山我浩氏の『 原爆裁判 アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子 』という本を読みました。
ミーハーな私は、朝ドラのモデルになった三淵嘉子氏について興味があったので購入しました。
内容は
本書に寄せて(前坂俊之)
第一章 死の商人と呼ばれた男
第二章 原爆が投下された日
第三章 放射線との戦い
第四章 アメリカはお友達?だが・・・
第五章 女性弁護士三淵嘉子の誕生
第六章 家庭裁判所の母
第七章 原爆裁判
第八章 三淵嘉子の終わりなき戦い
「厳罰裁判」判決文
おわりに
です。
三淵氏の人となりが紹介されている本だと思ったのですが、主題は「原爆投下は国際法違反である」という判決を下した裁判で、第1回口頭弁論から結審までを担当した東京地裁裁判官という部分でした。
興味深かったのは、一~四章までに記されている『原爆投下の真相』ともいえる部分でした。
オッペンハイマー氏やトルーマン大統領については、色々な資料や映画などで紹介されていましたが、原爆の材料となった高純度のウラン鉱を独占していたエドガー・サンジュ氏や、投下後の惨状を隠蔽し、偽りの報告をさせたグローブス少将など、あまり表に出てこない人たちについて記されていることが、とても勉強になりました。
その後、アメリカ軍が設定した危険水域の外で操業していた「第五福竜丸」の船員久保山愛吉さんが、水爆実験で被爆し亡くなったにもかかわらず、非難の矛先をかわすために第五福竜丸をソ連のスパイ船だと発表したアメリカ政府のことなど、知らなかったことのオンパレードでした。
一番印象に残った部分は、原爆裁判の判決文に付け加えられた、
『われわれは本訴訟をみるにつけ、政治の貧困を嘆かずにはおれないのである』という一文でした。
本当に読んで良かったと思いました。
皆さんも読んでみてください。