中山道は木曾路南端の新茶屋から、有名な十曲り峠の石畳になりますが、雨の多かった今年は、例年以上に青い苔が石の表面を覆っており、非常に滑り易く一歩一歩が緊張の連続でした。2008年に歩いた時よりも明かに苔の着きが多いと感じました。昔の人は草鞋履きだったので滑ることは無かったと思いますが、現代の履物、つまりゴム底の靴は濡れた石や苔の着いたところは滅法弱いのです。
古代ローマのアッピア街道同様、日本の江戸五街道は当時としては一級の道路だったと思います。石を並べて舗装された道は、ぬかるんだ山道を歩くことを考えれば最上の道だったはずです。たとえ部分的とはいえ、このような道が今も残っていることはやはり素晴らしいことです。歩いていて愚痴も出ますが、400年前から我々の祖先が歩いてきた道を歩けることに感謝しないわけにはいきません。