百子の部屋

日々のあれこれ思いのままに。。。

猫鳴り

2007年10月10日 | 読書

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★ 「猫鳴り」 沼田まほかる 読みました。

猫好きの人にも、そうでない人にも、おすすめの1冊です。

40歳でやっと授かった子供を流産してしまった信枝。
そんな時、庭に赤茶色の子猫が迷い込んできた。
まだ生まれたばかりで、みすぼらしく、
まるでヒキガエルのような、その猫は、
消えてしまった赤ん坊を思い起こさせ、おぞましささえ感じる。
彼女は、その猫を、新聞紙に来るんで、畑に捨てに行くのだが。。。

猫を飼った事がある人ならわかるような、細かい描写が嬉しい。
あぁ。。。そうそう、そんなしぐさするよなぁ。。。って、

スフィンクス座りとか、丸くなって寝る姿がアンモナイトのようだとか、
気分のいい時にグルルル。。。とうなるのを「猫鳴り」と名づけたり、
猫好きの私は、思わずムフフ。。。となってしまう。


登場人物も、興味をそそる人たちばかりで、面白い。
父子家庭の親子の会話が、また、いいんだなぁ。。。

そして、一匹の猫が、悶々とした日々を送る少年の心に、
ほのかな光を与えたり、
孤独な老人の寂しさや、死への恐怖をやわらげて行く様も、
深く静かに描かれていて、
じんわりと涙があふれたのでした。

たかが猫。。。されど猫。。。

コメント (4)
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