退職オヤジのひとりごと

退職オヤジが直面する新しい日々…感動か困惑か?
カオスの日々を綴ります

原爆裁判

2024年08月18日 19時48分03秒 | 本を読みました

山我浩氏の『 原爆裁判 アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子 』という本を読みました。


ミーハーな私は、朝ドラのモデルになった三淵嘉子氏について興味があったので購入しました。


内容は

本書に寄せて(前坂俊之)
第一章 死の商人と呼ばれた男
第二章 原爆が投下された日
第三章 放射線との戦い
第四章 アメリカはお友達?だが・・・
第五章 女性弁護士三淵嘉子の誕生
第六章 家庭裁判所の母
第七章 原爆裁判
第八章 三淵嘉子の終わりなき戦い
 「厳罰裁判」判決文
おわりに

です。


三淵氏の人となりが紹介されている本だと思ったのですが、主題は「原爆投下は国際法違反である」という判決を下した裁判で、第1回口頭弁論から結審までを担当した東京地裁裁判官という部分でした。

興味深かったのは、一~四章までに記されている『原爆投下の真相』ともいえる部分でした。

オッペンハイマー氏やトルーマン大統領については、色々な資料や映画などで紹介されていましたが、原爆の材料となった高純度のウラン鉱を独占していたエドガー・サンジュ氏や、投下後の惨状を隠蔽し、偽りの報告をさせたグローブス少将など、あまり表に出てこない人たちについて記されていることが、とても勉強になりました。

その後、アメリカ軍が設定した危険水域の外で操業していた「第五福竜丸」の船員久保山愛吉さんが、水爆実験で被爆し亡くなったにもかかわらず、非難の矛先をかわすために第五福竜丸をソ連のスパイ船だと発表したアメリカ政府のことなど、知らなかったことのオンパレードでした。


一番印象に残った部分は、原爆裁判の判決文に付け加えられた、

われわれは本訴訟をみるにつけ、政治の貧困を嘆かずにはおれないのである』という一文でした。


本当に読んで良かったと思いました。

皆さんも読んでみてください。


終戦記念日考

2024年08月16日 20時08分05秒 | 雑感

終戦記念日を迎え、多くのTVで、戦争に関する特集が組まれていました。

その多くは、戦争の悲惨さを伝えるものです。

 

ところで、なぜ終戦記念日は8月15日なのでしょう。


太平洋戦争は1945年9月2日、「日本への降伏要求の最終宣言」という降伏文書に調印し発効により終わったとされます。

ゆえに諸外国における戦争終結の記念日は9月2日です。


日本がポツダム宣言受諾を中立国であるスイスとスウェーデンに向けて送信したのは8月10日。

やがて駐スウェーデン公使から、アメリカの回答は日本の申し入れを受け入れたという報告が届き、ようやく政府が宣言受諾を決定したのは14日。同日、終戦の詔勅も発せられました。

9月2日でもなく、8月14日でもない8月15日・・・これは玉音放送がなされた日ということでしょう。
 (「玉音放送」現代語訳はこちら

 

白井聡氏は、その著書「永続敗戦論」(2013年 太田出版)で、『純然たる「敗戦」を「終戦」と呼び換えるという欺瞞によって戦後日本のレジュームの根本が成り立っている・・・』と断言しています。

つまり、都合の悪い事実を言葉巧みに言い換えることにより、「問題の本質から眼を逸らそうとしている」よくいえば「その方が復興のためには都合の良い」ということだったのでしょうか。

 

なぜ戦争は行われなければならなかったのでしょうか。312万人もの犠牲者を出しながらも。(312万人は日本人のみです。それ以外に各国に犠牲者がいます。)


敗戦を終戦と言い換え、玉音放送日を記念日にする。


こんな処も、歴史を正しく評価する(責任を追及するということではなく、後世に正しく伝えるということ)ということが等閑にされてきている一つの例でしょう。


「等閑」・・・いやむしろ、周到な計略のもとに、あえて触れないようにしてきたのかもしれません。


そんな部分が有るとすれば、反省が乏しく「歴史は繰り返される」となってしまうのではないか。

 


戦後80年が経とうとしています。

 

もうそろそろ、政府が戦前の事実の検証をしても良いのではないか。


最近は「戦前」のようだ・・・という論調を目にして、思わず考えてしまいました。

 

『戦争の悲惨さだけを伝える報道』が、マスコミの自慰行為でなければ良いのですが・・・。

 


復興の今

2024年08月14日 16時00分33秒 | ニュースより

オリンピックが終わりました。


報道がオリンピック一色になっているとき、へそ曲がりの私は、他の大切なニュースはないかとネットサーフィンをしていました。


そんな時、正月の地震についての記事を見つけました。

宿泊代の7割補助「復興応援割」能登地域に実施へ 岸田首相  7月1日 15時19分

本当に困っている人たちは、旅行者を受け入れることが出来るのでしょうか。


能登半島地震 あすで7か月 今も農業用ハウスで避難続ける人も  7月31日 13時02分

 

順番が違うのではないか?・・・と考えていたら、岸田さんは次期総裁選に出ないとか。


【解説】なぜ今?岸田首相不出馬の背景に“政治とカネ巡る問題への責任”明言 “外交日程にひと区切り”も影響

 

ニュースが一政党の次期総裁選にジャックされてしまう。

 

未来志向とか云って、裏金問題は遠い過去の出来事のような扱いで有耶無耶にしていないか?

こうしている今現在、手助けが必要な人たちが大勢いることを忘れていないか?

 

本当に必要な政を落ち着いて行う時は、果たしていつ来るのだろうか?

 


「空腹」こそ最強のクスリ

2024年08月13日 11時08分05秒 | 本を読みました

青木厚氏の『 「空腹」こそ 最強のクスリ 』という本を読みました。


古本屋を冷やかしていたら、目にとまりました。
発行年を見たところ、数年前でしたので買い求めました。


内容は

はじめに
第1章 「一日3食しっかり食べる」「空腹な時間を作る」どちらが長寿と健康をもたらすか
第2章 無理なく「空腹」を作り、身体を蘇らせる食事法
第3章 「糖」がもたらす毒を、「空腹」というクスリで取り除く
第4章 「空腹力」を高めれば、これだけの病気が遠ざかる!

です。

各章とも一つの項目が短くまとめられており、大変読みやすい本でした。

 

本の中で、ミトコンドリアについて触れていました。

細胞内のミトコンドリアについては、多少の知識があった(知識といっても映画「パラサイト・イブ」を観て少し調べただけです)のですが、古くなったミトコンドリアも『オートファジー』により、新しいものに置き換えられることを知りました。

オートファジーは、大隅義則博士がノーベル賞を取ったあれです。

 

最近身体の調子が今一の自分です。

 

食いしん坊の私ですが、無理を承知で16時間断食をして見ようかなとも思いました。


変な家

2024年08月12日 07時11分26秒 | 本を読みました

雨穴氏の『 変な家 』という本を読みました。


普段小説はあまり読まないのですが、映画を見損なったので活字から入ってみようと手に取りました。


内容は
第一章 変な家
第二章 いびつな間取り図
第三章 記憶の中の間取り
第四章 縛られた家
文庫版あとがき

と目次にありました。


芝居台本の台詞のように登場人物の発言が記されていたり、家の間取り図が多く示されていたりと、私の知る小説とは異なる部分が多く、今の新しい形の小説の一つかと思いました。

しかし、読み進めてみると横溝作品のような怖い内容に、引き込まれていきました。

 

オリンピック一色となった情報の嵐の中で、ホッと一息つける時間が得られる作品でした。