時々雑録

ペース落ちてます。ぼちぼちと更新するので、気が向いたらどうぞ。
いちおう、音声学のことが中心のはず。

Tongue-cut sparrow

2005年11月14日 | 
先週の水曜日、こちらへ来て二度目のボランティアをしました。行き先はEdgewood Elementary and Secondary School という幼稚園と小学校が一緒の公立学校。まだできて一年で、写真のとおり、きれいです。Bloomingtonのすぐ隣の、Elwoodという町にあります。

 日本でいう「延長保育」の子たちの活動の一環として、「外国語で外国のお話を聞きましょう」という時間があるのだそうです。その学校の先生がIUの留学生にときどき依頼をかけるのです。仲介は東アジア研究センターの事務局。ボランティア登録をしている学生にメールで連絡を回します。結局私しか手を上げなかったらしく、担当のMaryanneの車で、学校に向かいました。こちらに来てもうすぐ3ヶ月ですが、Bloomington市の外に出たのはこれが初めてでした。

 お話は、事務局にある(英訳つき)紙芝居の中から「舌切り雀」を私が選びました。米を煮て糊を作り、障子を貼る、など日本の文化が紹介できるな、と思ったので。当日は、小学校の子6人と、幼稚園の子17人が一緒の部屋で、座ってお話を聞いてくれました。最初は英語で。ストーリーが分かったところで、日本語の単語をいくつか勉強。教わったのは「すずめ」「じいさん」「ばあさん」「うし」「うま」「おおきい」「ちいさい」です。そして私が日本語で。勉強した単語が出てくるたびに、ジェスチャーします。「うま」なら、ひづめで地面を蹴るしぐさ、「大きい」なら手を大きく広げて、というように。

 やってみて分かったのは、子どもが引き込まれるように表情をつけて読むのはとても難しい、ということです。同じ話を2度聞くことになるので、退屈して騒ぎ出すのでは、と冷や汗をかきました。幸い、みんな静かに聞いてくれて、ふだん世話をしている職員も驚いたそうです。お話の後は塗り絵の時間。単語を習うときに使った絵に色を付けます。その塗り絵の用紙に、自分の名前を日本の文字で書いて欲しい、という注文が(主に幼稚園の子から)殺到、引っ張りだこでした。

 最初は突然やってきたアジア人を不思議そうに見つめ、中には手を上げて「この人は英語を話すの?」と聞く子もいたのですが、最後はすっかり慣れてくれたようです。あれこれ話しかけてくれました。とってもかわいかったのですが、プライバシー問題もうるさいでしょうから、写真を撮るのは遠慮しました。

 ちなみに子どもたちは全員白人(Latinoも含む)。そもそもIndiana州は白人が圧倒している地域(2000年で87.5%)ですが、IUも州立大ということもありアフリカ系はとても少ない。たまたまですが、今週、地理学科の研究セミナー(Colloquiumというそうな)があるらしく、図書館内にIndiana州の人口構成の地図が展示されていました。それによると、この州に多いのは、ドイツ系、つぎにアイルランド系でした。イギリス系じゃないんですね。その先は記憶が怪しいのですが、ミシガン湖周辺に偏ってどこかの国からの移民が集中していました。ポーランド系だったかな… 確認するため地理学科のWebを見に行きましたが、現在Colloquiumの準備の関係か、メイテナンス中で見られません。見られるようになったら、ここでリンクを紹介します。なお、Indianaという名前はあるものの、アメリカ原住民系の人は、少数派です。

 もうひとつついでに、この記事のタイトルは「舌切り雀」の紙芝居の英語タイトルですが、Maryanneの話では、日常的には「すずめ」のことはただbirdと呼ぶそうで、sparrowと特定した呼び方はしないそうです。