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アニアーラについて、その永遠の夜

2024-05-27 06:53:00 | SF

 1974年にノーベル文学賞を受賞したスウェーデンの作家・ハリーマーティソン氏。
 そのマーティソン氏が1956年に発表、SFがテーマの叙事詩を原作とした映画。

 ストーリーは、

 近未来、地球の環境汚染が進み人類は火星への移住を開始。
 宇宙船アニアーラ号は8千人の乗客を乗せ発進。火星まで予定三週間の旅。

 しかし、機器の故障で操縦不能に陥り火星への到着失敗。
 アニアーラ号は宇宙を彷徨う難破船になってしまう。


 MRとイサゲルっていう嬢ちゃん2人が主人公?で物語が進みます。
 厳密に主人公がどうと言うよりは難破船に住む人々の過程のお話。

 一応、アニアーラ号は空気やら何やら自給自足が可能で暮らすには困りません。
 AIである《ミーマ》により、人間の脳内にイメージを流し込み不安を取り除けます。

 当初は大丈夫だったんです当初は。
 漂流から数年経ち、ついにミーマが故障。そこから崩壊が始まる。

 不安に耐えきれず自殺者が相次ぐ。
 船内にヒエラルキーが生まれ、カルト宗教が流行り。

 単純に人間の歴史や縮図というよりかは、宇宙独特の雰囲気。
 人間の精神が徐々に狂い荒廃し虚無になる。船は棺と化す。
 
 やたら評価低いけど、めちゃめちゃ面白いよなあ。
 内容としては「で?」っていう、過程を見せられてるだけのオチなしだけど。

 それが面白いんやがなあw
 漂流が決まった時点で、無限とも言える広大な宇宙、破滅は決まっていたと。

 根源的な怖さを表している、と思うw
 とにかく救いがないし話にオチを求める人には向いてない作品やが。

 俺は好きだw
 では、また。