に使えます。口金も大丈夫でした。このヘラの肉厚感を気に入って、使っていました。柄が朽ちても、まだヘラの肉厚感に対する愛着は捨てきれません。
柄を取り替えることにしました。今度こそ本当の栗材です。この程度の端材はかなりストックしています。柄のデザインは、特に考慮しません。あるがままに合わせて利用します。これも私流です。
へらを差し込むところは、何度もドリルで掘り込みました。細かい調整には、丸い木工ヤスリをドリルの先端に取り付けて、ぐるぐる回して削りました。
さらに柄を丸く成型し口金取り付け部を削ってヘラを差し込んだところに、挿した真鍮の釘をハンマーで鉸(かし)めて完成です。一応、水が浸透しやすい木口部には、2液混合タイプのエポキシ接着剤を温めて塗布しました。表面にも薄く塗布しています。ヘラを差込んだ大きな開口部には、木の粉をエポキシで練り込んだパテを埋め込みました。防水対策が肝要です。
裏から見たところです。
これで私の生存中は勿論のこと、私がいなくなっても妻子が使ってくれるでしょう。我が家の数少ない財産として、移植ベラが残っていくかな。
永久保存せよ!
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