○昭和天皇の誕生日、先日電車で行った門司港での撮影の続きがしたくなり、せっかくだから試しに原付バイクで走ってみよう、という無謀な企画となる。福岡からひたすら「国道3号の起点」を目指して東上する。佐賀や筑後に行くのと同様に片道約2~3時間とみて、4月下旬の晴れ方でようやく体感気温が上がってきたからできることである。城山~岡垣のトンネルや峠越えも、思ったより混んでいなくて来れた。北九州まで来るのは何年ぶりだろうか?
小倉までは来たことあるのだ。通ったことがあるぞ、と思う道路の視角で、少しずつ記憶が蘇ってくる。小倉駅付近を通過したあたりから次第に未知の景色となり、“我々毎日通ってておなじみの”「国道3号」が、どんどん細くなってきて、異国感満点気分でちょっとどきどきしてくる。が、左下の海岸沿いに見えるのは、前回乗ってた電車の線路ではないか!ここまでバイクで来ちゃった、という快感に苦笑し、そして(結構小倉からのほとんどまっすぐの3号線が長いような気がしたが)、ついに、まぎれもなき門司区役所が見えた!(快晴だわ)





昼前に出発して走ってきたから空腹感を覚え、まずは腹ごしらえに、前回と別のお店の王様のたまごで焼カレー+珈琲をいただく。卵のマイルドさ+辛味スパイスがなかなか美味。


門司港駅前に駐輪場があるのだが、あちこちにある自動車用パーキングと違って、意外と二輪車を駐めるところが他に見つからない(バイクは駅前に駐めて、商店街は徒歩で行く、とすべきか)。前回借りたレンタサイクルの方が、ちょっとした買物なら数分脇に停められたんだが。とりあえず、町の中を走りつつ発見できるモダンな町並みを撮る。規模的に、新潟の下(しも)の方とか沼垂とか、あるいは八戸の八日町とか三日町とかあたりを思い出すからなのだろうか、この懐かしさは。




今回はバイクだから、乗って行けるところ、を目指して、国道3号と2号の起点(老松公園前交差点)からさらに、駅周辺よりも少し先の、和布刈神社まで走ってみる。
…神社の頭上に関門橋があり、対岸が壇ノ浦という絶景。たれぱんだやキイロイトリやむすび丸もここで休憩。


今度もし一泊くらいできるなら、トンネルから対岸の山口県側に渡って下関で遊んでから帰ってきてもいいですな。今日はここまで。


大好きな門司港駅まで戻ってまた少し休憩してから、今度は夕日を追って、国道3号をひたすら西下するのであった。またいくつかの峠を越え、福岡市に入る手前で日の入りを迎え、夕食は「らーめん雷蔵」で普通のラーメンにする。自由に取れますお惣菜の一種=キムチがマイルドで、スープはまったりだが脂っこくはなくすっきりで、ストレートな細麺。また、生姜も白い(紅しょうがでない、色なしの白)。なかなか。


しかしこういう「近代化遺産」を回っていて感じることがある。レトロ地区は確かに観光地的に景観が出来ているが、それ以上に、門司や小森江付近のその途中の3号沿いの、どこか「昭和の時間の中」のままで居続けているような一般住宅や建造物を感じながら、ただ走り続けるという時間の過ごし方の中で、目に映る「名もない」光景の、不思議な「昭和ぽい」意匠にこそ、心が騒ぐ。結構「昭和の日」らしい気分になっているのではないかと思うのである。

BGM:Just the Way You Are(「素顔のままで」) / Billy Joel (20110429)
